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翌朝。
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かえで「んー・・・。」
目が覚めた私は、ベッドから体を起こした。
窓から射し込む光が見える。
かえで「今・・・何時・・?」
目を擦りながらベッドから下りようと、足を床につけた。
その時、右足首に激痛が走った。
かえで「いぃぃっ!!」
あまりの痛さに思わず足を見る。
かえで「あれ?サポーターが外れてる・・・?」
昨日確かにお医者さんにつけてもらったサポーター。
足に何もついてなく、ただ、青くなってる足首が見えていた。
かえで「湿布もない・・・。」
不思議に思いながら見てると、私の後ろから慶さんの声が聞こえた。
慶「あ、起きた?」
振り返ると手にサポーターを持っていた慶さんが廊下を歩きながら私に向かって歩いてきていた。
かえで「慶さん・・・。そのサポーター・・・。」
慶「あ、湿布貼り変えようと思って外した。ちょっと汚しちゃったから拭いてきたんだよ。」
そう言って私の前に屈み、足をそっと持ち上げた。
慶「まだ酷そうだな・・・。」
湿布を貼って、サポーターを巻いてくれる。
かえで「でも明日は仕事だから・・・。」
慶「無理せずに休んでもいいよ?なんなら辞めても。」
かえで「・・・え?」
慶「俺の側にずっといて欲しい。俺、かえでがどんなに我が儘を言っても全部叶えられるよ?」
かえで「!?」
・・・確かに、慶さんはいつもケタ外れな行動をする。
贈ってくれる服は全部高級ブランドのものだし、車も何台も持ってる。
家の規模も普通とは違うし、一緒に住んでる会社の人たちの暮らしぶりも・・・
支出もさることながら、収入もすごい・・・。
今だって・・・泊まったホテルのこの部屋はすごく広くて・・・きっと高い。
きっと私が何を言っても全部叶えてくれるだろう。
でも・・・
かえで「・・・辞めないよ?」
慶「そう言うと思った。」
私の頭をぽんぽんっと撫でて、慶さんは立ち上がった。
慶「朝ご飯は?入りそう?」
かえで「ううん。まだお腹いっぱい・・・。」
慶「・・・そっか。じゃあ戻るか。」
そう言って慶さんはベッド脇にある紙袋を手に取った。
かえで「?・・・昨日は無かったような・・?」
慶「かえでの服。ドレスで帰るの大変だろ?」
そう言って慶さんは私に紙袋を手渡してきた。
私は受け取り、中を確認する。
かえで「この服・・・。」
取り出して服を広げて見ると、どうもサイズが私っぽい。
でも、私はこの服を持ってない。
自分の持ってる服くらいはわかってる。
慶「一応試作品で使用人たちに作ってもらってて・・・リョウに届けてもらった。」
かえで「!・・・着てみていい?」
慶「もちろん。」
私はベッドから下りて、ひょこひょこと歩きながら脱衣所に向かった。
慶「手伝おうか?」
かえで「いっ・・いいっ。一人で着れるっ・・。」
脱衣所に入り、ドアを閉める。
たぶん、慶さんが着せてくれたであろうバスローブを脱ぐ。
かえで「・・・えぇっ!?」
脱ぐと見えた赤いもの。
鏡を見ると、私の肌に赤いキスマークが付けられていた。
胸、わき腹。お腹・・・
昨日、慶さんが愛してくれた跡だ。
慶「どうした?大丈夫?」
脱衣所の外で慶さんの声がする。
かえで「なっ・・なんでもないっ・・・。」
昨日のことを思い出しながら服を着ていく。
ガウチョなパンツに薄手のブラウス。
やっぱり私にピッタリだった。
かえで「帰ったら使用人さんたちにお礼言わないと・・・。あと・・・。」
服を着替え終わった私は脱所から出た。
ひょこひょこと歩きながら慶さんを探す。
かえで(いたっ。)
窓際でケータイを使って誰かと話をしてるみたいだ。
慶「あぁ、だからそれはーーーーーして、-----をーーーーーで・・・・」
窓の外を見ながら話をしてる慶さん。
私は後ろから近づいていき、その大きな背中に抱きついた。
慶「!?」
かえで「・・・へへ。」
慶さんが電話してることをいいことに、ぎゅっと抱きつく。
電話をしてるから小声で伝える。
かえで「ありがとう・・・大好きだよ。」
私のためにいつも色々してくれる慶さん。
本宅の人も良くしてくださって・・・感謝しかない。
慶「・・・。」
ぎゅーっと抱きついてると、慶さんがくるっと振り返った。
かえで「?」
慶「こら、何してんの?」
かえで「ふぇっ?慶さん、電話は・・・?」
いつの間にか切っていたケータイ電話。
慶さんは私を抱きしめてきた。
かえで「?」
慶「・・・そんな可愛いことして・・・また襲われる?」
かえで「!?」
慶「帰ったら朝まで抱かせてもらおうかなー・・・。」
かえで「!?!?」
慶「ははっ。足が治ってからな。」
ちゅ・・ちゅ・・と私の頭にキスをして、慶さんは私を抱え上げた。
かえで「!?・・・歩くっ・・。」
慶「だめ。・・足腰立たなくしてから連れて出てもいいけど?」
かえで「~~~っ。」
そんなことされたら困ると思い、私は大人しく抱っこしてもらった。
せっかくだから慶さんの首に腕を巻きつける。
慶「お?」
かえで「ありがとう・・・。」
慶「・・・どういたしまして。]
お礼を言うことしか私にはできない。
なら・・いつも笑って『ありがとう』を言う。
そう決めて、私は慶さんと一緒に家に帰った。
目が覚めた私は、ベッドから体を起こした。
窓から射し込む光が見える。
かえで「今・・・何時・・?」
目を擦りながらベッドから下りようと、足を床につけた。
その時、右足首に激痛が走った。
かえで「いぃぃっ!!」
あまりの痛さに思わず足を見る。
かえで「あれ?サポーターが外れてる・・・?」
昨日確かにお医者さんにつけてもらったサポーター。
足に何もついてなく、ただ、青くなってる足首が見えていた。
かえで「湿布もない・・・。」
不思議に思いながら見てると、私の後ろから慶さんの声が聞こえた。
慶「あ、起きた?」
振り返ると手にサポーターを持っていた慶さんが廊下を歩きながら私に向かって歩いてきていた。
かえで「慶さん・・・。そのサポーター・・・。」
慶「あ、湿布貼り変えようと思って外した。ちょっと汚しちゃったから拭いてきたんだよ。」
そう言って私の前に屈み、足をそっと持ち上げた。
慶「まだ酷そうだな・・・。」
湿布を貼って、サポーターを巻いてくれる。
かえで「でも明日は仕事だから・・・。」
慶「無理せずに休んでもいいよ?なんなら辞めても。」
かえで「・・・え?」
慶「俺の側にずっといて欲しい。俺、かえでがどんなに我が儘を言っても全部叶えられるよ?」
かえで「!?」
・・・確かに、慶さんはいつもケタ外れな行動をする。
贈ってくれる服は全部高級ブランドのものだし、車も何台も持ってる。
家の規模も普通とは違うし、一緒に住んでる会社の人たちの暮らしぶりも・・・
支出もさることながら、収入もすごい・・・。
今だって・・・泊まったホテルのこの部屋はすごく広くて・・・きっと高い。
きっと私が何を言っても全部叶えてくれるだろう。
でも・・・
かえで「・・・辞めないよ?」
慶「そう言うと思った。」
私の頭をぽんぽんっと撫でて、慶さんは立ち上がった。
慶「朝ご飯は?入りそう?」
かえで「ううん。まだお腹いっぱい・・・。」
慶「・・・そっか。じゃあ戻るか。」
そう言って慶さんはベッド脇にある紙袋を手に取った。
かえで「?・・・昨日は無かったような・・?」
慶「かえでの服。ドレスで帰るの大変だろ?」
そう言って慶さんは私に紙袋を手渡してきた。
私は受け取り、中を確認する。
かえで「この服・・・。」
取り出して服を広げて見ると、どうもサイズが私っぽい。
でも、私はこの服を持ってない。
自分の持ってる服くらいはわかってる。
慶「一応試作品で使用人たちに作ってもらってて・・・リョウに届けてもらった。」
かえで「!・・・着てみていい?」
慶「もちろん。」
私はベッドから下りて、ひょこひょこと歩きながら脱衣所に向かった。
慶「手伝おうか?」
かえで「いっ・・いいっ。一人で着れるっ・・。」
脱衣所に入り、ドアを閉める。
たぶん、慶さんが着せてくれたであろうバスローブを脱ぐ。
かえで「・・・えぇっ!?」
脱ぐと見えた赤いもの。
鏡を見ると、私の肌に赤いキスマークが付けられていた。
胸、わき腹。お腹・・・
昨日、慶さんが愛してくれた跡だ。
慶「どうした?大丈夫?」
脱衣所の外で慶さんの声がする。
かえで「なっ・・なんでもないっ・・・。」
昨日のことを思い出しながら服を着ていく。
ガウチョなパンツに薄手のブラウス。
やっぱり私にピッタリだった。
かえで「帰ったら使用人さんたちにお礼言わないと・・・。あと・・・。」
服を着替え終わった私は脱所から出た。
ひょこひょこと歩きながら慶さんを探す。
かえで(いたっ。)
窓際でケータイを使って誰かと話をしてるみたいだ。
慶「あぁ、だからそれはーーーーーして、-----をーーーーーで・・・・」
窓の外を見ながら話をしてる慶さん。
私は後ろから近づいていき、その大きな背中に抱きついた。
慶「!?」
かえで「・・・へへ。」
慶さんが電話してることをいいことに、ぎゅっと抱きつく。
電話をしてるから小声で伝える。
かえで「ありがとう・・・大好きだよ。」
私のためにいつも色々してくれる慶さん。
本宅の人も良くしてくださって・・・感謝しかない。
慶「・・・。」
ぎゅーっと抱きついてると、慶さんがくるっと振り返った。
かえで「?」
慶「こら、何してんの?」
かえで「ふぇっ?慶さん、電話は・・・?」
いつの間にか切っていたケータイ電話。
慶さんは私を抱きしめてきた。
かえで「?」
慶「・・・そんな可愛いことして・・・また襲われる?」
かえで「!?」
慶「帰ったら朝まで抱かせてもらおうかなー・・・。」
かえで「!?!?」
慶「ははっ。足が治ってからな。」
ちゅ・・ちゅ・・と私の頭にキスをして、慶さんは私を抱え上げた。
かえで「!?・・・歩くっ・・。」
慶「だめ。・・足腰立たなくしてから連れて出てもいいけど?」
かえで「~~~っ。」
そんなことされたら困ると思い、私は大人しく抱っこしてもらった。
せっかくだから慶さんの首に腕を巻きつける。
慶「お?」
かえで「ありがとう・・・。」
慶「・・・どういたしまして。]
お礼を言うことしか私にはできない。
なら・・いつも笑って『ありがとう』を言う。
そう決めて、私は慶さんと一緒に家に帰った。
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