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学会。

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教授にURLを見せてもらい、ケータイに打ち込む。



千秋「(英語)k・・a・・n・・a・・・・・・」




打ち込んでると教授がこそっと耳打ちしてきた。



教授「(英語)千秋に声をかけた本題だけど・・・キミに戻ってきてもらう話が出そうだ。」

千秋「・・・え!?」

教授「(英語)そのうち、正式な書面が行くだろう。」

千秋「(英語)・・・『決定』・・・ですか?」



教授は辺りを見回しながら言う。



教授「(英語)・・・『決定』だ。」

千秋「(英語)・・・救命は嫌ですよ?奥さんとの時間を大切にしたいんで。」

教授「(英語)ちゃんと毎日帰れたら・・・いいんだな?」

千秋「(英語)奥さんに相談しないとなんとも言えませんが・・・まぁ、第一条件ですね。」





URLを打ち込み終わった俺は、教授にケータイを返した。




教授「(英語)・・・わかった。奥さんと話をしといてくれ。」




そう言って教授は去っていった。



千秋「まじかよ・・・『決定』かよ・・・。」



こっちに戻ってきて1年くらいだ。

また戻るのは構わないけど・・・

かざねがいる。

まだリハビリも始めたとこだし・・・編曲の仕事だってある。



千秋「はぁ・・・かざねになんて言おう・・・。」




俺は頭を抱えながら帰路についた・・・。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





帰宅後・・・




千秋「ただいまー。」




家のなかに入ると、かざねが廊下を走って俺を迎えに来た。




かざね「おかえりっ。」

千秋「珍しいな。ケータイで遊んでないのか?」



ここ最近はケータイに夢中で、俺がいないときはずっとケータイを触ってるって言ってたかざね。



かざね「うん。・・・あ、ごはんあっためるから待ってて?」

千秋「ん。」



締めてたネクタイを外しながら・・・なんてかざねに言うか考える。



千秋(また・・海外に戻ることになりそうだっていうのがいいのか?)



でもそれは俺の都合だ。




千秋(かざねと離れて暮らす・・・?)



仕事のことを考えるとそれがいいかもしれない。

言葉も分からないようなところでの生活。

それに加えてリハビリもある。

色々とかざねのことを考えたら残すのが一番だ。




千秋(・・・どっちにしてもかざねに決めてもらうしかないか。)




そんなことを考えてると、かざねが温めたご飯をテーブルに並べ始めた。




かざね「できたよー。」

千秋「さんきゅ。・・・かざねはもう食べた?」

かざね「うん。遅くなるって言ってたし。」

千秋「話があるから・・・ちょっと座って。」

かざね「?・・・うん。」




ダイニングの椅子に座ってもらう。

俺の目の前にはご飯があるけど・・・先に話だ。




千秋「今日の学会でさ・・・向こうに戻る話が出た。」

かざね「向こうって・・・・・。」

千秋「海外の・・・病院。」

かざね「それって・・・。」

千秋「一緒に・・・海外に行くか、ここに残るか・・・ちょっと考えてみてくれないか?」



かざねは俯き、すこしの間黙り込んだ。

俺は箸を手に取り、ご飯を食べ始める。



千秋「いただきます。」




一口・・また一口とご飯を食べ進めてると、かざねが俺に聞いてきた。



かざね「ここに・・・残るって言ったらどうなるの?ちーちゃんも残る?」

千秋「・・・・俺は・・残れない。正式な書面が来たら・・・断れない。」

かざね「離れ離れになるってこと?」

千秋「・・・・そうなる。」



かざねは席を立ち、リビングに置いてあるケータイを手にした。

そのとき思い出した『ピアノの動画』。




千秋「あ、話は変わるんだけどさ、今日教授に面白いの教えてもらったんだよ。」



俺もケータイを取り出した。

教授に教えてもらった動画を再生する。




千秋「『KANA』って名前の人が昨日、動画配信したらしいんだけど、世界で話題になってるんだってさ。」

かざね「へぇー・・・どんな動画?」

千秋「ピアノだったんだよ。かざねが好きそうだからURL聞いてきた。」

かざね「聞きたいっ。」





ピッ・・・




♪~♫♪~・・



千秋「どう?好きじゃない?」




かざねの反応が見たくて、顔を見る。




千秋「・・・・どうした?」



かざねは目を見開いて動画を見つめていた。

ただ、青い画面があるだけの動画を。




かざね「『KANA』?・・・って名前の人?」

千秋「うん。教授はそう言ってたけど?」




かざねは動画を見るのをやめて、自分のケータイを触りだした。

いくつかタップを繰り返した後、俺にケータイの画面を見せてきた。

画面に映ってるのは・・・再生準備が整った何かだ。



千秋「?」

かざね「押すよ?」

千秋「あぁ。」




ピッ・・・




♪~♫♪~・・




千秋「・・・・え?」










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