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抜糸。

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ちーちゃんが私のために選んでくれたブルーダイヤモンド。

きっと・・・これからのことを考えて選んでくれたに違いない。




かざね「へへっ。・・・ありがとう。」

千秋「気に入ったんならよかった。こっち・・・俺にはめてくれる?」



もう一つの指輪。

左手で取って、ちーちゃんの左手薬指にはめた。




千秋「まぁ、俺も仕事中はできないんだけどな。」

かざね「そうだね。」

千秋「・・・ほら、寝るぞ。」



ちーちゃんに体を倒され、布団をかけられた。

私の左側に横になるちーちゃん。

布団の中で手を繋いできた。



かざね「?」

千秋「ほっそい手だな。」

かざね「ちーちゃんはごつごつしてる。・・好きだよ?この手。」




あまり手入れのされてない手。

爪が短くて・・・仕事のことを考えてる手だ。



千秋「抜糸が終わったらこの手で啼かせてやるよ。」

かざね「!?・・・そういう意味で言ったんじゃないのにー・・。」




にこにこ笑うちーちゃん。

早く抜糸してほしい気持ちと、ちーちゃんに襲われる期待感が入り混じりながら私は2週間の時間を過ごすことになった・・・。







ーーーーーーーーーーーーーーーー





2週間後・・・





千秋「よし、抜糸終了な。」



診察室で、ぷちぷちと切られ私の手から抜かれていった糸。

4センチくらいの傷が痛々しく見える。



かざね「あと2週間で動かせれるんだよね?」

千秋「あぁ。でも筋力も落ちてるから少しずつになるけどな。」

かざね「そっか。」



抜糸も終わったことだし、家に帰ろうと私は診察室の椅子から立ち上がった。



千秋「まっすぐ帰るのか?」

かざね「うん。」

千秋「・・・ケータイで遊ぶのか?」

かざね「うんっ。」

千秋「ふーん・・・。」




まだ仕事があるちーちゃんを置いて、私は先に家に帰った。

ピアノのアプリを立ち上げる。



かざね「まだそんなに進んでないけど・・・。」



私はイヤホンをつけて、夢中でケータイを触った。






ーーーーーーーーーーーーーーーー





千秋side・・・




最近かざねがケータイとばっかり遊んでて、俺がつまらない。



千秋「まぁ、手が使えないから仕方ないけど・・・。」



でも今日は抜糸もした。

もう・・・襲える。



千秋「手に負担をかけないようにするにはどうすっかなー・・。」




そんなことを考えながら1日過ごした。






ーーーーーーーーーーーー





千秋「ただいまー・・・。」




家に帰ってきたのにかざねの返事がない。

きっとまたイヤホンをつけてケータイを触ってるに違いない。



そう思いながらリビングに入ろうと、ドアに手をかけた。




♪~♫♪♪~・・♫♪ー・・



千秋「・・・え!?」



聞こえてきたピアノの音。



俺はドアを開けて思わず叫んだ。



千秋「かざね!?手は使っちゃダメって言っただろ!?」

かざね「え?・・・使ってないよ?」



リビングのソファーから、きょとんとした顔で振り返ったかざね。



千秋「・・・あ、うち、ピアノなかった。」


そもそもなことを思い出し、かざねに近寄る。

俺が近づいたことで、かざねはケータイのゲームを切った。



かざね「おかえり。ご飯、温めるね?」





キッチンに行き、俺のご飯の用意をするかざね。

ケータイが気になりながらもご飯を頂き、俺たちはベッドに入った。




千秋「・・・なぁ、かざね?」






気になることは聞こうと思い、俺はかざねに話しかけた。




かざね「・・・zzz。」




もうすでに眠ってしまっていたかざね。

今日は抜糸もしたし疲れたのかもしれない。




千秋「寝たのか。」





俺は布団をかけ、かざねの頭を撫でた。

ふと枕もとを見ると・・・かざねの横にケータイが落ちてることに気がついた。



千秋「・・・見ちゃだめだよな。」



人のケータイは黙って見るもんじゃない。

お互いに嫌な気持ちになるし・・・。



千秋「でも気になる・・・。なんのゲームをしてるのかだけでも知りたい。」



気になった俺は・・・かざねを起こした。









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