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増す過保護度3。

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かえで「春斗さん・・・ごめんなさい・・・。」




慶さんと入れ替わりに春斗さんが部屋に入ってきた。

気まずそうにする春斗さんにお願いしたことが申し訳なくて謝る。




かえで「慶さんに・・・怒られたでしょ・・・?」




そう聞くと春斗さんはにこっと笑った。



かえで「?」

春斗「怒られたけど・・・お嬢が言ってくれたから大丈夫だった。今度はケガなんてさせないって誓ったからな。」

かえで「・・・ふふ。じゃあまた仲良くしてください。」

春斗「おぅっ。」




その日はずっと私の側にいてくれた春斗さん。

私は起き上がることは難しかったけど、仕事場に休む連絡を入れることはできた。

トイレは使用人さんに付き添ってもらっていけた。

問題は・・・




春斗「お嬢、ご飯・・・。」




朝御飯も昼御飯もパスした私。

正直、お腹が苦しすぎて何も入りそうに無かった。




かえで「いらない・・・。」

春斗「朝も昼も食ってないぞ?」

かえで「お腹・・・苦しい・・・」



朝から夜までずっと横になっていた。

昨日よりはマシかもしれないけどまだ足を曲げてないと苦しみを逃せられない。



かえで「いたぃ・・・」

春斗「お嬢・・・」

かえで「も・・・寝る・・から・・・」




これ以上、春斗さんに付き合ってもらうのが申しわけなくて言った。

時間が経たないと痛みは引かない。

明日になれば今の痛みよりはマシになってるはずだから。

そう思って目を閉じたとき、慶さんの声が聞こえた。




慶「かえで、ただいま。」

かえで「けい・・さん・・・。」



慶さんはネクタイを外しながら私の前に座った。




慶「ご飯、食べれてないんだって?」

かえで「苦しい・・から・・・いらない・・・。」

慶「ならこれだけ・・・一口でいいから。」



そう言って私の前に差し出してきたのはゼリーだった。



慶「桃のゼリー。この前、桃の酒が気に入ってただろ?だから買ってきた。」

かえで「もも・・・。」




慶さんはゼリーの蓋をあけ、スプーンでほんのちょっとすくった。

それを私の口元に持ってきて、スプーンで口をつんつんしてくる。



慶「ほら・・・ちょっとでいいから・・・。」

かえで「・・・あー・・。」

慶「!!・・・いい子だ。」



ほんの少し開けた口に、ゼリーが入ってくる。

甘いのが・・・口に広がった。





かえで「おいしい・・・」

慶「もう一口・・・いける?」

かえで「いぅっ・・・」

慶「痛み止めももらってきた。もう一口だけ食べてから薬飲もうな。楽に寝れる。」

かえで「うん・・・。」



桃のゼリーを口に含み、私は薬を飲み込んだ。



慶「じきに効くからな・・・。春斗、もういいぞ。あとは俺がする。」

春斗「はい。・・・お嬢、また明日な。」

かえで「ありが・・と・・・。」



痛みに耐えるために目を閉じる。

すると、春斗さんが部屋から出ていく音が聞こえた。

足音が遠退いて・・・玄関のドアが開けられ・・・閉められた。



慶「どう?寝れそう?」


近くで聞こえた慶さんの声。



かえで「ん・・・ぁ・・・」




なんだか頭が重く感じる。

それでいて上手く返事ができない気がした。




慶「効いてきたか?痛み止めは睡眠薬も入ってる。昨日ほど即効性はないけど・・・。」

かえで「ん・・・。」

慶「おやすみ、かえで。明日は今日より痛くないよ。」



優しいキスが私のおでこに落とされた。

そのまま夢の世界に旅立った・・・。



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