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「悪いハル、待たせた。」
待ち合わせしていた喫茶店に兄が姿を現したのは、別れてから2時間ほど経ったときだった。
『すぐ帰る』と言っても兄は医者。
急変する患者さんもいるし、引き継ぎも患者さん一人一人細かく伝えなきゃ行けないから時間がかかるのだ。
だから私は待ち合わせ場所を『喫茶店』にした。
時間がかかることなんて目に見えてわかってるから。
「ううん、本読んでたから大丈夫だよー。」
そう言うと兄はお会計の場所を指差した。
「会計してくる。いつもの店行こう。」
「うんっ。」
鞄に本をしまうと、兄は伝票を持って先にお会計に行ってしまった。
「あ、待ってお兄ちゃん、私払う・・・」
「いいって、ゆっくりついて来な。」
そう言って兄はさっさと会計を済ませてしまった。
(いつも払わせてくれないんだから・・・。)
会うといつも全てを支払ってくれる兄。
そのうちお返しをしようと思いながら、私は兄について行く。
「最近のこと、車でいっぱい話してくれよ?」
私の頭をくしゃっと撫で、溢れんばかりの笑顔で兄は言った。
「ふふっ、お兄ちゃんのことも聞かせてよ?半年ぶりくらいに会ったんだから。」
「任せろ。」
そんな話をしながら私たちは病院をあとにした。
ーーーーー
たくさん車の中で話をした私と兄は、病院から車で2時間ほど離れたところにあるレストランに来ていた。
このレストランは私と兄が会うときに毎回訪れるお店だ。
その理由は・・・『家族揃って最後にご飯を食べた場所』だからだ。
「家族がバラバラになってから・・・もうすぐ3年になるね。お兄ちゃんは寂しかったりしない?」
テーブルに並べられたご飯を頬張りながら兄に聞いた。
「俺が寂しいとか言ったらちょっと問題じゃないか?37になるんだし・・・。」
「そう?」
「それに・・・『バラバラ』って言ってるけど会おうと思えば会えるんだからな?国内にいないだけなんだし。」
そう、私たちの両親は今、海外で生活をしてる。
私が20歳になる前に、両親は国内を出ると宣言してきて瞬く間に飛び立って行ったのだ。
「お母さんたち今、どこの国にいるの?」
「先月聞いたときはラオスのどっかの村にいるって言ってたぞ?なんか紙で作る傘?に興味持ったらしくて現地で習ってるんだってさ。」
私の父と母は知りたがりさんたちだ。
家の花壇にある花の成長過程が気になった時は定点カメラを仕掛けて毎日お世話をし、枯れてしまうまで懸命に育て上げたあとにカメラを回収し、編集してその一生を見ていた。
楽器の音が鳴る仕組みが気になった時は実際にその楽器を習いに行ったこともある。
お茶に絵、歌に食器にと、気になったものは全て体験していく人たちなのだ。
「ラオスなんだ!プルメリアの花、かわいいよねー、南国って感じがすごく強くてーーーー」
ぺらぺらと花のことを細かく語る私に、兄は終始笑顔で付き合ってくれていた。
『うんうん』と相槌をうちながら、私が満足するまで聞いてくれる。
「お前はほんとに花が好きだな。」
笑いながら言う兄に、私は満面の笑みで答える。
「ふふっ、だーいすきだよっ!」
「ははっ、知ってる。」
二人で笑いながら食べるご飯はとてもおいしい。
『ここに両親もいたら最高なのに』と思いながら、兄との時間を楽しんでいた。
・・・まさかこの場に涼さんもいるなんて思いもせずに。
ーーーーー
「あれ・・ハルちゃん・・?なんでこんなとこに・・・。」
先月新しく作ったオフィスビルに真っ先に入って来た会社の視察の為、俺は街から外れたレストランに来ていたのだ。
新しく入った会社は多種類の食品を輸入してる会社で、このレストランにおろしてるとのことで今回食事も兼ねて来ていた。
ただそれだけだったのに・・・
「今日仕事じゃ・・・」
思いがけない場所でハルちゃんを見かけたことにも驚いたけど、それ以上に驚いたことがあった。
それは・・・
「あの男・・・誰だ?」
ハルちゃんの前に男がいたのだ。
優しい眼差しで彼女を見つめ、仲良さそうに喋ってる。
時折二人は顔を近づけ笑い合い、男がハルちゃんの頭を撫でたりしていてなんだか・・傍から見たら恋人同士のように見えた。
「今日仕事って聞いてたけど・・・」
俺は自分のスマホを取り出してハルちゃんにメールを打った。
『今日仕事、何時に終わる?』と・・。
でも、いくら待ってもハルちゃんはスマホを手に取らない。
それどころかテーブルにスマホを置いてなさそうだった。
「鞄の中か?そういえばいつもスマホを気にしてないような・・・。」
頭の中でいろいろ画策してると、ハルちゃんの声が聞こえて来た。
少し大きめの声で『大好き』と・・。
「え・・・うそだろ・・?」
俺がまだ聞いてない言葉を容易く言ってもらってる男。
その男の顔を目に焼き付けようとしたとき、スマホの音が鳴った。
着信を受けたのは・・・ハルちゃんの前にいる男だ。
「悪い、ちょっと電話してくる。」
そう言って席から立ち上がり、店の外に出て行った。
席に残されたハルちゃんは男の背中を見送るわけでもなく、そのままご飯を食べ続けてる。
「声かけたら・・・どんな反応するんだろう。」
俺がこの場にいたことを知ったら、ハルちゃんは驚くだろうか。
それとも気まずそうにするんだろうか。
それとも開き直ったりするんだろうか。
「どうしようか・・・。」
頭を悩ませていると電話を済ませた男が戻って来た。
席に座らず、ハルちゃんの横から話しかけてる。
「ハル悪い、仕事になった。」
そう言われ、ハルちゃんはテーブルにある料理たちを急いで口に放り込み始めた。
「近くの駅までお願いしていい?そこから帰れるから。」
「あぁ、ほんとごめんな。」
「いいよ、いつものことだし。また半年後くらいに会いにいくよ。」
「半年じゃなくても会いに来いよ。」
男はハルちゃんの頭をくしゃっと撫でた。
ハルちゃんは席から立ち上がり、二人は会計を済ませて出て行ってしまった。
「駅って言ってたよな。」
俺は近くの駅をスマホで調べ、後を追うことにした。
待ち合わせしていた喫茶店に兄が姿を現したのは、別れてから2時間ほど経ったときだった。
『すぐ帰る』と言っても兄は医者。
急変する患者さんもいるし、引き継ぎも患者さん一人一人細かく伝えなきゃ行けないから時間がかかるのだ。
だから私は待ち合わせ場所を『喫茶店』にした。
時間がかかることなんて目に見えてわかってるから。
「ううん、本読んでたから大丈夫だよー。」
そう言うと兄はお会計の場所を指差した。
「会計してくる。いつもの店行こう。」
「うんっ。」
鞄に本をしまうと、兄は伝票を持って先にお会計に行ってしまった。
「あ、待ってお兄ちゃん、私払う・・・」
「いいって、ゆっくりついて来な。」
そう言って兄はさっさと会計を済ませてしまった。
(いつも払わせてくれないんだから・・・。)
会うといつも全てを支払ってくれる兄。
そのうちお返しをしようと思いながら、私は兄について行く。
「最近のこと、車でいっぱい話してくれよ?」
私の頭をくしゃっと撫で、溢れんばかりの笑顔で兄は言った。
「ふふっ、お兄ちゃんのことも聞かせてよ?半年ぶりくらいに会ったんだから。」
「任せろ。」
そんな話をしながら私たちは病院をあとにした。
ーーーーー
たくさん車の中で話をした私と兄は、病院から車で2時間ほど離れたところにあるレストランに来ていた。
このレストランは私と兄が会うときに毎回訪れるお店だ。
その理由は・・・『家族揃って最後にご飯を食べた場所』だからだ。
「家族がバラバラになってから・・・もうすぐ3年になるね。お兄ちゃんは寂しかったりしない?」
テーブルに並べられたご飯を頬張りながら兄に聞いた。
「俺が寂しいとか言ったらちょっと問題じゃないか?37になるんだし・・・。」
「そう?」
「それに・・・『バラバラ』って言ってるけど会おうと思えば会えるんだからな?国内にいないだけなんだし。」
そう、私たちの両親は今、海外で生活をしてる。
私が20歳になる前に、両親は国内を出ると宣言してきて瞬く間に飛び立って行ったのだ。
「お母さんたち今、どこの国にいるの?」
「先月聞いたときはラオスのどっかの村にいるって言ってたぞ?なんか紙で作る傘?に興味持ったらしくて現地で習ってるんだってさ。」
私の父と母は知りたがりさんたちだ。
家の花壇にある花の成長過程が気になった時は定点カメラを仕掛けて毎日お世話をし、枯れてしまうまで懸命に育て上げたあとにカメラを回収し、編集してその一生を見ていた。
楽器の音が鳴る仕組みが気になった時は実際にその楽器を習いに行ったこともある。
お茶に絵、歌に食器にと、気になったものは全て体験していく人たちなのだ。
「ラオスなんだ!プルメリアの花、かわいいよねー、南国って感じがすごく強くてーーーー」
ぺらぺらと花のことを細かく語る私に、兄は終始笑顔で付き合ってくれていた。
『うんうん』と相槌をうちながら、私が満足するまで聞いてくれる。
「お前はほんとに花が好きだな。」
笑いながら言う兄に、私は満面の笑みで答える。
「ふふっ、だーいすきだよっ!」
「ははっ、知ってる。」
二人で笑いながら食べるご飯はとてもおいしい。
『ここに両親もいたら最高なのに』と思いながら、兄との時間を楽しんでいた。
・・・まさかこの場に涼さんもいるなんて思いもせずに。
ーーーーー
「あれ・・ハルちゃん・・?なんでこんなとこに・・・。」
先月新しく作ったオフィスビルに真っ先に入って来た会社の視察の為、俺は街から外れたレストランに来ていたのだ。
新しく入った会社は多種類の食品を輸入してる会社で、このレストランにおろしてるとのことで今回食事も兼ねて来ていた。
ただそれだけだったのに・・・
「今日仕事じゃ・・・」
思いがけない場所でハルちゃんを見かけたことにも驚いたけど、それ以上に驚いたことがあった。
それは・・・
「あの男・・・誰だ?」
ハルちゃんの前に男がいたのだ。
優しい眼差しで彼女を見つめ、仲良さそうに喋ってる。
時折二人は顔を近づけ笑い合い、男がハルちゃんの頭を撫でたりしていてなんだか・・傍から見たら恋人同士のように見えた。
「今日仕事って聞いてたけど・・・」
俺は自分のスマホを取り出してハルちゃんにメールを打った。
『今日仕事、何時に終わる?』と・・。
でも、いくら待ってもハルちゃんはスマホを手に取らない。
それどころかテーブルにスマホを置いてなさそうだった。
「鞄の中か?そういえばいつもスマホを気にしてないような・・・。」
頭の中でいろいろ画策してると、ハルちゃんの声が聞こえて来た。
少し大きめの声で『大好き』と・・。
「え・・・うそだろ・・?」
俺がまだ聞いてない言葉を容易く言ってもらってる男。
その男の顔を目に焼き付けようとしたとき、スマホの音が鳴った。
着信を受けたのは・・・ハルちゃんの前にいる男だ。
「悪い、ちょっと電話してくる。」
そう言って席から立ち上がり、店の外に出て行った。
席に残されたハルちゃんは男の背中を見送るわけでもなく、そのままご飯を食べ続けてる。
「声かけたら・・・どんな反応するんだろう。」
俺がこの場にいたことを知ったら、ハルちゃんは驚くだろうか。
それとも気まずそうにするんだろうか。
それとも開き直ったりするんだろうか。
「どうしようか・・・。」
頭を悩ませていると電話を済ませた男が戻って来た。
席に座らず、ハルちゃんの横から話しかけてる。
「ハル悪い、仕事になった。」
そう言われ、ハルちゃんはテーブルにある料理たちを急いで口に放り込み始めた。
「近くの駅までお願いしていい?そこから帰れるから。」
「あぁ、ほんとごめんな。」
「いいよ、いつものことだし。また半年後くらいに会いにいくよ。」
「半年じゃなくても会いに来いよ。」
男はハルちゃんの頭をくしゃっと撫でた。
ハルちゃんは席から立ち上がり、二人は会計を済ませて出て行ってしまった。
「駅って言ってたよな。」
俺は近くの駅をスマホで調べ、後を追うことにした。
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