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私が涼さんの寝室に足を踏み入れた瞬間、壁に飾られたたくさんの写真が目に飛び込んできた。
大小さまざまな写真だけど・・・どれも見覚えのあるものだ。
「これ・・・全部今までの・・?」
壁にあった写真は、私が今まで涼さんに作ったアレンジメントだった。
初めて作ったバスケットアレンジメントに、いつものボックスアレンジメント。
ティーカップに生けたものや、蝶のような形になるように生けたアレンジメントまで全部の写真が壁一面に飾られていたのだ。
「好きな子に作ってもらったのに、お花は枯れてしまう生き物。ならせめて写真に収めとこうと思って。」
「---っ!」
私は涼さんの心遣いに涙が溢れそうになった。
確かにお花は枯れるもの。
それまでの間、長く楽しんでもらえたらいいと思っていたけど、涼さんはお花が枯れてしまったあとも楽しんでくれていたのだ。
「その時の気分で写真の大きさは違うけど、全部あるよ?ハルの作ったアレンジメント。」
私は壁に飾られてる写真を1枚ずつ見て回った。
写真を見て、作った時のことを思い出す。
「あ、これ冬のアレンジメントだ。あの時涼さん、肩に雪乗せてた・・・」
「・・・そんなことまで覚えてるの?恥ずかしいな・・。」
「これは・・・確か発表会が重なってた日で、すごく忙しいときに作ったやつ。一番早く作れるアレンジメントにさせてもらったんだよね。」
「あー・・そんなときもあったような・・。」
1枚ずつ見ていくと涼さんとの思い出も蘇ってくる。
いつも優しい笑顔で来店してくれる涼さんの、そのときの表情も蘇ってきた。
(あ・・そっか、私、ずっと涼さんのこと好きだったんだ・・・。)
彼が来店される度、私の心が浮足立っていたことに、今更ながら気がついた。
偶然とはいえ、私を見つけてくれた涼さんには感謝しかない。
「ふふ、涼さん、ありがとう。」
「俺の方こそ。いつも素敵なアレンジメントありがとう。・・・寝室に飾り切れなくなったらリビングに飾ろうか。」
そう言う涼さんに、ずっと答えてもらえてない疑問を聞いてみることにした。
「ねぇ、いつも指定してくる花の色って・・・何を基準にしてるのかそろそろ教えてくれる?」
そう聞くと涼さんは少し悩み、ぐるっと壁一面の写真を見回した。
「・・・教えてもいいけど・・・聞きたい?」
「聞きたい・・!」
涼さんの指定の色は全部かわいい系の色だ。
ピンクや黄色、なんかが多い。
(その日のラッキーカラーとかかなぁ。)
そんな予想をしながら返事を待ってると、涼さんは驚くようなことを言った。
「・・・その日のハル。」
「・・・へ?」
「だから、俺がその日見たハルのイメージでお願いしてたんだよ。だってまだ付き合ってなかったし?会社に持って帰ってハルを思い出しながら眺めるしかできないし・・・。」
少し照れながら話す涼さんは、いつもと違ってなんだかかわいい雰囲気を溢していた。
私のカラーをイメージしてくれたのは嬉しいけど・・・こんなかわいい色の組み合わせはなんだか照れてしまう。
「・・・へへっ。」
涼さんを見て笑顔を溢すと、涼さんが私を抱きしめて来た。
「ふぁっ!?」
「そんなかわいい顔見せられたら困るんだけど?」
そう言って私の唇を塞いでくる。
「んっ・・・!」
「まだ返事聞いてなかったね。・・・マンションに戻れるようになるまで俺と一緒に住んでくれる?」
ぎゅっと抱きしめられてる腕から、『もっと一緒にいたい』という涼さんの気持ちが溢れ出て伝わって来ていた。
それは・・・私も同じ気持ちだ。
「短い間ですが、よろしくお願いします。」
こうして私たちは期間限定の同棲を始めることになった。
大好きな涼さんと一緒にいれることに幸せを感じていた私だったけど、しばらくして後悔する日が来るなんてこと、この時の私は想像もしてなかった。
大小さまざまな写真だけど・・・どれも見覚えのあるものだ。
「これ・・・全部今までの・・?」
壁にあった写真は、私が今まで涼さんに作ったアレンジメントだった。
初めて作ったバスケットアレンジメントに、いつものボックスアレンジメント。
ティーカップに生けたものや、蝶のような形になるように生けたアレンジメントまで全部の写真が壁一面に飾られていたのだ。
「好きな子に作ってもらったのに、お花は枯れてしまう生き物。ならせめて写真に収めとこうと思って。」
「---っ!」
私は涼さんの心遣いに涙が溢れそうになった。
確かにお花は枯れるもの。
それまでの間、長く楽しんでもらえたらいいと思っていたけど、涼さんはお花が枯れてしまったあとも楽しんでくれていたのだ。
「その時の気分で写真の大きさは違うけど、全部あるよ?ハルの作ったアレンジメント。」
私は壁に飾られてる写真を1枚ずつ見て回った。
写真を見て、作った時のことを思い出す。
「あ、これ冬のアレンジメントだ。あの時涼さん、肩に雪乗せてた・・・」
「・・・そんなことまで覚えてるの?恥ずかしいな・・。」
「これは・・・確か発表会が重なってた日で、すごく忙しいときに作ったやつ。一番早く作れるアレンジメントにさせてもらったんだよね。」
「あー・・そんなときもあったような・・。」
1枚ずつ見ていくと涼さんとの思い出も蘇ってくる。
いつも優しい笑顔で来店してくれる涼さんの、そのときの表情も蘇ってきた。
(あ・・そっか、私、ずっと涼さんのこと好きだったんだ・・・。)
彼が来店される度、私の心が浮足立っていたことに、今更ながら気がついた。
偶然とはいえ、私を見つけてくれた涼さんには感謝しかない。
「ふふ、涼さん、ありがとう。」
「俺の方こそ。いつも素敵なアレンジメントありがとう。・・・寝室に飾り切れなくなったらリビングに飾ろうか。」
そう言う涼さんに、ずっと答えてもらえてない疑問を聞いてみることにした。
「ねぇ、いつも指定してくる花の色って・・・何を基準にしてるのかそろそろ教えてくれる?」
そう聞くと涼さんは少し悩み、ぐるっと壁一面の写真を見回した。
「・・・教えてもいいけど・・・聞きたい?」
「聞きたい・・!」
涼さんの指定の色は全部かわいい系の色だ。
ピンクや黄色、なんかが多い。
(その日のラッキーカラーとかかなぁ。)
そんな予想をしながら返事を待ってると、涼さんは驚くようなことを言った。
「・・・その日のハル。」
「・・・へ?」
「だから、俺がその日見たハルのイメージでお願いしてたんだよ。だってまだ付き合ってなかったし?会社に持って帰ってハルを思い出しながら眺めるしかできないし・・・。」
少し照れながら話す涼さんは、いつもと違ってなんだかかわいい雰囲気を溢していた。
私のカラーをイメージしてくれたのは嬉しいけど・・・こんなかわいい色の組み合わせはなんだか照れてしまう。
「・・・へへっ。」
涼さんを見て笑顔を溢すと、涼さんが私を抱きしめて来た。
「ふぁっ!?」
「そんなかわいい顔見せられたら困るんだけど?」
そう言って私の唇を塞いでくる。
「んっ・・・!」
「まだ返事聞いてなかったね。・・・マンションに戻れるようになるまで俺と一緒に住んでくれる?」
ぎゅっと抱きしめられてる腕から、『もっと一緒にいたい』という涼さんの気持ちが溢れ出て伝わって来ていた。
それは・・・私も同じ気持ちだ。
「短い間ですが、よろしくお願いします。」
こうして私たちは期間限定の同棲を始めることになった。
大好きな涼さんと一緒にいれることに幸せを感じていた私だったけど、しばらくして後悔する日が来るなんてこと、この時の私は想像もしてなかった。
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