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「よしっ、今日もいい感じに焼けたね。」
暖かい陽気に包まれた朝、私はレンガを組み合わせて作られたオーブンでパンを焼いていた。
香ばしくていい匂いがするパンはバゲット。
スープに浸しても、サンドイッチにしてもおいしいパンだ。
「えーっと・・・1,2,3・・・全部で23本焼けたみたいだから・・今日は20本持って行こうかな。」
二日に一回のペースで市場にパンを売りにいってる私は『パン売り』で生計を立ててる。
1本銅貨2枚の金額だ。
「前の世界では考えられないことだよねぇ・・・『パンを売って生活』とか『銅貨』とか・・・。」
ひょんなことから3か月ほど前にこの世界にやって来た私は町の人に助けてもらい、生活の仕方を教わった。
右も左もわからない私にこの世界の人たちは親切に教えてくれ、一人で暮らせるまでになったのだ。
「ガスとか電気がないのはちょっと不便かなーとは思ったけど、慣れればどうってことないし。」
水は井戸から汲み上げ、火は薪を燃やして熾す。
冷蔵庫や冷凍庫なんてないから、使いきれるだけの食材を買ってきて消費する毎日。
まるで・・・ひと昔前の日本の生活を送ってるようだ。
「経済的と言えば経済的よね?食材を余らせることもそんなにないし・・・。」
前の世界では度々問題になっていたフードロス問題。
今更憂いても仕方のないことだけど、ふと前の世界を思い出していた。
「・・・もう私には関係ないし。」
嫌なことを思い出した私は気持ちを切り替えるために棚からリボンの布を取り出した。
腰まである長い髪の毛を一つにまとめ、明るめのリボンでゆるく束ねていく。
そして焼いたパンを木で編んだバスケットに入れ、布巾をかぶせて家を出た。
町の市場までは歩いて30分ほどかかる。
「全部売れてくれたら銅貨40枚の売り上げでしょ?原材料にかかった分を抜いたら・・・17枚くらいの利益かな?ちょっと贅沢な料理でも作ろうかな?」
家の分としてバゲットを少し残してあるからシチューを作って食べるのもいいし、贅沢にローストビーフなんかにしてもいいかもしれない。
余ったローストビーフを次の日にサンドイッチにするのもいい。
「まぁ・・・売れ残ったら困るんだけどね・・・。」
そんなことを考えながら町まで歩く道は両端が緑で覆われてる。
背の低い木から背の高い木までたくさん生えていて、まるで壁のようだ。
そんな壁みたいな木の枝の間から太陽の光が差し込んでいて、漏れ出る光は優しい。
こんなこと、前の世界では感じ取る余裕なんてなかったことだ。
「・・・売れ残ったら騎士団に差し入れでも作ろうかな。私がこの世界に初めて来たときに助けてくれた人たちだし。」
そう、私が初めてこの世界にやってきた3か月前、参道で倒れていた私を助けてくれたのはこの世界のこの国『レゴリス』の騎士団の人たちだった。
明らかに回りとは違う服装をしていたのに保護をしてくれ、この世界のことを教えてくれたのだ。
住む場所も見つけてくれ、仕事の仕方や町の人たちへの紹介なんかもしれくれて、恩しかない人たちだ。
ただ・・・
「・・・『人』って呼んでいいのかな?」
私を保護してくれた騎士団の人たちは私が知ってる『人』ではなかったのだ。
顔の両端についてるハズの耳は頭の上にあり、腰元あたりから尻尾もある。
この世界の人は・・・『獣人』だったのだ。
「耳と尻尾以外は見た目変わらないし?『獣人』っていうくらいだからやっぱり『人』なんだよね?言葉も通じるし・・・。」
不思議なことにこの世界は『男の人が獣人』で『女の人は人間』なのだ。
私が保護してくれた騎士団の人たちはみんな男の人たちで獣人。
町での暮らし方を教えてくれたのは女の人で人間だった。
どちらも優しくていい人たちばかりで・・・右も左もわからなかった3か月前の私は涙を零しながら安心感を覚えたのだった。
「・・・恥ずかし。」
3か月前の自分を思い出してると、ふと近くの木が揺れたのが見えた。
何かと思って見てみると、木の陰からひょこっと顔を出した人がいたのだ。
「ルア!おはよう!」
元気な声で私の前に出てきたのは『コッホ』。
今年15になる猫の獣人だ。
「おはよう、コッホ。」
「今から町行くの?」
「そうよ?今日はバゲットを焼いたの。」
バゲットに掛けていた布巾を取ってコッホに見せると、コッホは鼻を近づけてきて匂いを嗅ぎだした。
「いい匂い・・・」
「ふふ。コッホなら銅貨1枚で売るわよ?」
「!!・・・じゃあ余ったら買わせてもらおうかな、銅貨2枚で売れたほうがいいしね。」
「ありがとう。」
一緒に並んで町に向かい始めた私たち。
私よりも少し背が高いコッホに、ふと『弟』のことを思い出していた。
私がこの世界に来る1か月前に亡くなった・・・『弟』のことを。
(『真』も生きてたら・・・こうやって歩いてくれたのかな。)
そんなことを考えてると、コッホが急に私の顔を覗き込んできた。
「わっ・・・!?」
「まーた弟と俺を重ねてたんじゃない?」
「え・・・そ・・そんなことないよ?」
「ふーん・・・?」
疑うような表情を漏らすコッホの顔は、やっぱり真に似てるような気がした。
一つ年下だったあの子も、こうやって覗き込んできていたのだ。
(ケモノ耳は無かったけど。)
コッホと一緒に20分ほど歩くと、町の市場が見えてきた。
市場の入り口でコッホとは別れ、私はパンを売り歩いていく。
「バゲットはいかがですかー?1本銅貨2枚ですー!」
声をかけながら歩いていくと、私の名前を呼ぶ声が後ろから聞こえてきた。
「ルアちゃーん!パン売っておくれー!」
その声に振り返ると、いつもよくしてくれるおばさんの姿があったのだ。
「レイタさん・・・!」
「ルアちゃんのパンはすごくおいしいからね。2本売ってくれるかい?」
「もちろんですっ、いつもありがとうございますっ。」
布巾を取ってバゲットを2本取り出して、レイタさんが持っていたバスケットに入れる。
レイタさんは私に銅貨を4枚支払ってくれ、私はそのお金を服のポケットに入れた。
「あの小さいパンもまた食べたいからお願いね。」
そう言ってレイタさんは買い物の続きをするために去っていったのだった。
「バターロールのことかな?バターがいるからまた牛乳を瓶に入れて振らないと・・・。」
基本的に生クリームを容器に入れて振り続けるとバターになることは、前の世界で周知されていることだ。
でもこの世界に生クリームは無く、試しにと思って牛乳を振ってみたところバターができたのだった。
(この世界は牛乳を処理する施設なんてないし、搾ったままの牛乳だったからできたってことだよね。自然ってすごい・・・。)
とりあえず今日の帰りに牛乳を買って帰ることに決め、私はパンを売って歩いた。
すれ違う人たちに声をかけていくと、1本、また1本とバスケットの中のパンが無くなっていく。
そして最後は小さな男の子の獣人がおつかいで買いに来てくれて、見事完売したのだった。
「・・・あ、コッホの分が無くなっちゃった。」
うちに置いてある分をおすそ分けすることにし、今度は私の買い物をしていく。
レイタさんの希望であるバターロールを作るために瓶に入った牛乳を三つ買い、レタスやトマトも買っていく。
「あ、塩ももうすぐなくなりそうだったんだった。あと小麦粉と・・・」
他にも卵に調味料にといろいろ買っていくと、私のバスケットはだんだんと山盛りに・・・。
気がつけば持って歩くのも大変なくらいの量になってしまい、私は市場の端でどうしようか思案に暮れることになってしまったのだ。
「うーん・・・買い過ぎたかも・・・。」
山盛りのバスケットを眺めていた私は、家まで1時間以上かけて帰ることを覚悟していた。
牛乳を買ったことから重たいのは仕方ないことなのだ。
「レイタさんにパンをいっぱい買ってもらうことにして、がんばりますか。」
気合を入れてバスケットを持とうとした時、私の手より先にバスケットを持つ手が目に入った。
「沢山買ったんだね、ルア。家まで運んであげるよ。」
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「よしっ、今日もいい感じに焼けたね。」
暖かい陽気に包まれた朝、私はレンガを組み合わせて作られたオーブンでパンを焼いていた。
香ばしくていい匂いがするパンはバゲット。
スープに浸しても、サンドイッチにしてもおいしいパンだ。
「えーっと・・・1,2,3・・・全部で23本焼けたみたいだから・・今日は20本持って行こうかな。」
二日に一回のペースで市場にパンを売りにいってる私は『パン売り』で生計を立ててる。
1本銅貨2枚の金額だ。
「前の世界では考えられないことだよねぇ・・・『パンを売って生活』とか『銅貨』とか・・・。」
ひょんなことから3か月ほど前にこの世界にやって来た私は町の人に助けてもらい、生活の仕方を教わった。
右も左もわからない私にこの世界の人たちは親切に教えてくれ、一人で暮らせるまでになったのだ。
「ガスとか電気がないのはちょっと不便かなーとは思ったけど、慣れればどうってことないし。」
水は井戸から汲み上げ、火は薪を燃やして熾す。
冷蔵庫や冷凍庫なんてないから、使いきれるだけの食材を買ってきて消費する毎日。
まるで・・・ひと昔前の日本の生活を送ってるようだ。
「経済的と言えば経済的よね?食材を余らせることもそんなにないし・・・。」
前の世界では度々問題になっていたフードロス問題。
今更憂いても仕方のないことだけど、ふと前の世界を思い出していた。
「・・・もう私には関係ないし。」
嫌なことを思い出した私は気持ちを切り替えるために棚からリボンの布を取り出した。
腰まである長い髪の毛を一つにまとめ、明るめのリボンでゆるく束ねていく。
そして焼いたパンを木で編んだバスケットに入れ、布巾をかぶせて家を出た。
町の市場までは歩いて30分ほどかかる。
「全部売れてくれたら銅貨40枚の売り上げでしょ?原材料にかかった分を抜いたら・・・17枚くらいの利益かな?ちょっと贅沢な料理でも作ろうかな?」
家の分としてバゲットを少し残してあるからシチューを作って食べるのもいいし、贅沢にローストビーフなんかにしてもいいかもしれない。
余ったローストビーフを次の日にサンドイッチにするのもいい。
「まぁ・・・売れ残ったら困るんだけどね・・・。」
そんなことを考えながら町まで歩く道は両端が緑で覆われてる。
背の低い木から背の高い木までたくさん生えていて、まるで壁のようだ。
そんな壁みたいな木の枝の間から太陽の光が差し込んでいて、漏れ出る光は優しい。
こんなこと、前の世界では感じ取る余裕なんてなかったことだ。
「・・・売れ残ったら騎士団に差し入れでも作ろうかな。私がこの世界に初めて来たときに助けてくれた人たちだし。」
そう、私が初めてこの世界にやってきた3か月前、参道で倒れていた私を助けてくれたのはこの世界のこの国『レゴリス』の騎士団の人たちだった。
明らかに回りとは違う服装をしていたのに保護をしてくれ、この世界のことを教えてくれたのだ。
住む場所も見つけてくれ、仕事の仕方や町の人たちへの紹介なんかもしれくれて、恩しかない人たちだ。
ただ・・・
「・・・『人』って呼んでいいのかな?」
私を保護してくれた騎士団の人たちは私が知ってる『人』ではなかったのだ。
顔の両端についてるハズの耳は頭の上にあり、腰元あたりから尻尾もある。
この世界の人は・・・『獣人』だったのだ。
「耳と尻尾以外は見た目変わらないし?『獣人』っていうくらいだからやっぱり『人』なんだよね?言葉も通じるし・・・。」
不思議なことにこの世界は『男の人が獣人』で『女の人は人間』なのだ。
私が保護してくれた騎士団の人たちはみんな男の人たちで獣人。
町での暮らし方を教えてくれたのは女の人で人間だった。
どちらも優しくていい人たちばかりで・・・右も左もわからなかった3か月前の私は涙を零しながら安心感を覚えたのだった。
「・・・恥ずかし。」
3か月前の自分を思い出してると、ふと近くの木が揺れたのが見えた。
何かと思って見てみると、木の陰からひょこっと顔を出した人がいたのだ。
「ルア!おはよう!」
元気な声で私の前に出てきたのは『コッホ』。
今年15になる猫の獣人だ。
「おはよう、コッホ。」
「今から町行くの?」
「そうよ?今日はバゲットを焼いたの。」
バゲットに掛けていた布巾を取ってコッホに見せると、コッホは鼻を近づけてきて匂いを嗅ぎだした。
「いい匂い・・・」
「ふふ。コッホなら銅貨1枚で売るわよ?」
「!!・・・じゃあ余ったら買わせてもらおうかな、銅貨2枚で売れたほうがいいしね。」
「ありがとう。」
一緒に並んで町に向かい始めた私たち。
私よりも少し背が高いコッホに、ふと『弟』のことを思い出していた。
私がこの世界に来る1か月前に亡くなった・・・『弟』のことを。
(『真』も生きてたら・・・こうやって歩いてくれたのかな。)
そんなことを考えてると、コッホが急に私の顔を覗き込んできた。
「わっ・・・!?」
「まーた弟と俺を重ねてたんじゃない?」
「え・・・そ・・そんなことないよ?」
「ふーん・・・?」
疑うような表情を漏らすコッホの顔は、やっぱり真に似てるような気がした。
一つ年下だったあの子も、こうやって覗き込んできていたのだ。
(ケモノ耳は無かったけど。)
コッホと一緒に20分ほど歩くと、町の市場が見えてきた。
市場の入り口でコッホとは別れ、私はパンを売り歩いていく。
「バゲットはいかがですかー?1本銅貨2枚ですー!」
声をかけながら歩いていくと、私の名前を呼ぶ声が後ろから聞こえてきた。
「ルアちゃーん!パン売っておくれー!」
その声に振り返ると、いつもよくしてくれるおばさんの姿があったのだ。
「レイタさん・・・!」
「ルアちゃんのパンはすごくおいしいからね。2本売ってくれるかい?」
「もちろんですっ、いつもありがとうございますっ。」
布巾を取ってバゲットを2本取り出して、レイタさんが持っていたバスケットに入れる。
レイタさんは私に銅貨を4枚支払ってくれ、私はそのお金を服のポケットに入れた。
「あの小さいパンもまた食べたいからお願いね。」
そう言ってレイタさんは買い物の続きをするために去っていったのだった。
「バターロールのことかな?バターがいるからまた牛乳を瓶に入れて振らないと・・・。」
基本的に生クリームを容器に入れて振り続けるとバターになることは、前の世界で周知されていることだ。
でもこの世界に生クリームは無く、試しにと思って牛乳を振ってみたところバターができたのだった。
(この世界は牛乳を処理する施設なんてないし、搾ったままの牛乳だったからできたってことだよね。自然ってすごい・・・。)
とりあえず今日の帰りに牛乳を買って帰ることに決め、私はパンを売って歩いた。
すれ違う人たちに声をかけていくと、1本、また1本とバスケットの中のパンが無くなっていく。
そして最後は小さな男の子の獣人がおつかいで買いに来てくれて、見事完売したのだった。
「・・・あ、コッホの分が無くなっちゃった。」
うちに置いてある分をおすそ分けすることにし、今度は私の買い物をしていく。
レイタさんの希望であるバターロールを作るために瓶に入った牛乳を三つ買い、レタスやトマトも買っていく。
「あ、塩ももうすぐなくなりそうだったんだった。あと小麦粉と・・・」
他にも卵に調味料にといろいろ買っていくと、私のバスケットはだんだんと山盛りに・・・。
気がつけば持って歩くのも大変なくらいの量になってしまい、私は市場の端でどうしようか思案に暮れることになってしまったのだ。
「うーん・・・買い過ぎたかも・・・。」
山盛りのバスケットを眺めていた私は、家まで1時間以上かけて帰ることを覚悟していた。
牛乳を買ったことから重たいのは仕方ないことなのだ。
「レイタさんにパンをいっぱい買ってもらうことにして、がんばりますか。」
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