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病気。
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ほたるside・・・
目が覚めた私は、薬も十分に回って、すっかり回復していた。
ほたる「んー、よく寝た・・・って、弓弦さん?」
弓弦「・・・zzz。」
私の隣で、椅子に座ったまま器用に寝てる。
私は覗き込むようにして、弓弦さんを見た。
ほたる「目を閉じてても二重なのがわかるってすごい。」
切れ長の目。
下を向いてるのにシャープな顎のラインがはっきり見える。
じーっと見つめていると、弓弦さんが目を覚ました。
弓弦「んー・・・あ、ほたるちゃん、目が覚めた?」
ほたる「はい。ずっと横で寝てたんですか?」
弓弦「うん、そう。」
大きなあくびをしながら伸びをしてる。
ほたる「すみません・・・。」
弓弦「え?あぁ、大丈夫。こんなの日常茶飯事だから。それより体調はどう?」
ほたる「もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました。」
弓弦「ならよかった。家まで送るよ。」
ほたる「いえっ。そんなわけにはいきませんっ。一人で帰れますから・・・。」
弓弦「俺が送りたいの。ほらいくよ?鞄持つから。」
そういって弓弦さんは私の鞄を持ち上げた。
ほたる「やっ、鞄ぐらい自分で・・・」
弓弦「俺が持ちたいの。」
私の鞄を持って部屋を出ていった弓弦さん。
仕方なく、私は弓弦さんを追いかけるようにして部屋をでた。
ーーーーーーーーーー
弓弦「家、どっち?」
消防署をでてすぐ、弓弦さんが立ち止まって私に聞いてきた。
ほたる「あの・・ほんとに一人で帰れるんですけど・・・てか、一人で帰りたい・・・。」
弓弦「・・・困らせたくてやってるわけじゃないんだけどな。」
私の我がままで弓弦さんが困りだした。
ほたる「~~~っ。・・・こっちです。」
弓弦「・・・俺の勝ちだね。」
ほたる「・・・私の負けですね。」
弓弦「ほんとに元気になったみたいでよかったよ。」
心配してもらって申し訳ない・・・。
ほたる「普段は大丈夫ですからね?走れますし、泳げますし。」
弓弦「あ、そうなんだ。」
ほたる「昨日のは・・・滅多にないミスです。ほんとにすみませんでした。」
普段、誰かと一緒に時間を過ごすなんてないから飲み忘れはないのに・・・昨日は楽しくてつい忘れてしまった。
深く反省してる私に、弓弦さんは聞いてくる。
弓弦「・・・もう一回聞いていい?」
ほたる「何をですか?」
弓弦「・・何の薬?」
心配もかけてしまったし、昨日は助けてももらった。
ここまで関わってもらった以上、言うしかなくなってしまった。
ほたる「ちょっと体の中の、血液の成分が足りなくて・・・。」
弓弦「あの薬で補えるの?」
ほたる「はい。一日3回飲めば。」
弓弦「へぇー、飲み忘れたら?」
ほたる「死にはしないんですけど・・・前は時間を忘れることが多くてよく倒れてました。病院で点滴で補充してもらって・・・目が覚めるんです。」
弓弦「そっか・・・。」
ほたる「その点滴がどうしても嫌で・・・それから薬の飲み忘れは無かったのに・・・昨日はつい・・・。」
弓弦「楽しかったならよかったけど、次からは言ってよ?俺らがちゃんと伝えるから。」
ほたる「いや・・・めんどくさいですよね、こんな人間。」
友達と遊ぶのに夢中になったときに倒れたことがある。
その時、めんどくさがられて、友達がいなくなった。
そりゃそうだ。
いつ倒れるかわからない人間と一緒にいるとか不安でしかたないよね。
ちょっと前のことを思い出していると、弓弦さんが言い放った。
弓弦「え?俺ならちゃんと薬飲むように時間を伝えるけど?」
ほたる「・・・え?」
弓弦「薬飲んだら大丈夫なんでしょ?なら教えてあげればいいじゃん。」
ほたる「でも・・・」
弓弦「だから、俺と友達ね。俺はそんなことで友達を辞めたりしないから。」
弓弦さんは私と友達になってくれるって言ってくれた。
それはとても・・・うれしかった。
ほたる「ありがとう・・・ございます。」
弓弦「よし。・・・今日は?予定ある?」
ほたる「ないです。行きたいとこに行こうかどうか悩んでたくらいで。」
弓弦「じゃあ、そこに一緒に行こうか。」
ほたる「へ!?」
弓弦「決まりね。俺も一回家で着替えてくるし。ここまで迎えに行くから用意しといてね。」
ほたる「えっ・・いや・・その・・・。」
歩きながらもどんどん話が進んでいく。あっという間に家に着き、私は足を止めた。
弓弦「ここ?」
ほたる「はい。このアパートです・・・。」
弓弦「部屋番号は?」
ほたる「101・・・。」
弓弦「わかった。じゃあ、あとでね。」
そういって弓弦さんは帰っていった。
家のカギを開けて、部屋に入った私。
とりあえず着替えながら自分の状況を整理した。
ほたる「私・・・弓弦さんと出かけるの?」
それも私が今日行こうか悩んでたところ・・・。
ほたる「あんなとこ、弓弦さんといって大丈夫なんだろうか。」
不安になりながらも朝の薬を飲んで、私は支度を整えた。
1時間後・・・
ピンポーン・・・
目が覚めた私は、薬も十分に回って、すっかり回復していた。
ほたる「んー、よく寝た・・・って、弓弦さん?」
弓弦「・・・zzz。」
私の隣で、椅子に座ったまま器用に寝てる。
私は覗き込むようにして、弓弦さんを見た。
ほたる「目を閉じてても二重なのがわかるってすごい。」
切れ長の目。
下を向いてるのにシャープな顎のラインがはっきり見える。
じーっと見つめていると、弓弦さんが目を覚ました。
弓弦「んー・・・あ、ほたるちゃん、目が覚めた?」
ほたる「はい。ずっと横で寝てたんですか?」
弓弦「うん、そう。」
大きなあくびをしながら伸びをしてる。
ほたる「すみません・・・。」
弓弦「え?あぁ、大丈夫。こんなの日常茶飯事だから。それより体調はどう?」
ほたる「もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました。」
弓弦「ならよかった。家まで送るよ。」
ほたる「いえっ。そんなわけにはいきませんっ。一人で帰れますから・・・。」
弓弦「俺が送りたいの。ほらいくよ?鞄持つから。」
そういって弓弦さんは私の鞄を持ち上げた。
ほたる「やっ、鞄ぐらい自分で・・・」
弓弦「俺が持ちたいの。」
私の鞄を持って部屋を出ていった弓弦さん。
仕方なく、私は弓弦さんを追いかけるようにして部屋をでた。
ーーーーーーーーーー
弓弦「家、どっち?」
消防署をでてすぐ、弓弦さんが立ち止まって私に聞いてきた。
ほたる「あの・・ほんとに一人で帰れるんですけど・・・てか、一人で帰りたい・・・。」
弓弦「・・・困らせたくてやってるわけじゃないんだけどな。」
私の我がままで弓弦さんが困りだした。
ほたる「~~~っ。・・・こっちです。」
弓弦「・・・俺の勝ちだね。」
ほたる「・・・私の負けですね。」
弓弦「ほんとに元気になったみたいでよかったよ。」
心配してもらって申し訳ない・・・。
ほたる「普段は大丈夫ですからね?走れますし、泳げますし。」
弓弦「あ、そうなんだ。」
ほたる「昨日のは・・・滅多にないミスです。ほんとにすみませんでした。」
普段、誰かと一緒に時間を過ごすなんてないから飲み忘れはないのに・・・昨日は楽しくてつい忘れてしまった。
深く反省してる私に、弓弦さんは聞いてくる。
弓弦「・・・もう一回聞いていい?」
ほたる「何をですか?」
弓弦「・・何の薬?」
心配もかけてしまったし、昨日は助けてももらった。
ここまで関わってもらった以上、言うしかなくなってしまった。
ほたる「ちょっと体の中の、血液の成分が足りなくて・・・。」
弓弦「あの薬で補えるの?」
ほたる「はい。一日3回飲めば。」
弓弦「へぇー、飲み忘れたら?」
ほたる「死にはしないんですけど・・・前は時間を忘れることが多くてよく倒れてました。病院で点滴で補充してもらって・・・目が覚めるんです。」
弓弦「そっか・・・。」
ほたる「その点滴がどうしても嫌で・・・それから薬の飲み忘れは無かったのに・・・昨日はつい・・・。」
弓弦「楽しかったならよかったけど、次からは言ってよ?俺らがちゃんと伝えるから。」
ほたる「いや・・・めんどくさいですよね、こんな人間。」
友達と遊ぶのに夢中になったときに倒れたことがある。
その時、めんどくさがられて、友達がいなくなった。
そりゃそうだ。
いつ倒れるかわからない人間と一緒にいるとか不安でしかたないよね。
ちょっと前のことを思い出していると、弓弦さんが言い放った。
弓弦「え?俺ならちゃんと薬飲むように時間を伝えるけど?」
ほたる「・・・え?」
弓弦「薬飲んだら大丈夫なんでしょ?なら教えてあげればいいじゃん。」
ほたる「でも・・・」
弓弦「だから、俺と友達ね。俺はそんなことで友達を辞めたりしないから。」
弓弦さんは私と友達になってくれるって言ってくれた。
それはとても・・・うれしかった。
ほたる「ありがとう・・・ございます。」
弓弦「よし。・・・今日は?予定ある?」
ほたる「ないです。行きたいとこに行こうかどうか悩んでたくらいで。」
弓弦「じゃあ、そこに一緒に行こうか。」
ほたる「へ!?」
弓弦「決まりね。俺も一回家で着替えてくるし。ここまで迎えに行くから用意しといてね。」
ほたる「えっ・・いや・・その・・・。」
歩きながらもどんどん話が進んでいく。あっという間に家に着き、私は足を止めた。
弓弦「ここ?」
ほたる「はい。このアパートです・・・。」
弓弦「部屋番号は?」
ほたる「101・・・。」
弓弦「わかった。じゃあ、あとでね。」
そういって弓弦さんは帰っていった。
家のカギを開けて、部屋に入った私。
とりあえず着替えながら自分の状況を整理した。
ほたる「私・・・弓弦さんと出かけるの?」
それも私が今日行こうか悩んでたところ・・・。
ほたる「あんなとこ、弓弦さんといって大丈夫なんだろうか。」
不安になりながらも朝の薬を飲んで、私は支度を整えた。
1時間後・・・
ピンポーン・・・
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