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倒れたかざね。
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若そうな看護師さんが裏から入ってきた。
かざね「・・・・え?」
千秋「まだ診察中だ。」
看護師「あ、ごめんなさーい。」
すぐに出ていった看護師さん。
仲良さげな言い方だったことが気になって、私はちーちゃんに聞いた。
かざね「・・・ちーちゃんの彼女?」
なぜか胸がどくどくと嫌な音を立て始める。
千秋「・・・・どうかな。」
かざね「--っ!!・・・帰る。」
私は体温計を取り出してちーちゃんの机の上に置いた。
千秋「・・・かざね?」
かざね「診ていただいてありがとうございました。」
頭を下げて、私は診察室を出た。
ーーーーーーーーーーーーーーー
千秋side・・・
かざねが診察室から出ていった。
千秋「なんだ?一体・・・。」
わけがわからず、かざねが置いた体温計を手に取った。
千秋「!!・・・38度。やっぱり熱あんじゃんか。」
あとで様子を見に行くことにして俺は午後の診察の準備を始めた。
その時入ってきた看護師。
さっきの看護師だ。
看護師「千秋せんせ?」
千秋「はぁ・・・行きませんよ。」
看護師「どうしてですかー?彼女、いないんですよね?」
千秋「彼女はいないけど、俺にも選ぶ権利はある。キミは選ばない。」
看護師「えー・・・じゃあ、また誘いますねー?」
日本語が通じないんだろうか・・・。
出ていった看護師を唖然と見つめた。
千秋「英語のほうが通じたか・・?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
かざねside・・・
病院を出た私はとぼとぼと歩きながら考え事をしていた。
かざね(ちーちゃん・・・彼女・・・。)
頭の中ではわかってる。
ちーちゃんはいつか結婚する。
ちゃんと理解してるハズなのに、胸の辺りが苦しい。
かざね(・・・風邪引いてるからだね。うん。)
自分に言い聞かせて私は家に帰り、曲を仕上げた。
さっさと出したかった私はそのまま楽譜屋さんに持ち込みに向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
かざね「曲・・・上がりました・・・。」
いつもの店員さんに楽譜を渡すと、驚いた顔で私を見ていた。
店員「もう!?・・・ってか顔色悪いよ!?」
かざね「ちょっと風邪気味で・・・。」
店員「あー・・待ってて?すぐに報酬持ってくるから・・・!」
店員さんは奥に行き、封筒を持って戻ってきた。
店員「はい、これ。」
かざね「ありがとうございますー・・・。」
店員「早く帰って寝なよ?必要なら病院も・・・。」
かざね「はーい、ありがとうございます。」
私は報酬を受け取り、足取り重く家に向かって歩いた。
だんだん歩くのもキツくなってくるけど、家までは何とか耐える。
そう思いながら一歩一歩足を進めた。
ーーーーーーーーーーーーーー
かざね「つ・・ついた・・・。」
ドアを開け、部屋に入った私はそのまま床に倒れるようにして横になった。
本当ならベッドで寝たいところだけど、ちょっと寝てから・・・。
そう思って目を閉じた。
鍵をかけるのを忘れて・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーー
千秋side・・・
仕事が終わった俺はかざねに電話をかけた。
でも・・・
千秋「出ないんだよな・・・。」
さっき38度の熱があった。
心配になってきた俺は車をかざねのアパートに向かって走らせた。
アパートの前に車を止め、かざねの部屋に向かう。
101号室の部屋を見ると・・・電気がついてなかった。
千秋「まだ・・帰ってない・・?」
俺はもう一度かざねのケータイに電話をかけた。
ピピピッ・・・ピピピッ・・・・
千秋「・・・え?中から音がする?」
ドアに耳をあててきく。
確かに部屋の中からケータイの音が聞こえてきてた。
千秋「中にいる?」
俺はドアノブに手をかけた。
がちゃっと回すと・・・・ドアが開いた。
千秋「!!・・・かざね?」
そーっとドアを開けて中に入ると、床に足が見えた。
千秋「・・・・え?」
目線をずらして足から太もも・・胴・・背中・・頭まで見た。
床に倒れてるのは・・・かざねだ。
千秋「かざねっ!!」
全身の血の気が引いていくような感覚に襲われた。
かざねに駆け寄り、息をしてることを確認して体を起こす。
千秋「大丈夫か!?かざね!?」
かざね「・・・・・・。」
千秋「体が熱いな・・・病院に連れて行くか・・・?」
どうしようか悩みながら辺りを見ると、あるべきものがないことに気がついた。
かざねが倒れてるのは、玄関を入ってすぐにあったキッチン。
キッチンなハズなのに・・・
千秋「冷蔵庫が・・・ない?」
それどころかキッチンらしきところに食材がなにもなかった。
トースターや、レンジ、炊飯器もない。
部屋らしきところには床一面に紙が散らばってる。
どうみても・・・『楽譜』だ。
千秋「・・・収入が少ないって言ってたな。食べてないのか。」
俺はかざねを抱えて部屋を出た。
千秋「入院させても退院したあとが同じ生活なら意味ない。俺んちに連れてくか。」
かざねを車に乗せて、俺のマンションに向かった。
かざね「・・・・え?」
千秋「まだ診察中だ。」
看護師「あ、ごめんなさーい。」
すぐに出ていった看護師さん。
仲良さげな言い方だったことが気になって、私はちーちゃんに聞いた。
かざね「・・・ちーちゃんの彼女?」
なぜか胸がどくどくと嫌な音を立て始める。
千秋「・・・・どうかな。」
かざね「--っ!!・・・帰る。」
私は体温計を取り出してちーちゃんの机の上に置いた。
千秋「・・・かざね?」
かざね「診ていただいてありがとうございました。」
頭を下げて、私は診察室を出た。
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千秋side・・・
かざねが診察室から出ていった。
千秋「なんだ?一体・・・。」
わけがわからず、かざねが置いた体温計を手に取った。
千秋「!!・・・38度。やっぱり熱あんじゃんか。」
あとで様子を見に行くことにして俺は午後の診察の準備を始めた。
その時入ってきた看護師。
さっきの看護師だ。
看護師「千秋せんせ?」
千秋「はぁ・・・行きませんよ。」
看護師「どうしてですかー?彼女、いないんですよね?」
千秋「彼女はいないけど、俺にも選ぶ権利はある。キミは選ばない。」
看護師「えー・・・じゃあ、また誘いますねー?」
日本語が通じないんだろうか・・・。
出ていった看護師を唖然と見つめた。
千秋「英語のほうが通じたか・・?」
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かざねside・・・
病院を出た私はとぼとぼと歩きながら考え事をしていた。
かざね(ちーちゃん・・・彼女・・・。)
頭の中ではわかってる。
ちーちゃんはいつか結婚する。
ちゃんと理解してるハズなのに、胸の辺りが苦しい。
かざね(・・・風邪引いてるからだね。うん。)
自分に言い聞かせて私は家に帰り、曲を仕上げた。
さっさと出したかった私はそのまま楽譜屋さんに持ち込みに向かった。
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かざね「曲・・・上がりました・・・。」
いつもの店員さんに楽譜を渡すと、驚いた顔で私を見ていた。
店員「もう!?・・・ってか顔色悪いよ!?」
かざね「ちょっと風邪気味で・・・。」
店員「あー・・待ってて?すぐに報酬持ってくるから・・・!」
店員さんは奥に行き、封筒を持って戻ってきた。
店員「はい、これ。」
かざね「ありがとうございますー・・・。」
店員「早く帰って寝なよ?必要なら病院も・・・。」
かざね「はーい、ありがとうございます。」
私は報酬を受け取り、足取り重く家に向かって歩いた。
だんだん歩くのもキツくなってくるけど、家までは何とか耐える。
そう思いながら一歩一歩足を進めた。
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かざね「つ・・ついた・・・。」
ドアを開け、部屋に入った私はそのまま床に倒れるようにして横になった。
本当ならベッドで寝たいところだけど、ちょっと寝てから・・・。
そう思って目を閉じた。
鍵をかけるのを忘れて・・・。
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千秋side・・・
仕事が終わった俺はかざねに電話をかけた。
でも・・・
千秋「出ないんだよな・・・。」
さっき38度の熱があった。
心配になってきた俺は車をかざねのアパートに向かって走らせた。
アパートの前に車を止め、かざねの部屋に向かう。
101号室の部屋を見ると・・・電気がついてなかった。
千秋「まだ・・帰ってない・・?」
俺はもう一度かざねのケータイに電話をかけた。
ピピピッ・・・ピピピッ・・・・
千秋「・・・え?中から音がする?」
ドアに耳をあててきく。
確かに部屋の中からケータイの音が聞こえてきてた。
千秋「中にいる?」
俺はドアノブに手をかけた。
がちゃっと回すと・・・・ドアが開いた。
千秋「!!・・・かざね?」
そーっとドアを開けて中に入ると、床に足が見えた。
千秋「・・・・え?」
目線をずらして足から太もも・・胴・・背中・・頭まで見た。
床に倒れてるのは・・・かざねだ。
千秋「かざねっ!!」
全身の血の気が引いていくような感覚に襲われた。
かざねに駆け寄り、息をしてることを確認して体を起こす。
千秋「大丈夫か!?かざね!?」
かざね「・・・・・・。」
千秋「体が熱いな・・・病院に連れて行くか・・・?」
どうしようか悩みながら辺りを見ると、あるべきものがないことに気がついた。
かざねが倒れてるのは、玄関を入ってすぐにあったキッチン。
キッチンなハズなのに・・・
千秋「冷蔵庫が・・・ない?」
それどころかキッチンらしきところに食材がなにもなかった。
トースターや、レンジ、炊飯器もない。
部屋らしきところには床一面に紙が散らばってる。
どうみても・・・『楽譜』だ。
千秋「・・・収入が少ないって言ってたな。食べてないのか。」
俺はかざねを抱えて部屋を出た。
千秋「入院させても退院したあとが同じ生活なら意味ない。俺んちに連れてくか。」
かざねを車に乗せて、俺のマンションに向かった。
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