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勘違い・・?

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かえでside・・・




ドレス姿から普段着に戻った私は離れの家に向かって歩いていた。



かえで「もー・・慶さんにバレちゃうなんて・・・。」



出来ればぎりぎりまで内緒にして『どう!?』って見せたかった。

でも、見られたものは仕方ない。



かえで「結婚式かー・・・私、呼べる人いないんだけどどうしよう。」



両親はいない。

友達も・・・。

仕事も辞めたし・・・。



かえで「その辺も相談かな。」



そんなことを考えながら、私は離れの家の玄関を開けた。



ガラガラガラ・・・



かえで「ただいまー。」

慶「おかえりー。」



部屋の方から聞こえてきた慶さんの声。

私はその部屋に足を進め、ふすまをあけた。



かえで「慶さん。ちょっと相談があるんだけど・・・。」



そう言って中に入ると、慶さんが私を手招きしてるのが見えた。



かえで「?」

慶「かえで。ちょっとおいで?」

かえで「?・・・うん。」



呼ばれるがままに近づいていき、私は慶さんの前に座った。

机もなく、本当に目の前に座った。




慶「2カ月も俺に隠し事?」

かえで「・・・え?」

慶「隠し事はいいとして、本買った時に見せてくれたの・・・ダミーだったんだ?」

かえで「・・・・!?」




にこにこ笑ってる慶さん。

その笑顔に・・・恐怖を感じた。




かえで「やっ・・騙してはいないよ!?」

慶「・・・嘘だな。」

かえで「ほんとだってば・・・!」

慶「だって前に見せてくれた本。『下着』の本だった。」




少しむくれたように言い、私の目をじっと見てる。

私は立ち上がってタンスを開け、中に隠してあった本を取り出した。



かえで「これでしょ?」



見せたのは『女の子のかわいい下着特集』の雑誌だ。




慶「・・・そう。でも見てたのは結婚関係なんだろ?これは俺を騙すためのダミー。」

かえで「違うよ?よく見て?」



ぱらぱらとページをめくり、私は慶さんに本を見せた。

そこに載ってるのは・・・




慶「『ブライダル専用の下着』・・・!?」

かえで「そうだよ?普通の下着じゃやっぱり心もとないから・・・でもどんなのかわかんないし・・・。」

慶「そんなのあるのか・・・。」

かえで「一人で浮かれてるの見られたら恥ずかしいし・・・ナイショにしてた。」

慶「そんな可愛い姿・・・見たかったのに・・・。」

かえで「え?」



慶さんは私から本を取り上げた。

ひょいと抱え上げ、膝に乗せられた。。



慶「式さ・・・どうする?かえでも俺も両親がいないんだけど・・・どこか行きたいとこある?」

かえで「うーん・・・」



行きたいとこは・・・そりゃあ考えたらたくさん出てくる。

でも、招待したい人のことを考えると・・・



かえで「私はここがいいかなー・・・?」



そう言うと慶さんは驚いた顔をして私を見た。



慶「・・・ここ!?」

かえで「うん。みんなにお世話になってるから・・・。」





招待するならここのみんなしかない。

そう思って慶さんに提案したのだ。



慶「よりにもよってここか・・・。」

かえで「慶さんがどこかあるなら・・・」



そう言うと慶さんは私を膝から下ろした。




慶「俺は行きたいとこがある。・・・でもそれは二人で行きたいから・・・あー・・・牧師呼んで式だけここでするか。」

かえで「・・・いいの?」

慶「ここを気に入ってくれてることは嬉しいしな。でも旅行は二人で行く。いい?」

かえで「はいっ。」




その日から始まった結婚式の準備。

リョウさんや春斗さんも驚いたけど、準備を手伝ってくれることになった。

料理は全て私が作る。






ーーーーーーーーーー








結婚式の準備も着々と進み、私は料理の買い出しにスーパーに来ていた。

春斗さんと一緒に買い物をしてる。



春斗「・・・お嬢・・どれだけ作る気だ?」



カゴに食材を放り込んでると、春斗さんが聞いてきた。



かえで「えーと・・・ローストビーフと、サラダ、パン焼いて・・魚はどうしようか・・。あとはデザートと・・。」

春斗「そんな作んなくていいんじゃないか?」

かえで「みんなにはお世話になってるから作りたいの。」

春斗「・・・そっか。」



たくさん買い物をして、私たちは家に戻った。

春斗さんは食材を冷蔵庫にしまっていってくれて、私は料理を作るのにかかる時間を計算する。




かえで「温かい状態で出すのは無理なんだよね。私が式に出てるんだし・・・。だからー・・・えーと・・・。」




ぶつぶつ言いながらノートに書き込んでると、慶さんがキッチンに入ってきた。



慶「料理人呼ぶ?」

かえで「・・・作りたい。」

慶「そう言うと思った。」




『お礼』も兼ねて作りたい料理。

私ができる最大限のことをしたい。




かえで「あ、そういえば行きたいとこってどこなの?」



慶さんが言ってた旅行のこと。

持ち物とかを考えたら行き先は聞いておきたいところだ。



慶「・・・ナイショ。」

かえで「ナイショって・・・荷物とかの用意しなきゃいけないんだけど・・・。」

慶「荷物はハンカチとメイク道具くらいでいいよ。出発は式のあと。帰宅は2週間後だ。」

かえで「・・・はい!?」

慶「服とかはいらない。オッケー?」





こう決めてしまったら慶さんは何を言っても聞かないことを私は知ってる。




かえで「わ・・わかった・・・。」

慶「ん。」

かえで「・・・。」




そのままキッチンを出て行った慶さん。

その姿を呆然と見てると、春斗さんが口を開いた。



春斗「まー・・・頑張れ。」

かえで「なにを!?」

春斗「新婚旅行な。がんばれー。」

かえで「・・・春斗さんは行き先知ってるの?」




ペンをくるくる回しながら聞いた。




春斗「知ってる。でも言わない。」

かえで「えぇぇ・・・教えてよー・・。」

春斗「俺も自分の命が大事だからな。それは言わない。・・・ほら、食材を冷蔵庫に入れたぞ?」

かえで「うぅぅ・・・ありがとう・・。」




春斗さんもキッチンから出て行ってしまい、私一人取り残されてしまった。




かえで「一体どこに行く気なんだろう・・・。」



そんなことを思いながらも時間は過ぎていく。

みんなのご飯を作る毎日に加えて結婚式の準備。

他にもいろいろすることはあって・・・あっという間に式の当日になってしまった。

緊張の一日が始まる・・・。
















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