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「!!」
こんな花束の渡し方、プロポーズ以外にないのは分かっていた。
私がお花に携わる仕事をしてたからか、こんな風に合わせてくれて・・・『嬉しい』くらいじゃ表現できない気持ちが私の中で溢れかえってる。
持っていた花束を足元に置き、差し出された花束をそっと受け取った。
「はい。喜んで・・・。」
そう伝えると涼さんは笑顔で立ち上がった。
そして足元に置いた花束を二つ取り、歩き始める。
「ハル。おいで?」
「?」
目に涙を浮かべながらついて行くと、そこはあの『リンデン』の木がある場所だった。
前と変わらないベンチが木のところにあるのは見えたけど、その周りが・・・とんでもないことになっていたのだ。
「へっ・・!?」
ベンチに向かって左にバラの山。
ベンチに向かって後ろ側にもバラの山。
そしてベンチに向かって右側もバラの山があったのだ。
「!?!?」
意味が分からずにパニックになってると、涼さんが説明を始めた。
「ハル、左側が999本、後ろが1000本、右側が1001本だよ。」
「へっ!?」
その花言葉の意味は『何度生まれ変わっても愛するのはあなた』『1万年の愛を誓います』『永遠に』だ。
この花の数だけでも100万はしそうな金額と数に、私は驚きを通り越して呆然と立っていた。
「ハル、ベンチに座ってくれる?」
「え・・?あ、うん・・・。」
言われた通り、私はベンチに腰かけた。
涼さんは持っていた花束を全てベンチの足元に並べ、また片膝をついた。
そしてポケットから小さな箱を取り出し、私に向けてその箱を開けた。
「指輪・・・?」
箱の中には一つの指輪が入っていた。
捻ったデザインの本体に、花が咲いていた。
ダイヤモンドで装飾されたバラの花に、グリーンダイヤモンドで葉っぱが2枚付いてる。
「これも一輪のバラってカウントしてくれる?」
「え?」
意味が分からずに涼さんを見ると、涼さんは姿勢を正すように背中を真っ直ぐにした。
そして私の目をじっと見た。
「・・・あなたに一目惚れしました。俺にはハルしかいません。婚約指輪として・・・受け取ってください。」
「・・・!!」
バラ一輪の花言葉は『一目惚れ』。
涼さんは私に一目ぼれしたことを指輪にしてくれたのだった。
「すごい・・・。」
装飾の細かさに驚きながら、私は自分の右薬指を見た。
すると涼さんは指輪を取り、私の薬指にはめてくれたのだ。
「ぴったり・・・。」
ぶかぶかでもなく、きついわけでもない指輪。
いつ私のサイズを知ったのか疑問に思ってると、涼さんは私の左手の薬指をそっと掴んだ。
「結婚指輪もぴったりで作るからね。」
その言葉と行動に、私の指のサイズを手で計っていったことがわかった。
それでぴったりに作れるメーカーもすごいと思ったけど、ちゃんと記憶してる涼さんにも驚愕だ。
「・・・ふふ。素敵な指輪と花束、それに・・・涼さんの想い、ありがとう。私は涼さんに返せるものがあるかわからないけど・・・涼さんのことを好きな気持ちだけは負けないよ?これからもずっと・・・ずーっと側にいさせてね?」
「もちろん。」
そう言うと涼さんは立ち上がった。
優しい笑顔を溢しながら私をじっと見てる。
「ハル、この木の花言葉は?」
「え?『夫婦愛』・・だけど?」
「何にも染まってない色の服を着てるハルに、これから俺たちにしか作れない『夫婦の色』になっていってくれることをお願いします。」
まるで執事が礼をするように頭を下げた涼さん。
この服の『意味』を初めて理解した私は、思わず着てる服を見た。
「えっ!?あっ・・!そういう意味!?」
「うん。ドレスは結婚式までとっておきたいから・・・せめて。」
思いがけないことに驚きながらも、その願いに対して私は即答で返事ができる。
「どんな色になるか楽しみだね。」
笑顔で答え、私たちはしばらくの間バラに囲まれていた。
他愛のない話をし、笑って、手を繋いで・・・
もらった指輪を眺めては幸せに浸っていた。
そして時間が流れていき、貸し切りの終了時間が近づいてきていた。
「あ・・ねぇ、涼さん、このバラ・・・持って帰れる・・の?」
3000本を超えてるバラは、手で持って帰れる量ではない。
でももらった花は全て連れて帰りたいのだ。
「あとで業者に送ってもらうから大丈夫。手で持てるだけ先に持って帰る?それとも全部業者にお願いする?」
「持って帰れる分は持って帰る!!」
即答で答えると涼さんはクスクスと笑いながら花束を持ってくれた。
「ははっ、言うと思ったから大丈夫。じゃあ・・・二人で持とうか。」
「うんっ。」
「じゃあハルはコレ。あとは俺が持つから。」
私は108本の大きな花束を渡され、両手で抱えた。
重さはそんなにないけど、前が見えないくらい大きい。
「よいしょっ・・・」
視界を確保するために花束の向きを少し変えた時、涼さんの姿が見えた。
片手で99本の花束と101本の花束を持ち、もう片方の手で残りの花束を持っていた。
その後姿がとても似合っていて・・・思わず見惚れそうになってしまう。
「かっこいい・・・。」
そう呟いたとき、涼さんが振り返った。
どうやら私の独り言が聞こえてしまっていたらしい。
「・・・それはあとでもっかい言ってくれる?」
「?」
この時の涼さんの言葉の意味が分かってなかった私は軽く頷いて返事をした。
でも・・・家に帰ってからその意味を知ることになる。
こんな花束の渡し方、プロポーズ以外にないのは分かっていた。
私がお花に携わる仕事をしてたからか、こんな風に合わせてくれて・・・『嬉しい』くらいじゃ表現できない気持ちが私の中で溢れかえってる。
持っていた花束を足元に置き、差し出された花束をそっと受け取った。
「はい。喜んで・・・。」
そう伝えると涼さんは笑顔で立ち上がった。
そして足元に置いた花束を二つ取り、歩き始める。
「ハル。おいで?」
「?」
目に涙を浮かべながらついて行くと、そこはあの『リンデン』の木がある場所だった。
前と変わらないベンチが木のところにあるのは見えたけど、その周りが・・・とんでもないことになっていたのだ。
「へっ・・!?」
ベンチに向かって左にバラの山。
ベンチに向かって後ろ側にもバラの山。
そしてベンチに向かって右側もバラの山があったのだ。
「!?!?」
意味が分からずにパニックになってると、涼さんが説明を始めた。
「ハル、左側が999本、後ろが1000本、右側が1001本だよ。」
「へっ!?」
その花言葉の意味は『何度生まれ変わっても愛するのはあなた』『1万年の愛を誓います』『永遠に』だ。
この花の数だけでも100万はしそうな金額と数に、私は驚きを通り越して呆然と立っていた。
「ハル、ベンチに座ってくれる?」
「え・・?あ、うん・・・。」
言われた通り、私はベンチに腰かけた。
涼さんは持っていた花束を全てベンチの足元に並べ、また片膝をついた。
そしてポケットから小さな箱を取り出し、私に向けてその箱を開けた。
「指輪・・・?」
箱の中には一つの指輪が入っていた。
捻ったデザインの本体に、花が咲いていた。
ダイヤモンドで装飾されたバラの花に、グリーンダイヤモンドで葉っぱが2枚付いてる。
「これも一輪のバラってカウントしてくれる?」
「え?」
意味が分からずに涼さんを見ると、涼さんは姿勢を正すように背中を真っ直ぐにした。
そして私の目をじっと見た。
「・・・あなたに一目惚れしました。俺にはハルしかいません。婚約指輪として・・・受け取ってください。」
「・・・!!」
バラ一輪の花言葉は『一目惚れ』。
涼さんは私に一目ぼれしたことを指輪にしてくれたのだった。
「すごい・・・。」
装飾の細かさに驚きながら、私は自分の右薬指を見た。
すると涼さんは指輪を取り、私の薬指にはめてくれたのだ。
「ぴったり・・・。」
ぶかぶかでもなく、きついわけでもない指輪。
いつ私のサイズを知ったのか疑問に思ってると、涼さんは私の左手の薬指をそっと掴んだ。
「結婚指輪もぴったりで作るからね。」
その言葉と行動に、私の指のサイズを手で計っていったことがわかった。
それでぴったりに作れるメーカーもすごいと思ったけど、ちゃんと記憶してる涼さんにも驚愕だ。
「・・・ふふ。素敵な指輪と花束、それに・・・涼さんの想い、ありがとう。私は涼さんに返せるものがあるかわからないけど・・・涼さんのことを好きな気持ちだけは負けないよ?これからもずっと・・・ずーっと側にいさせてね?」
「もちろん。」
そう言うと涼さんは立ち上がった。
優しい笑顔を溢しながら私をじっと見てる。
「ハル、この木の花言葉は?」
「え?『夫婦愛』・・だけど?」
「何にも染まってない色の服を着てるハルに、これから俺たちにしか作れない『夫婦の色』になっていってくれることをお願いします。」
まるで執事が礼をするように頭を下げた涼さん。
この服の『意味』を初めて理解した私は、思わず着てる服を見た。
「えっ!?あっ・・!そういう意味!?」
「うん。ドレスは結婚式までとっておきたいから・・・せめて。」
思いがけないことに驚きながらも、その願いに対して私は即答で返事ができる。
「どんな色になるか楽しみだね。」
笑顔で答え、私たちはしばらくの間バラに囲まれていた。
他愛のない話をし、笑って、手を繋いで・・・
もらった指輪を眺めては幸せに浸っていた。
そして時間が流れていき、貸し切りの終了時間が近づいてきていた。
「あ・・ねぇ、涼さん、このバラ・・・持って帰れる・・の?」
3000本を超えてるバラは、手で持って帰れる量ではない。
でももらった花は全て連れて帰りたいのだ。
「あとで業者に送ってもらうから大丈夫。手で持てるだけ先に持って帰る?それとも全部業者にお願いする?」
「持って帰れる分は持って帰る!!」
即答で答えると涼さんはクスクスと笑いながら花束を持ってくれた。
「ははっ、言うと思ったから大丈夫。じゃあ・・・二人で持とうか。」
「うんっ。」
「じゃあハルはコレ。あとは俺が持つから。」
私は108本の大きな花束を渡され、両手で抱えた。
重さはそんなにないけど、前が見えないくらい大きい。
「よいしょっ・・・」
視界を確保するために花束の向きを少し変えた時、涼さんの姿が見えた。
片手で99本の花束と101本の花束を持ち、もう片方の手で残りの花束を持っていた。
その後姿がとても似合っていて・・・思わず見惚れそうになってしまう。
「かっこいい・・・。」
そう呟いたとき、涼さんが振り返った。
どうやら私の独り言が聞こえてしまっていたらしい。
「・・・それはあとでもっかい言ってくれる?」
「?」
この時の涼さんの言葉の意味が分かってなかった私は軽く頷いて返事をした。
でも・・・家に帰ってからその意味を知ることになる。
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