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涼さんに手を引っ張られて起こされた私は、呆然と涼さんを見ていた。
いつもだったらこのまま・・・ってことになると思ったのにそうならなかったからだ。
「へっ・・?」
「こんなとこでがっつくほど飢えてないよ。飲み物でどう?お酒は・・下りた時に回るからジュースかお茶のほうがいいけど。」
そう言って涼さんはベッドルームから出て行ってしまった。
(そういえば・・・もう長らくシてない・・。)
私がストーカーに襲われた日から、涼さんとシてないことに気がついた。
たぶん、涼さんなりに気を使ってくれてるんだろうと思ったけど、さっきのことで期待してしまってる自分がいたことに驚きだ。
『触って欲しい』と・・・身体が思ってる。
「はぁ・・・。」
私はベッドから立ち上がり、涼さんの元へ行った。
ーーーーー
ーーーーー
「・・・ル?・・・ハル?・・・ハール?」
「ん・・・」
身体を揺さぶられて目を覚ました私の視界に涼さんの顔が飛び込んできた。
スーツに身を包んで、ネクタイをしてる。
「ハルー?あと1時間くらいで着くよー?起きてー?」
そう言われながら私は目を閉じた。
(昨日・・紅茶を飲んで・・ご飯を食べて・・・あ、そうだ、そのまま寝たんだった。)
思い返す昨日のこと。
あまりにも気持ちのいいベッドだったからか、私はすぐに眠りに落ちたようだった。
いつも通り、涼さんの腕を抱きしめながら・・・。
「ほらほら、起きないと食べちゃうぞ?」
涼さんは私の頬やおでこ、首筋にキスを始めた。
久しぶりの刺激につい身を許してしまう。
「・・・抵抗しないな。ハルー?抵抗してくれなきゃ困るんだけどー?」
私の顔に自分の顔をすり寄せながらいう涼さん。
私は首を動かし、その涼さんの唇に自分の唇を重ねた。
「!?・・・こら。」
「もっと・・・」
そう言うと涼さんはついばむようなキスを何度かしてくれた。
でも・・・
「はい、おしまい。」
「・・・。」
すぐに唇を離されてしまったのだ。
(もっと欲しかった・・・)
そんなことを思いながら身体を起こそうとしたとき、涼さんは私の頭をぽんぽんっと撫でながら言った。
「1時間じゃ足りないからまた今度な。」
「---っ!」
その言葉に顔が熱くなっていく。
けど・・・
(嫌われてはない・・よね。)
あの事件以来、心のどこかで涼さんに嫌われてないか不安に思ってるところがあった。
迷惑をかけてしまい、傷もついてしまった。
果てには変なトラウマまでできてしまって・・・面倒くさいことこの上ないだろう。
まだ愛してて欲しくて余計に涼さんを求めてしまうのかもしれない。
「・・・うん。」
そう答え、私は飛行機を下りる準備を始めた。
ーーーーー
ーーーーー
「わぁー・・・キリバスとはまた違った雰囲気・・!」
ニュージーランドの北部にある最大の都市、オークランドに降り立った私たちは空港で車を借りて市内を走っていた。
涼さんは国際免許を持っているらしくて、いつもと変わらない様子で運転してる。
「高層の建物も多いからなぁ・・キリバスは自然って感じだったけどこっちは都会って感じだよね。」
言われた通り、ビルが立ち並んでる街並みはキリバスとは真反対のようだった。
同じ島国でもいろいろあるものだ。
「さて、この国から下見が始まるからよく見て?ハルはハルなりに見て、俺は俺なりに見るから。お互い必要と感じてるものは違うだろうし、違った視点で見るのも大事だから。」
「はいっ。」
「とりあえず、ハルは英語があまり・・・だよね。だから俺と一緒に行動しよう。一人でどこかに行ったりしたらダメだからね?」
「はいっ。」
「いい返事。じゃあホテルに向かおうか。」
涼さんはナビを見ながら車を走らせ、1時間ほどで目的のホテルに到着した。
チェックインを済ませて部屋に入り、今日の予定を確認する。
「今の時間は・・・15時30分か。ちょっと俺の仕事に付き合ってくれる?1件だけ終わらせれるかもしれない。」
「もちろんっ。」
「じゃあ行こう。」
私は涼さんについて行き、お仕事が終わるまで邪魔にならないように側にいた。
途中目移りするものがたくさんあって、視線を奪われたりしたけど、涼さんはそれをわかっていたのか私の手を繋いでいてくれた。
それもまた嬉しくて、私の頬が緩んでいく。
(お店もいっぱいあるんだ・・・。)
歩きながら視界に入っていたお店たち。
雑貨屋にカフェ、ご飯屋さんにと楽しそうなお店が私を呼んでるような気がした。
(そういえば・・・病院ってどうなんだろ。)
街並みを見ながらふと思った医療事情。
日本と海外では全然違うとどこかで聞いた覚えもあったのだ。
自分自身、病院はほぼ絶対に通わないといけない場所なこともあって、詳しく知りたいと思った。
(お兄ちゃんが一番詳しいかな?)
医療のことは医療に携わってる人間が一番詳しいハズ。
そう思った私は帰国してから兄に聞きに行くことにした。
ーーーーー
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いつもだったらこのまま・・・ってことになると思ったのにそうならなかったからだ。
「へっ・・?」
「こんなとこでがっつくほど飢えてないよ。飲み物でどう?お酒は・・下りた時に回るからジュースかお茶のほうがいいけど。」
そう言って涼さんはベッドルームから出て行ってしまった。
(そういえば・・・もう長らくシてない・・。)
私がストーカーに襲われた日から、涼さんとシてないことに気がついた。
たぶん、涼さんなりに気を使ってくれてるんだろうと思ったけど、さっきのことで期待してしまってる自分がいたことに驚きだ。
『触って欲しい』と・・・身体が思ってる。
「はぁ・・・。」
私はベッドから立ち上がり、涼さんの元へ行った。
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「・・・ル?・・・ハル?・・・ハール?」
「ん・・・」
身体を揺さぶられて目を覚ました私の視界に涼さんの顔が飛び込んできた。
スーツに身を包んで、ネクタイをしてる。
「ハルー?あと1時間くらいで着くよー?起きてー?」
そう言われながら私は目を閉じた。
(昨日・・紅茶を飲んで・・ご飯を食べて・・・あ、そうだ、そのまま寝たんだった。)
思い返す昨日のこと。
あまりにも気持ちのいいベッドだったからか、私はすぐに眠りに落ちたようだった。
いつも通り、涼さんの腕を抱きしめながら・・・。
「ほらほら、起きないと食べちゃうぞ?」
涼さんは私の頬やおでこ、首筋にキスを始めた。
久しぶりの刺激につい身を許してしまう。
「・・・抵抗しないな。ハルー?抵抗してくれなきゃ困るんだけどー?」
私の顔に自分の顔をすり寄せながらいう涼さん。
私は首を動かし、その涼さんの唇に自分の唇を重ねた。
「!?・・・こら。」
「もっと・・・」
そう言うと涼さんはついばむようなキスを何度かしてくれた。
でも・・・
「はい、おしまい。」
「・・・。」
すぐに唇を離されてしまったのだ。
(もっと欲しかった・・・)
そんなことを思いながら身体を起こそうとしたとき、涼さんは私の頭をぽんぽんっと撫でながら言った。
「1時間じゃ足りないからまた今度な。」
「---っ!」
その言葉に顔が熱くなっていく。
けど・・・
(嫌われてはない・・よね。)
あの事件以来、心のどこかで涼さんに嫌われてないか不安に思ってるところがあった。
迷惑をかけてしまい、傷もついてしまった。
果てには変なトラウマまでできてしまって・・・面倒くさいことこの上ないだろう。
まだ愛してて欲しくて余計に涼さんを求めてしまうのかもしれない。
「・・・うん。」
そう答え、私は飛行機を下りる準備を始めた。
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「わぁー・・・キリバスとはまた違った雰囲気・・!」
ニュージーランドの北部にある最大の都市、オークランドに降り立った私たちは空港で車を借りて市内を走っていた。
涼さんは国際免許を持っているらしくて、いつもと変わらない様子で運転してる。
「高層の建物も多いからなぁ・・キリバスは自然って感じだったけどこっちは都会って感じだよね。」
言われた通り、ビルが立ち並んでる街並みはキリバスとは真反対のようだった。
同じ島国でもいろいろあるものだ。
「さて、この国から下見が始まるからよく見て?ハルはハルなりに見て、俺は俺なりに見るから。お互い必要と感じてるものは違うだろうし、違った視点で見るのも大事だから。」
「はいっ。」
「とりあえず、ハルは英語があまり・・・だよね。だから俺と一緒に行動しよう。一人でどこかに行ったりしたらダメだからね?」
「はいっ。」
「いい返事。じゃあホテルに向かおうか。」
涼さんはナビを見ながら車を走らせ、1時間ほどで目的のホテルに到着した。
チェックインを済ませて部屋に入り、今日の予定を確認する。
「今の時間は・・・15時30分か。ちょっと俺の仕事に付き合ってくれる?1件だけ終わらせれるかもしれない。」
「もちろんっ。」
「じゃあ行こう。」
私は涼さんについて行き、お仕事が終わるまで邪魔にならないように側にいた。
途中目移りするものがたくさんあって、視線を奪われたりしたけど、涼さんはそれをわかっていたのか私の手を繋いでいてくれた。
それもまた嬉しくて、私の頬が緩んでいく。
(お店もいっぱいあるんだ・・・。)
歩きながら視界に入っていたお店たち。
雑貨屋にカフェ、ご飯屋さんにと楽しそうなお店が私を呼んでるような気がした。
(そういえば・・・病院ってどうなんだろ。)
街並みを見ながらふと思った医療事情。
日本と海外では全然違うとどこかで聞いた覚えもあったのだ。
自分自身、病院はほぼ絶対に通わないといけない場所なこともあって、詳しく知りたいと思った。
(お兄ちゃんが一番詳しいかな?)
医療のことは医療に携わってる人間が一番詳しいハズ。
そう思った私は帰国してから兄に聞きに行くことにした。
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