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驚きの家族構成。
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そう、母親は4年前、42歳で弟を産んだのだ。
「俺を産んだのが18歳の時で、一番下の弟は8人目なんだよ。」
「・・・8人!?え!?8人兄弟なんですか!?」
「うん。妹が2人とあとは5人の弟。歳はまぁまぁ離れてるかな。」
「すごい・・・。私、一人っ子なんでちょっと想像がつかないです・・・。」
3人くらい子供がいる家庭は子供が多いと言われるだろう。
そんな中で8人の兄妹がいるうちは、大家族といっても過言ではない。
「まぁ、俺は大学出てから家を出たし、他の兄妹も何人か家を出てる。今残ってるのは・・・3人かな?一人高校の寮に入ってるし。」
「それでも多いですー・・・。じゃあ8人目の弟さんって今、幼稚園生なんですか?」
「そうなんだよー・・時々帰ると『遊べ』って言われる。これが結構ハードでさー・・・」
笑いながら言うと、夏目さんも笑いだした。
手を口に軽くあててクスクスと笑う姿がまたかわいい。
「ふふっ。賑やかでいいですね。」
「まぁ、今はたまにしか遊んでやれないから・・・会った時は目一杯遊んでやらないと俺のこと忘れるかも知れないし?」
これも笑いながら言うと、夏目さんはまたクスクスと笑ってくれた。
気がつけば空にあった黒い雲は無くなり、遠くでは青空がちらついてる。
楽しかった夏目さんとのドライブも、もうそろそろ終わりを迎えそうだ。
「あ、そこの角を曲がったところですー。」
そう言って指差したところにある曲道。
俺も知ってるこの道を曲がれば彼女が住んでるガーデンハイツが見えて来る。
「オーケー。確かアパートの前って少し広くなってる場所あったよね?そこでいい?」
「はいっ、ありがとうございますー。」
ゆっくり減速して角を曲がった。
少し狭い道を抜け、見えて来たガーデンハイツの前のスペースに車を止める。
すると彼女が思っても見ないことを言った。
「今日はいろいろありがとうございました。あの・・今度差し入れを持って行かせていただこうと思ってるんですけど、できれば高森さんたちがいてる日がいいので・・・連絡先をお聞きしてもいいですか?」
そう言って鞄からスマホを取り出したのだ。
「え・・!?いいの!?」
「?・・・はい、知らない人に預けるのもどうかと思うので・・・できればお願いしたいですー。」
俺は慌ててスマホを取り出した。
「えっと・・メールと電話番号・・・あ!あったあった!」
俺はスマホの画面に自分の連絡先を出した。
彼女はそれを見ながら自分のスマホに登録していく。
「ちょっと送ってみますねー。」
そう言って彼女は俺にメールを送ってくれた。
スマホの画面には『新しいメール』の文字と共に、登録してないアドレスが表示されてる。
「『chitose』?」
「そうですー。えっと・・・あとは電話・・・ですね。」
しばらく待つと、登録してない番号から着信が出た。
番号を読み上げると夏目さんが高速で頷いてる。
「おっけ。登録しとく。」
「ふふ。・・・じゃあ、ありがとうございました。ここで失礼します。」
そう言って夏目さんは荷物をぎゅっと抱え、車から下りた。
ドアを閉めたあと数歩後ずさりして、俺を覗き込むようにして手を振ってる。
(かわいい・・。)
健気でかわいい姿をいつまでも見てるわけにいかず、俺はアクセルを踏んだ。
ルームミラーで、遠くなっていく夏目さんを何度も見てしまう。
「俺・・期待してもいいんだろうか・・・。」
普通、苦手な人相手なら連絡先を聞いたりはしないだろう。
例え苦手な雷が鳴っていても、嫌いな人の車に乗ったりもしないだろう。
俺の車に乗ってくれたり、『差し入れ』という理由があるにしても連絡先を聞いてくれたりするのは、少なくとも嫌われてはいない証拠だと思った。
「・・・二人で出かけようって言ったら・・・断られるかな。まだ司たちと一緒の方が誘いに乗ってくれるかな・・。」
どう誘うかを悩みながら家に帰った俺に、夏目さんからメールが届いた。
『今日はありがとうございました。おかげでものすごく助かりました。来週あたりで出勤の日、教えていただけたら嬉しいです。』
「来週か・・・確か・・・」
俺は自分の出勤日をメールに打ち込んでいった。
基本的に24時間勤務だから、翌朝までは署にいることも添えて。
するとすぐに夏目さんから返事が来て・・・
『24時間なんですか!?体調に気をつけてくださいね?一応出勤日にお伺いするつもりなんですけど、もしお仕事でいらっしゃらなかったら預けさせていただきますね。お仕事がんばってください!』
何時間でも頑張れそうなメールに、俺は頬が緩んで仕方なかった。
とりあえずお気に入りに登録して、そのメールを大事にしまう。
「楽しみだな・・・。」
俺は期待に溢れながら、今日のことを思い返しまくった。
「俺を産んだのが18歳の時で、一番下の弟は8人目なんだよ。」
「・・・8人!?え!?8人兄弟なんですか!?」
「うん。妹が2人とあとは5人の弟。歳はまぁまぁ離れてるかな。」
「すごい・・・。私、一人っ子なんでちょっと想像がつかないです・・・。」
3人くらい子供がいる家庭は子供が多いと言われるだろう。
そんな中で8人の兄妹がいるうちは、大家族といっても過言ではない。
「まぁ、俺は大学出てから家を出たし、他の兄妹も何人か家を出てる。今残ってるのは・・・3人かな?一人高校の寮に入ってるし。」
「それでも多いですー・・・。じゃあ8人目の弟さんって今、幼稚園生なんですか?」
「そうなんだよー・・時々帰ると『遊べ』って言われる。これが結構ハードでさー・・・」
笑いながら言うと、夏目さんも笑いだした。
手を口に軽くあててクスクスと笑う姿がまたかわいい。
「ふふっ。賑やかでいいですね。」
「まぁ、今はたまにしか遊んでやれないから・・・会った時は目一杯遊んでやらないと俺のこと忘れるかも知れないし?」
これも笑いながら言うと、夏目さんはまたクスクスと笑ってくれた。
気がつけば空にあった黒い雲は無くなり、遠くでは青空がちらついてる。
楽しかった夏目さんとのドライブも、もうそろそろ終わりを迎えそうだ。
「あ、そこの角を曲がったところですー。」
そう言って指差したところにある曲道。
俺も知ってるこの道を曲がれば彼女が住んでるガーデンハイツが見えて来る。
「オーケー。確かアパートの前って少し広くなってる場所あったよね?そこでいい?」
「はいっ、ありがとうございますー。」
ゆっくり減速して角を曲がった。
少し狭い道を抜け、見えて来たガーデンハイツの前のスペースに車を止める。
すると彼女が思っても見ないことを言った。
「今日はいろいろありがとうございました。あの・・今度差し入れを持って行かせていただこうと思ってるんですけど、できれば高森さんたちがいてる日がいいので・・・連絡先をお聞きしてもいいですか?」
そう言って鞄からスマホを取り出したのだ。
「え・・!?いいの!?」
「?・・・はい、知らない人に預けるのもどうかと思うので・・・できればお願いしたいですー。」
俺は慌ててスマホを取り出した。
「えっと・・メールと電話番号・・・あ!あったあった!」
俺はスマホの画面に自分の連絡先を出した。
彼女はそれを見ながら自分のスマホに登録していく。
「ちょっと送ってみますねー。」
そう言って彼女は俺にメールを送ってくれた。
スマホの画面には『新しいメール』の文字と共に、登録してないアドレスが表示されてる。
「『chitose』?」
「そうですー。えっと・・・あとは電話・・・ですね。」
しばらく待つと、登録してない番号から着信が出た。
番号を読み上げると夏目さんが高速で頷いてる。
「おっけ。登録しとく。」
「ふふ。・・・じゃあ、ありがとうございました。ここで失礼します。」
そう言って夏目さんは荷物をぎゅっと抱え、車から下りた。
ドアを閉めたあと数歩後ずさりして、俺を覗き込むようにして手を振ってる。
(かわいい・・。)
健気でかわいい姿をいつまでも見てるわけにいかず、俺はアクセルを踏んだ。
ルームミラーで、遠くなっていく夏目さんを何度も見てしまう。
「俺・・期待してもいいんだろうか・・・。」
普通、苦手な人相手なら連絡先を聞いたりはしないだろう。
例え苦手な雷が鳴っていても、嫌いな人の車に乗ったりもしないだろう。
俺の車に乗ってくれたり、『差し入れ』という理由があるにしても連絡先を聞いてくれたりするのは、少なくとも嫌われてはいない証拠だと思った。
「・・・二人で出かけようって言ったら・・・断られるかな。まだ司たちと一緒の方が誘いに乗ってくれるかな・・。」
どう誘うかを悩みながら家に帰った俺に、夏目さんからメールが届いた。
『今日はありがとうございました。おかげでものすごく助かりました。来週あたりで出勤の日、教えていただけたら嬉しいです。』
「来週か・・・確か・・・」
俺は自分の出勤日をメールに打ち込んでいった。
基本的に24時間勤務だから、翌朝までは署にいることも添えて。
するとすぐに夏目さんから返事が来て・・・
『24時間なんですか!?体調に気をつけてくださいね?一応出勤日にお伺いするつもりなんですけど、もしお仕事でいらっしゃらなかったら預けさせていただきますね。お仕事がんばってください!』
何時間でも頑張れそうなメールに、俺は頬が緩んで仕方なかった。
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「楽しみだな・・・。」
俺は期待に溢れながら、今日のことを思い返しまくった。
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