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異変4。
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千秋「かざね、これ飲みな。」
錠剤を渡そうとしたけど、かざねは自分の左手で右の手首を押さえてるもんだから受け取れなかった。
千秋「・・・口開けろ。」
かざね「痛い・・・。」
千秋「分かってる。痛み止めだから。」
かざねの口に薬を放り込み、水を飲ませる。
千秋「飲めた?」
かざね「うん・・・。」
千秋「このまま病院行くぞ。ちゃんとした検査しないとわからないし。」
かざね「はい・・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
病院に着く頃には痛み止めも効いてきて、かざねは自分の手を眺めていた。
千秋「どう?」
かざね「この指・・・3本くらいがずっとしびれてる。」
千秋「まぁ・・・間違いなさそうだな。」
かざね「?」
千秋「手根管症候群。手首を使いすぎる人に発症することがある。」
かざね「しゅ・・・?」
千秋「しゅ・こん・かん・症候群な。薬で治まればいいけど・・・。」
症状が進行してたら手術をしないといけない。
そうなるとかざねは・・・今みたいにピアノは弾けなくなる。
千秋「病院、着くぞ。」
見えてきた病院。
職員用の駐車場にとめて、裏から入った。
千秋「レントゲン、オーダーするから撮って来い。写真が上がってくるまでにいろいろ調べたいことあるからすぐに戻って来いよ?」
かざね「はい・・・。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かざねside・・・
ちーちゃんに渡された『レントゲンの予約紙』。
それを持ってレントゲンの部屋に向かう途中、私はケータイで調べものをした。
かざね「えっと・・・『しゅ・・こん・・かん・・症候群』。」
その病名は検索をかけるとすぐにヒットした。
かざね「小さいものをつまめなくなる・・・?あ、お金拾えなかった。」
症状の例は、どれも私に当てはまるものばかり。
ちーちゃんの言った通り、この病名で間違いなさそうだった。
かざね「腱鞘炎じゃなかったんだ。」
治療法を見るために画面をスクロールしながら見ていく。
かざね「投薬・・・注射・・・?」
いくつか紹介されている治療法。
スクロールしていくと見えてきたのは・・・『手術』の文字。
かざね「手術・・・。」
症状が悪くなったら手術をした方がいいって書いてある。
簡単な手術で、30分くらいで終わるって書いてあるけど・・・。
かざね「『術後、指の可動域が狭く・・なる』・・・?」
リハビリを積み重ねても、元通りに動くことは・・・なさそうな内容が書かれていた。。
かざね「ピアノ・・・弾けなくなる・・・の?」
頭の中がパニックになりながら
辿り着いた『レントゲン室』。
私はすぐに名前を呼ばれ、写真を撮った。
ーーーーーーーーーーーー
技師「お疲れさまでしたー。このあと診察室に戻ってくださいね。」
何枚か手の写真を撮り、診察室に戻るように言われた私。
かざね「あの・・・。」
技師「うん?」
かざね「しゅこんかん・・症候群って知ってますか?」
指を擦りながら聞いてみた。
技師「あぁ。女の人がなりやすいやつだね。」
かざね「小さなものが摘まめなくなったり・・・?」
技師「そこまでいくと手術ってよく聞くけど・・・。」
かざね「え・・・?」
技師「まぁ、手術しても普通の生活を送る分には支障はないって話だよ。しびれや痛みは少し残るみたいだけど。」
かざね「そう・・なんですか・・・。」
レントゲン室を出た私は、とぼとぼと歩き始めた。
かざね(もう弾けなくなるんだ。)
弾けなくなったらどうなるのか・・・
収入は?
音楽団は?
かざね(どうしよう・・・。)
ぼーっとしながら歩く私。
無意識に歩く先は診察室じゃなくて・・・病院の外だった。
錠剤を渡そうとしたけど、かざねは自分の左手で右の手首を押さえてるもんだから受け取れなかった。
千秋「・・・口開けろ。」
かざね「痛い・・・。」
千秋「分かってる。痛み止めだから。」
かざねの口に薬を放り込み、水を飲ませる。
千秋「飲めた?」
かざね「うん・・・。」
千秋「このまま病院行くぞ。ちゃんとした検査しないとわからないし。」
かざね「はい・・・。」
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病院に着く頃には痛み止めも効いてきて、かざねは自分の手を眺めていた。
千秋「どう?」
かざね「この指・・・3本くらいがずっとしびれてる。」
千秋「まぁ・・・間違いなさそうだな。」
かざね「?」
千秋「手根管症候群。手首を使いすぎる人に発症することがある。」
かざね「しゅ・・・?」
千秋「しゅ・こん・かん・症候群な。薬で治まればいいけど・・・。」
症状が進行してたら手術をしないといけない。
そうなるとかざねは・・・今みたいにピアノは弾けなくなる。
千秋「病院、着くぞ。」
見えてきた病院。
職員用の駐車場にとめて、裏から入った。
千秋「レントゲン、オーダーするから撮って来い。写真が上がってくるまでにいろいろ調べたいことあるからすぐに戻って来いよ?」
かざね「はい・・・。」
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かざねside・・・
ちーちゃんに渡された『レントゲンの予約紙』。
それを持ってレントゲンの部屋に向かう途中、私はケータイで調べものをした。
かざね「えっと・・・『しゅ・・こん・・かん・・症候群』。」
その病名は検索をかけるとすぐにヒットした。
かざね「小さいものをつまめなくなる・・・?あ、お金拾えなかった。」
症状の例は、どれも私に当てはまるものばかり。
ちーちゃんの言った通り、この病名で間違いなさそうだった。
かざね「腱鞘炎じゃなかったんだ。」
治療法を見るために画面をスクロールしながら見ていく。
かざね「投薬・・・注射・・・?」
いくつか紹介されている治療法。
スクロールしていくと見えてきたのは・・・『手術』の文字。
かざね「手術・・・。」
症状が悪くなったら手術をした方がいいって書いてある。
簡単な手術で、30分くらいで終わるって書いてあるけど・・・。
かざね「『術後、指の可動域が狭く・・なる』・・・?」
リハビリを積み重ねても、元通りに動くことは・・・なさそうな内容が書かれていた。。
かざね「ピアノ・・・弾けなくなる・・・の?」
頭の中がパニックになりながら
辿り着いた『レントゲン室』。
私はすぐに名前を呼ばれ、写真を撮った。
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技師「お疲れさまでしたー。このあと診察室に戻ってくださいね。」
何枚か手の写真を撮り、診察室に戻るように言われた私。
かざね「あの・・・。」
技師「うん?」
かざね「しゅこんかん・・症候群って知ってますか?」
指を擦りながら聞いてみた。
技師「あぁ。女の人がなりやすいやつだね。」
かざね「小さなものが摘まめなくなったり・・・?」
技師「そこまでいくと手術ってよく聞くけど・・・。」
かざね「え・・・?」
技師「まぁ、手術しても普通の生活を送る分には支障はないって話だよ。しびれや痛みは少し残るみたいだけど。」
かざね「そう・・なんですか・・・。」
レントゲン室を出た私は、とぼとぼと歩き始めた。
かざね(もう弾けなくなるんだ。)
弾けなくなったらどうなるのか・・・
収入は?
音楽団は?
かざね(どうしよう・・・。)
ぼーっとしながら歩く私。
無意識に歩く先は診察室じゃなくて・・・病院の外だった。
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