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初夜。
しおりを挟むかえでside・・・
かえで「う・・・」
目を覚ました私は、あまりの眩しさに手で顔を覆った。
ゆっくりと指を広げて目に入る景色を確認する。
かえで「・・・え!?」
目に飛び込んできたのは真っ赤な夕日。
その色から、今が夕方なことは瞬時にわかった。
慶「あ、起きた?」
私を覗き込んできた慶さんの顔が見える。
かえで「起きたけど・・・ここ、どこ?」
驚きながら私は体を起こした。
私の身体はベッドにある。
どう見ても部屋のようだけど、ただひとつおかしなところがあった。
この部屋には壁がない。
慶「ここは離れのベッドルーム。歩けそう?」
かえで「・・・う・・うん。」
立ち上がって回りを見回す。
屋根はあるものの、やっぱり壁はなかった。
壁の代わりにあるのは緑色の木々。
花もたくさん咲いていて・・・森の中のようだ。
私は枕元に置かれていた鞄を手に持って、玄関・・・らしきところに向かった。
慶「サンダルは履いたほうがいい。」
そう言われ、『部屋』と『外』の区切りらしきところでサンダルを履いた。
慶「ん。」
手を差し出してきた慶さん。
私はその手を取って歩き始めた。
かえで「私・・・寝てた?」
どうやってこんなところに来たのかの記憶がなかった。
慶「眠らせて連れてきた。帰りは起きてていいから。」
かえで「・・・あ、そういえば何か飲まされた・・。」
思い出してくる記憶。
式をして、車に乗った直後くらいに何かを飲まされたことを思い出した。
かえで「もー・・薬まで使わなくたっていいのに・・。」
わざわざそんなことをしなくても・・・と思ってると、慶さんが少し笑いながら言った。
慶「できれば驚かせたかったから。」
かえで「?・・・驚く?」
慶「うん、・・・ほら。」
歩き進めた森の中の道。
ひらけたところに出たと思ったら、そこは海だった。
かえで「・・・海!?」
慶「見渡す限り・・・海だろ?」
右を向くと白い砂浜に海。
左を向いても同じ景色が広がっていた。
かえで「・・・すごい。」
慶「もっと驚くことがあるよ?おいで。」
手を引かれて歩き進める。
森の中に戻って少し歩くと・・・
現れたのは一軒の家だった。
かえで「?」
慶「ここは『家』。」
かえで「・・・家?」
慶「俺とかえでの家。」
かえで「・・・・!?」
私は開いた口が塞がらなかった。
慶「ここは無人島なんだよ。」
かえで「へ!?」
慶「小さいから・・・ぐるっと一周するのに時間はかからない。20分くらいかな?」
かえで「む・・無人島って・・・。」
慶「まぁ・・・結婚したけど家はいつものままだろ?」
かえで「うん・・。」
本宅が自宅になる慶さん。
たぶん、離れで一緒に暮らすと勝手に思ってたけど・・・
慶「だから二人っきりになれるとこを作った。ここまで飛行機で6時間かかるけどなー・・。」
かえで「・・・6時間!?」
慶さんは私の身体をぎゅっと抱きしめた。
かえで「?」
慶「1週間分の食料は運び込まれてる。ケータイは通じるけど・・・テレビは無い。1週間、二人の時間を堪能しような。」
かえで「もー・・・。」
二人っきりになれる場所が無いからって・・・何も島まで買わなくても・・・と思いながらも私は嬉しかった。
そりゃ、大金をこんなことに使ってしまう慶さんが少し怖かったりもするけど・・・
慶「なに?気に入らない?」
かえで「・・・嬉しいよ?でも・・・変なことにお金を使わないで欲しいなー・・。」
慶「変じゃないよ。いつまでできるかわかんないし。俺たちも年は取る。したくてもできないこともある。これは『できること』だ。」
かえで「・・・うん。わかった。じゃあ1週間二人で遊ぼうっ。」
せっかく用意してもらったものを無下になんてできない。
なら最大限に喜ぶのが一番のお礼になる。
かえで「ところで・・・私、服とかないんだけど・・。」
鞄一つでいいと言われて、ほんとに鞄一つしか持ってきてない私。
着替えはもちろん、水着もない。
慶「家のクローゼットに入ってるよ。見に行く?」
かえで「・・・行く!」
二人で家に入り、中を探索しながら服を探した。
玄関を入ってすぐにあるリビングダイニング。
40畳くらいの大きさに、広めのキッチンがついてあった。
かえで「大きめな・・・家?」
慶「そ。」
かえで「2階・・もあるんだ?」
リビングにある階段。
2階に続いてそうな作りだった。
慶「行こうか。」
私の手を引いて階段を上がり始める慶さん。
後ろをついていき、2階にたどり着くと、そこは広い広い空間があった。
かえで「すご・・・。」
一部屋しかない造り。
大きい窓がさらなる開放感を与えてる。
慶「ベッドも広いだろ?」
かえで「・・・何人乗れるの・・。」
幅の広いベッド。
ざっと想像しただけでも10人は寝れそうだ。
慶「これでかえでがどれだけ寝相が悪くても大丈夫(笑)。」
かえで「!?・・私そんなに酷くないよ!」
慶「知ってるよ。・・・ここにベッドもあることだし、とりあえず襲われとく?」
ちゅっと私の手の甲にキスをした慶さん。
今はこの島のことを知りたい私はその手を返してもらう。
かえで「!?ふっ・・服探さないと・・!」
慶「えー・・・。」
かえで「あっちかな!?」
クローゼットらしきところに向かい、その戸を開ける。
木でできた大きな戸。
開けると・・・服がびっしりかかっていた。
かえで「え・・?」
慶「全部かえでの服。一日に何回お色直しができるかなー?」
かえで「!?」
ドレス・・ではないけど、ワンピース系が並んでる。
シンプルなデザインから大きい柄のデザインのもの。
ミニやロング・・・100はありそうだ。
かえで「こんなにたくさん・・・?」
慶「だってかえでって服とか欲しいって言わないし。俺のものってしたいのに・・・俺の贈った服着て欲しいのに。」
かえで「だから・・・支度するのに服はいらないって言ったの?」
慶「俺が用意した服を着るしかないだろ?」
クローゼットにある棚を開けると下着や靴下、ストッキング・・・
『服』を着るのに必要なものが一式入っていた。
かえで「・・・・・。」
慶「・・・だめ?怒った?」
かえで「・・・着替えてみても・・いい?」
服を一着手に取って、前で合わせて見せる。
慶「もちろんっ。」
私はクローゼットの戸を閉め、どの服を着るか悩んだ。
なんせ100着くらいある。
かえで「うーん・・・赤・・?ピンク・・・白?」
柄も花柄やドット、フルーツ、ボーダー・・・たくさんある。
かえで「シンプルに・・・真っ白なやつにしよう。結婚式の後だし・・・。」
真っ白なワンピースを手に取って、私は着ていたワンピースを脱いだ。
かえで「・・・。」
自分の鞄から小さなきんちゃく袋を取り出す。
中身は・・・下着のセットだ。
かえで「ハジメテの夜にと思って用意したけど・・・。」
真っ白なレースの下着のセット。
下着の雑誌を読んでるときに一目ぼれして手に入れたやつだ。
きっと・・・慶さんも喜ぶ。
かえで「・・・って、襲われるの前提・・・私、いつからこんなにやらしくなったんだろう・・。」
慶さんに触ってもらうのを期待してる自分がいる。
その手で触れられると・・・幸せな気持ちに浸れる。
もちろん普段から幸せだけど・・・彼を独り占めしてるかと思うと・・・嬉しくて仕方ない。
慶「着替えたー?ビーチにでも行くー?」
戸の向こうから慶さんの声が聞こえた。
私は大急ぎで着替えて戸を開けた。
慶「---っ!・・・かわいい。」
ドアの向こうで立っていた継さん。
私の姿を上から下まで見てくれていた。
かえで「・・・・。」
自分から『抱いて』とは言えない。
恥ずかしさが勝ってしまって・・・言えない。
慶「?・・・かえで?」
でも・・・ここは無人島。
慶さんと私以外だれもいない。
私は慶さんに抱きついた。
慶「お?どうした?」
かえで「あの・・ね?この服・・何色?」
慶「・・・白?」
かえで「知ってる?白って・・・何色にでも染まれるの・・・。」
慶「知ってる・・けど・・・・?」
慶さんの胸に顔を埋めて・・・いう。
かえで「だから・・・慶さんで染めてもらおうと思って・・・これにした。」
慶「!?」
かえで「私を慶さんで・・・染めて・・?」
そう言うと慶さんはくっついてた私を剥がして顔を覗き込んできた。
恥ずかしさでいっぱいな私は・・・きっと顔が赤い。
慶「そんな真っ赤にしちゃって・・・襲っていいの?」
かえで「・・・お願いします。」
慶「!!・・・参ったな。夜に取っておこうと思ったのに・・・。」
慶さんは私を抱きかかえ、すぐ近くにあるベッドに沈めた。
ふかふかなベッド。
どこまでも転がっていけそうなくらい幅が長い。
そのベッドに寝かされ・・・慶さんは私をうつ伏せに寝かせた。
かえで「?」
慶「ファスナー・・後ろだろ?」
そう言ってゆっくりファスナーを下ろしていく。
腰元まで下ろされ、少しだけ見えたであろう背中を、慶さんは指1本で触り始めた。
かえで「んっ・・!」
慶「かわいい声・・・。大好きだよ?」
ちゅ・・ちゅ・・とキスをされながら、私は服を脱がされていった。
露わにある下着。
慶さんはその下着をじーっと見つめていた。
慶「これ・・・ここにあった?」
かえで「鞄に入れて持って来た・・・。慶さん・・す・・好きかなって思って・・。」
慶「!!・・・あー・・好き。かえでが着てるからめっちゃ好き。」
下着の上から・・これでもかというくらい触られる。
腰が跳ねて・・・声が溢れて・・・どれだけ反応しても慶さんは脱がしてくれなかった。
かえで「もっ・・・無理っ・・!」
慶「まだまだ・・・。もっと感じて・・?」
下着の上からでも糸を引いちゃうくらい濡れてる大事なところ。
直接触って欲しくてたまらない私は自分から下着を脱いだ。
かえで「ここっ・・・ここがいいのっ・・・!」
慶「・・・そんなに我慢できなかった?仕方ないなぁ。」
ぢゅぷぢゅぷと慶さんの指が入ってくる。
かえで「あぁぁっ!」
慶「とろっとろ・・・。」
触って欲しいところを触ってもらい、私の身体が自然と揺れる。
あまりの気持ちよさに腰が砕けてしまいそうだった。
かえで「やぁぁっ・・!あっ・・!」
慶「かえで、もう入れていい・・?」
ぐちゅぐちゅと指を出し入れしながら慶さんが準備を始めた。
今日は私がシてあげたいと思ってたけど・・・もう体に力が入らなかった。
かえで「はやく・・・っ」
ぐちゅんっ!!
かえで「ひぁっ!?あーーーっ!!」
慶「うわっ・・!すっげぇとろとろだな・・。」
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