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「どうって・・・」
涼さんに言われて私はここでの暮らしを想像した。
あの家で朝目覚めて朝市に向かう。
そこでこうやってパンを買って、公園でシートを敷いて食べる。
朝市で少し食料品も買っておいて、それを持って帰宅。
そのあと涼さんは仕事に行って・・・私も仕事・・?
夕方に涼さんが帰ってきて、家でご飯食べて・・・ぶらぶら運河を散歩するのもいいかもしれない。
(嘘・・ここでの生活が想像つく・・・。)
今まで見に行った国ではあまりこういった想像はつかなかった。
でもこの国で具体的に想像できたことに、私は驚いた。
「・・・どう?」
もう一度聞いてきた涼さんに、私は笑顔を向けた。
その笑顔で涼さんは分かったらしい。
「よし。本格的に進めようか!」
「うんっ。」
こうして私たちはオランダに移住することに決めた。
涼さんはその後、家の候補をいくつか見せに連れて行ってくれたけど、最初に見たところが一番よかったことからそこに決めることにした。
滞在予定の5泊の間に、めまぐるしく色々決まって行く。
「ハル、この国はオランダ語ができないと話にならないから帰国したら勉強ね。」
「う・・頑張る・・!」
「あと家は今より狭くなるから荷物の量も考えて?あと持ち込めないものもあるから気をつけて。」
そう言われ、私はどうしても持ってきたいものがあることを思い出した。
「涼さん、花は大丈夫?持って来てもいい?」
涼さんに頂いたバラたちは今、乾燥剤の中にいる。
帰国して少ししたら全部加工できるようになるだろう。
「花?土がついてなかったら大丈夫だったと思うけど・・・調べとくね。」
「うん、お願いします。」
頂いたバラは全て茎を落としてあるから土はついてない。
あとは、あの花を少し圧縮するようにして加工すれば、量も減るだろう。
(よし。)
涼さんは涼さんで準備がある。
私は私でできることを精一杯しようと決め、この5泊を有意義に使った。
そして私たちは帰国し、オランダ移住に向けて動き始めた。
ーーーーー
ーーーーー
それから2か月後の1月。
吐く息は白く、肌にあたる風が痛く感じるこの季節に私たちのオランダ移住準備が整った。
『悠春』は華道界で完全引退を表明し、作れるだけ作ったハーバリウムは全て売り払うことができた。
移住に必要な書類系のものは全て涼さんが用意してくれ、引っ越しの荷物は船便を手配した。
私たちが向こうについてしばらくしたら荷物がくる計算になってる。
「ハル、向こうに持って行きたいもの他にない?」
出国を1週間前に控えた私たちは最後の調整に入っていた。
こっちで易々と手に入るものが向こうでは手に入らないかもしれないから、いろいろ考えないといけない。
「うーん・・・無いと思うけど・・とりあえず明日、お兄ちゃんに挨拶に行こうと思ってるから聞いてみるね。私たちじゃ気づかないものもあるかもしれないし。」
「そうだな、ゆっくり話しといで。」
「お兄ちゃんも忙しいからそんなに時間はないと思うよ。」
笑いながら言ったとき、私の下腹部に少し痛みが走った。
「いっ・・・」
手で押さえると何もなかったかのように痛みは消えてる。
「?」
ご飯を食べ過ぎたのかもしれないと思いながらお腹を擦ると、涼さんが心配そうに覗き込んできた。
「どした?」
「あ、いや・・・なんか痛かったような気がして・・・。」
「緊張とかかな?一応明日、お義兄さんに診てもらったら?」
「うーん・・・そうする。」
そんな会話をし、私はこの日を終えた。
でも翌日、兄の病院でとんでもないことを言われるとは・・・この時の私は思ってもいなかった。
涼さんに言われて私はここでの暮らしを想像した。
あの家で朝目覚めて朝市に向かう。
そこでこうやってパンを買って、公園でシートを敷いて食べる。
朝市で少し食料品も買っておいて、それを持って帰宅。
そのあと涼さんは仕事に行って・・・私も仕事・・?
夕方に涼さんが帰ってきて、家でご飯食べて・・・ぶらぶら運河を散歩するのもいいかもしれない。
(嘘・・ここでの生活が想像つく・・・。)
今まで見に行った国ではあまりこういった想像はつかなかった。
でもこの国で具体的に想像できたことに、私は驚いた。
「・・・どう?」
もう一度聞いてきた涼さんに、私は笑顔を向けた。
その笑顔で涼さんは分かったらしい。
「よし。本格的に進めようか!」
「うんっ。」
こうして私たちはオランダに移住することに決めた。
涼さんはその後、家の候補をいくつか見せに連れて行ってくれたけど、最初に見たところが一番よかったことからそこに決めることにした。
滞在予定の5泊の間に、めまぐるしく色々決まって行く。
「ハル、この国はオランダ語ができないと話にならないから帰国したら勉強ね。」
「う・・頑張る・・!」
「あと家は今より狭くなるから荷物の量も考えて?あと持ち込めないものもあるから気をつけて。」
そう言われ、私はどうしても持ってきたいものがあることを思い出した。
「涼さん、花は大丈夫?持って来てもいい?」
涼さんに頂いたバラたちは今、乾燥剤の中にいる。
帰国して少ししたら全部加工できるようになるだろう。
「花?土がついてなかったら大丈夫だったと思うけど・・・調べとくね。」
「うん、お願いします。」
頂いたバラは全て茎を落としてあるから土はついてない。
あとは、あの花を少し圧縮するようにして加工すれば、量も減るだろう。
(よし。)
涼さんは涼さんで準備がある。
私は私でできることを精一杯しようと決め、この5泊を有意義に使った。
そして私たちは帰国し、オランダ移住に向けて動き始めた。
ーーーーー
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それから2か月後の1月。
吐く息は白く、肌にあたる風が痛く感じるこの季節に私たちのオランダ移住準備が整った。
『悠春』は華道界で完全引退を表明し、作れるだけ作ったハーバリウムは全て売り払うことができた。
移住に必要な書類系のものは全て涼さんが用意してくれ、引っ越しの荷物は船便を手配した。
私たちが向こうについてしばらくしたら荷物がくる計算になってる。
「ハル、向こうに持って行きたいもの他にない?」
出国を1週間前に控えた私たちは最後の調整に入っていた。
こっちで易々と手に入るものが向こうでは手に入らないかもしれないから、いろいろ考えないといけない。
「うーん・・・無いと思うけど・・とりあえず明日、お兄ちゃんに挨拶に行こうと思ってるから聞いてみるね。私たちじゃ気づかないものもあるかもしれないし。」
「そうだな、ゆっくり話しといで。」
「お兄ちゃんも忙しいからそんなに時間はないと思うよ。」
笑いながら言ったとき、私の下腹部に少し痛みが走った。
「いっ・・・」
手で押さえると何もなかったかのように痛みは消えてる。
「?」
ご飯を食べ過ぎたのかもしれないと思いながらお腹を擦ると、涼さんが心配そうに覗き込んできた。
「どした?」
「あ、いや・・・なんか痛かったような気がして・・・。」
「緊張とかかな?一応明日、お義兄さんに診てもらったら?」
「うーん・・・そうする。」
そんな会話をし、私はこの日を終えた。
でも翌日、兄の病院でとんでもないことを言われるとは・・・この時の私は思ってもいなかった。
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