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デート2。
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慶「着いたよ。」
小高い丘の上にあったカフェ。
海なんて見えなかったけど、車から降りたら
潮の香りが鼻をくすぐった。
かえで「海の音もする・・・。」
慶「あとで下りてみる?潮が引いてたら歩けるかも。」
かえで「はいっ。」
カフェに向かって歩き始めた神楽さんの後ろをついていく。
建物を見ると、ガラス窓が多かった。
景色に期待を寄せてしまう。
カランカラン・・・
店員「いらっしゃませ、お二人でしょうか。」
慶「はい。海が見えるとこお願いしていいですか?」
店員「かしこまりました。どうぞこちらに。」
店員さんの後ろをついて歩く。
テーブルは全部窓側に設置されていて、真っ白なテーブルクロスと青のテーブルクロスが重ねて敷かれてた。
『海』のカラーで、清潔感もあって・・・かわいい。
店員「こちらでよろしいでしょうか。」
案内された席の窓から海が見える。
太陽の光に照らされて、波がきらきらしている。
かえで「すごい・・・。」
慶「ここで大丈夫です。」
店員「ご注文が決まりましたらお呼びください。失礼いたします。」
店員さんが戻って行ったあと、私は椅子に座った。
かえで(うわー・・海、きれいー・・・あっ、メニューも見ないと・・・でも海見たい・・・。)
ちらちら海を見ながらメニューを見てると、向かいに座ってる神楽さんが声を殺して笑っていたことに気がついた。
慶「くくっ・・・。」
かえで「!!」
慶「海はあとで見に行こうよ。先にメニュー決めちゃいな?それとも全部注文する?」
かえで「全部!?」
慶「飲み物は全部飲めないだろうから・・・軽食は全部頼もうか?」
かえで「むっ・・無理ですー・・。」
私はメニューに集中することにした。
飲み物を決め、軽食を見ると、『海のパフェ』の文字を見つけた。
かえで(うわっ・・!これすごい・・・!)
何層にも重なってるクリームやアイス。
白と青のコントラストがとてもきれいだった。
真珠に見立ててるのか、白いチョコ・・・らしきものも乗ってる。
かえで(食べてみたいけど・・・海も見たいし・・・まぁ、お金ないからいっか・・・。)
慶「決まった?」
真剣にメニューを見ていた私に、神楽さんが聞いてきた。
かえで「はいっ。」
慶「すみません、注文を。」
手を上げて店員さんを呼んでくれた神楽さん。
気がついた店員さんが注文を聞きに来てくれた。
店員「どうぞ。」
慶「俺はエスプレッソ。水瀬さんは?」
かえで「私はブレンドコーヒーお願いします。」
うちのブレンドが一番だと思ってるけど、他所のブレンドの味も知りたい。
職業病に近いけど、こればっかりは止めれない。
店員「かしこまりました。他はよろしいですか?」
店員さんが注文の確認をしたとき、神楽さんが口を開いた。
慶「あと『海のパフェ』一つと。」
かえで「!?」
店員「かしこまりました。少々お待ちください。」
店員さんは戻っていき、私は神楽さんを見つめた。
また・・・思ってることをよまれたのかもしれないと思って・・・。
慶「?・・・食べたかったんでしょ?」
かえで「!!・・なんでわかるんですかー・・。」
慶「きらきらした目で見てたから?」
かえで「うそっ・・・。」
慶「海は逃げないよ。デートなんだしゆっくりしよう。」
ちらっと窓の外を見る神楽さん。
横顔もかっこよくて・・・思わず見惚れてしまう。
かえで(絵になる人・・・。)
ほどなくして運ばれてきたエスプレッソを口に運ぶ姿まで様になってる。
かえで(かっこいい・・・。)
店員「お待たせいたしました。『海のパフェ』でございます。」
慶「彼女にお願いします。」
店員「どうぞ。」
かえで「ありがとう・・ございます・・。」
私の前に置かれたパフェ。
パフェスプーンも一緒に置かれたけど、シルバー置きが貝殻でできていた。
かえで「わっ・・かわいい・・・。」
店員「ありがとうございます。ごゆっくりどうぞ。」
店員さんが去って行ったあと、私は神楽さんをちらっと見た。
慶「どうそ?」
かえで「い・・ただきます・・。」
スプーンにアイスを乗せて、口に入れる。
青いアイスはソーダ味。
白いアイスはバニラ味。
二つともおいしくて、私の顔が綻んだ。
かえで「おいしーっ。」
慶「よかったね。」
私が食べてるのをずっと見てる神楽さん。
スプーンにアイスを乗せて、差し出してみた。
かえで「ど・・どうぞ・・?」
慶「!?・・・止めておくよ。水瀬さんが困るといけないから。」
かえで「・・・『困る』?」
慶「そのスプーン、俺が使ったあとも使えるの?」
かえで「あ・・・。」
慶「それに・・・期待しちゃうし。」
そう言って、エスプレッソに口をつけた。
少し悲しげな顔をする神楽さんを見つめる。
その顔を見て・・・胸が締め付けられた。
かえで(悲しい顔は・・・しないでほしい・・・。)
好かれる資格はないと思いながらも、
私自身、もう好きになってることに気づかないまま、パフェを口に運んだ。
小高い丘の上にあったカフェ。
海なんて見えなかったけど、車から降りたら
潮の香りが鼻をくすぐった。
かえで「海の音もする・・・。」
慶「あとで下りてみる?潮が引いてたら歩けるかも。」
かえで「はいっ。」
カフェに向かって歩き始めた神楽さんの後ろをついていく。
建物を見ると、ガラス窓が多かった。
景色に期待を寄せてしまう。
カランカラン・・・
店員「いらっしゃませ、お二人でしょうか。」
慶「はい。海が見えるとこお願いしていいですか?」
店員「かしこまりました。どうぞこちらに。」
店員さんの後ろをついて歩く。
テーブルは全部窓側に設置されていて、真っ白なテーブルクロスと青のテーブルクロスが重ねて敷かれてた。
『海』のカラーで、清潔感もあって・・・かわいい。
店員「こちらでよろしいでしょうか。」
案内された席の窓から海が見える。
太陽の光に照らされて、波がきらきらしている。
かえで「すごい・・・。」
慶「ここで大丈夫です。」
店員「ご注文が決まりましたらお呼びください。失礼いたします。」
店員さんが戻って行ったあと、私は椅子に座った。
かえで(うわー・・海、きれいー・・・あっ、メニューも見ないと・・・でも海見たい・・・。)
ちらちら海を見ながらメニューを見てると、向かいに座ってる神楽さんが声を殺して笑っていたことに気がついた。
慶「くくっ・・・。」
かえで「!!」
慶「海はあとで見に行こうよ。先にメニュー決めちゃいな?それとも全部注文する?」
かえで「全部!?」
慶「飲み物は全部飲めないだろうから・・・軽食は全部頼もうか?」
かえで「むっ・・無理ですー・・。」
私はメニューに集中することにした。
飲み物を決め、軽食を見ると、『海のパフェ』の文字を見つけた。
かえで(うわっ・・!これすごい・・・!)
何層にも重なってるクリームやアイス。
白と青のコントラストがとてもきれいだった。
真珠に見立ててるのか、白いチョコ・・・らしきものも乗ってる。
かえで(食べてみたいけど・・・海も見たいし・・・まぁ、お金ないからいっか・・・。)
慶「決まった?」
真剣にメニューを見ていた私に、神楽さんが聞いてきた。
かえで「はいっ。」
慶「すみません、注文を。」
手を上げて店員さんを呼んでくれた神楽さん。
気がついた店員さんが注文を聞きに来てくれた。
店員「どうぞ。」
慶「俺はエスプレッソ。水瀬さんは?」
かえで「私はブレンドコーヒーお願いします。」
うちのブレンドが一番だと思ってるけど、他所のブレンドの味も知りたい。
職業病に近いけど、こればっかりは止めれない。
店員「かしこまりました。他はよろしいですか?」
店員さんが注文の確認をしたとき、神楽さんが口を開いた。
慶「あと『海のパフェ』一つと。」
かえで「!?」
店員「かしこまりました。少々お待ちください。」
店員さんは戻っていき、私は神楽さんを見つめた。
また・・・思ってることをよまれたのかもしれないと思って・・・。
慶「?・・・食べたかったんでしょ?」
かえで「!!・・なんでわかるんですかー・・。」
慶「きらきらした目で見てたから?」
かえで「うそっ・・・。」
慶「海は逃げないよ。デートなんだしゆっくりしよう。」
ちらっと窓の外を見る神楽さん。
横顔もかっこよくて・・・思わず見惚れてしまう。
かえで(絵になる人・・・。)
ほどなくして運ばれてきたエスプレッソを口に運ぶ姿まで様になってる。
かえで(かっこいい・・・。)
店員「お待たせいたしました。『海のパフェ』でございます。」
慶「彼女にお願いします。」
店員「どうぞ。」
かえで「ありがとう・・ございます・・。」
私の前に置かれたパフェ。
パフェスプーンも一緒に置かれたけど、シルバー置きが貝殻でできていた。
かえで「わっ・・かわいい・・・。」
店員「ありがとうございます。ごゆっくりどうぞ。」
店員さんが去って行ったあと、私は神楽さんをちらっと見た。
慶「どうそ?」
かえで「い・・ただきます・・。」
スプーンにアイスを乗せて、口に入れる。
青いアイスはソーダ味。
白いアイスはバニラ味。
二つともおいしくて、私の顔が綻んだ。
かえで「おいしーっ。」
慶「よかったね。」
私が食べてるのをずっと見てる神楽さん。
スプーンにアイスを乗せて、差し出してみた。
かえで「ど・・どうぞ・・?」
慶「!?・・・止めておくよ。水瀬さんが困るといけないから。」
かえで「・・・『困る』?」
慶「そのスプーン、俺が使ったあとも使えるの?」
かえで「あ・・・。」
慶「それに・・・期待しちゃうし。」
そう言って、エスプレッソに口をつけた。
少し悲しげな顔をする神楽さんを見つめる。
その顔を見て・・・胸が締め付けられた。
かえで(悲しい顔は・・・しないでほしい・・・。)
好かれる資格はないと思いながらも、
私自身、もう好きになってることに気づかないまま、パフェを口に運んだ。
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