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かざねの仕事。
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千秋side・・・
10年ぶり・・・
偶然にもかざねと再会した。
千秋「あいつ・・すっげぇかわいくなってた・・・。」
別れたときはまだ幼かったのに・・・
肩まである真っ黒の髪の毛。
すこしふわっとしてる。
くりっくりの大きな目で俺を見て笑う姿は・・・
千秋「昔と変わんねーな。」
歳月を重ねて大人になった分厄介だ。
別れる前も好きだったかざね。
まるで10年の時間を埋めるように想いが加速してく気がする。
千秋「やばいな・・・本気になる前に・・・諦めないと。」
かざねは俺のことを『兄』としか見てない。
この先、『誰か』のものになっていくかざね。
恋心を抱いたまま、それを見るのは辛すぎる。
千秋「はぁ・・・。早く彼女作ろ・・・。」
俺は車を走らせ、帰路についた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かざねside・・・・
家に帰ってきた私は、ベッドにダイブしていた。
かざね「ちーちゃんに会うなんて・・・思いもしなかった。」
ほぼ・・・初恋の人。
引っ越したあとも忘れられずに・・・年上の人と付き合ったりもした。
でも、どの恋もうまくいかなかった。
かざね「私・・・きっとまだちーちゃんのこと好きだ。・・・困った・・・。」
ちーちゃんは私の事を『妹』としか見てない。
10年前、引っ越しの時に言われた言葉をまだ覚えてる。
ーーーーーーーー
千秋「かざね、いい人と結婚するんだぞ。」
ーーーーーーーー
かざね「もー・・どうしてくれんのよ・・ちーちゃん・・。」
私は枕に顔をうずめながら眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日・・・
夜、無事に演奏会が終了した。
私のケガを、共演者の人たちは心配してくれたけど、左足だったし、何とか演奏をすることができた。
かざね「楽譜屋さん・・・まだ開いてるかな・・・。」
昨日行こうかと思っていた楽譜屋さん。
ケガをしてしまったから行けなかったけど、また病院に行かなきゃいけないことを考えると行っておきたい。
ちらっと見た腕時計の時間は19時。
急げば間に合いそうだけど、この足じゃ無理そうだ。
かざね「諦めようかな・・・。」
そう呟いたとき、私の後ろで知った声が聞こえた。
千秋「何を諦めるんだ?」
かざね「!?」
振り返るとそこにはちーちゃんがいた。
かざね「・・・ちーちゃん!?」
千秋「仕事帰りなんだけどさ、ひょこひょこ歩くやつが見えたから車止めてきた。送ってやるよ。」
かざね「え!?いいよっ・・・大丈夫だし・・。」
千秋「ほら、行くぞー。」
かざね(聞いてないし・・・!)
私は手を引かれ、ちーちゃんと一緒に歩き始めた。
千秋「ちょっとはマシになったか?足。」
かざね「あー・・ちょっとだけね。」
千秋「ちゃんと湿布は貼れよ?」
かざね「分かってるよー。」
少し歩くと見えてきたちーちゃんの車。
私は助手席に案内された。
千秋「で?何を諦めるんだ?」
かざね「あー・・・仕事?」
千秋「仕事は諦めちゃだめだろ。」
かざね「単発の・・・バイトがあるんだけど、その仕事があるかどうか聞きに行きたかったんだけど・・・足が治ってからでいいよ。」
千秋「バイト?仕事だけじゃ収入足りないのか?」
かざね「う・・・まぁ・・・。」
ちーちゃんは車のナビを起動した。
千秋「で?どこに行くつもりだったんだ?」
かざね「え・・・?」
千秋「連れてってやるよ。どこ?」
かざね「隣町の・・・楽譜屋さん。」
千秋「おっけ。行くぞー。」
車を走らせ始めたちーちゃん。
本当に楽譜屋さんに向かってるようだ。
かざね「いや・・今度でいいんだけど・・。」
千秋「かざねの仕事、見てみたいしな。」
そう言ってると車はあっという間に楽譜屋さんについてしまった。
千秋「デカいな・・・。」
かざね「そうなの。楽譜が専門なんだけど、ピアノとか楽器も扱ってるんだよ?」
千秋「へぇー・・・。」
私たちはお店の中に入った。
壁一面にある楽譜に、ちーちゃんは目を丸くして驚いていた。
千秋「これ・・・全部楽譜・・・?」
かざね「ここはピアノだけ。上の階に他の楽器のがあるよ?」
千秋「すげーな・・・。」
手に取ってぱらぱらと楽譜を見だしたちーちゃん。
私はカウンターに行き、仕事があるかどうかを聞く。
かざね「すみませーん。」
店員「はーい。」
奥から出て来たのは見知った店員さん。
ちょっとお年を召した感じの男の人だ。
店員「あぁ、姫宮さんか。・・・仕事?」
かざね「はいっ、ありますか?」
両手を合わせて祈るようにして聞いた。
店員「あるよ。来週にあげて欲しいのがあるんだけど・・・どう?報酬弾むし。」
かざね「!!・・・します!くださいっ!」
店員「ははっ。ちょっと待っててね。」
店員さんはそう言って奥に入っていった。
千秋「?・・・なんの仕事?」
かざね「『編曲』の仕事。」
10年ぶり・・・
偶然にもかざねと再会した。
千秋「あいつ・・すっげぇかわいくなってた・・・。」
別れたときはまだ幼かったのに・・・
肩まである真っ黒の髪の毛。
すこしふわっとしてる。
くりっくりの大きな目で俺を見て笑う姿は・・・
千秋「昔と変わんねーな。」
歳月を重ねて大人になった分厄介だ。
別れる前も好きだったかざね。
まるで10年の時間を埋めるように想いが加速してく気がする。
千秋「やばいな・・・本気になる前に・・・諦めないと。」
かざねは俺のことを『兄』としか見てない。
この先、『誰か』のものになっていくかざね。
恋心を抱いたまま、それを見るのは辛すぎる。
千秋「はぁ・・・。早く彼女作ろ・・・。」
俺は車を走らせ、帰路についた。
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かざねside・・・・
家に帰ってきた私は、ベッドにダイブしていた。
かざね「ちーちゃんに会うなんて・・・思いもしなかった。」
ほぼ・・・初恋の人。
引っ越したあとも忘れられずに・・・年上の人と付き合ったりもした。
でも、どの恋もうまくいかなかった。
かざね「私・・・きっとまだちーちゃんのこと好きだ。・・・困った・・・。」
ちーちゃんは私の事を『妹』としか見てない。
10年前、引っ越しの時に言われた言葉をまだ覚えてる。
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千秋「かざね、いい人と結婚するんだぞ。」
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かざね「もー・・どうしてくれんのよ・・ちーちゃん・・。」
私は枕に顔をうずめながら眠りについた。
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翌日・・・
夜、無事に演奏会が終了した。
私のケガを、共演者の人たちは心配してくれたけど、左足だったし、何とか演奏をすることができた。
かざね「楽譜屋さん・・・まだ開いてるかな・・・。」
昨日行こうかと思っていた楽譜屋さん。
ケガをしてしまったから行けなかったけど、また病院に行かなきゃいけないことを考えると行っておきたい。
ちらっと見た腕時計の時間は19時。
急げば間に合いそうだけど、この足じゃ無理そうだ。
かざね「諦めようかな・・・。」
そう呟いたとき、私の後ろで知った声が聞こえた。
千秋「何を諦めるんだ?」
かざね「!?」
振り返るとそこにはちーちゃんがいた。
かざね「・・・ちーちゃん!?」
千秋「仕事帰りなんだけどさ、ひょこひょこ歩くやつが見えたから車止めてきた。送ってやるよ。」
かざね「え!?いいよっ・・・大丈夫だし・・。」
千秋「ほら、行くぞー。」
かざね(聞いてないし・・・!)
私は手を引かれ、ちーちゃんと一緒に歩き始めた。
千秋「ちょっとはマシになったか?足。」
かざね「あー・・ちょっとだけね。」
千秋「ちゃんと湿布は貼れよ?」
かざね「分かってるよー。」
少し歩くと見えてきたちーちゃんの車。
私は助手席に案内された。
千秋「で?何を諦めるんだ?」
かざね「あー・・・仕事?」
千秋「仕事は諦めちゃだめだろ。」
かざね「単発の・・・バイトがあるんだけど、その仕事があるかどうか聞きに行きたかったんだけど・・・足が治ってからでいいよ。」
千秋「バイト?仕事だけじゃ収入足りないのか?」
かざね「う・・・まぁ・・・。」
ちーちゃんは車のナビを起動した。
千秋「で?どこに行くつもりだったんだ?」
かざね「え・・・?」
千秋「連れてってやるよ。どこ?」
かざね「隣町の・・・楽譜屋さん。」
千秋「おっけ。行くぞー。」
車を走らせ始めたちーちゃん。
本当に楽譜屋さんに向かってるようだ。
かざね「いや・・今度でいいんだけど・・。」
千秋「かざねの仕事、見てみたいしな。」
そう言ってると車はあっという間に楽譜屋さんについてしまった。
千秋「デカいな・・・。」
かざね「そうなの。楽譜が専門なんだけど、ピアノとか楽器も扱ってるんだよ?」
千秋「へぇー・・・。」
私たちはお店の中に入った。
壁一面にある楽譜に、ちーちゃんは目を丸くして驚いていた。
千秋「これ・・・全部楽譜・・・?」
かざね「ここはピアノだけ。上の階に他の楽器のがあるよ?」
千秋「すげーな・・・。」
手に取ってぱらぱらと楽譜を見だしたちーちゃん。
私はカウンターに行き、仕事があるかどうかを聞く。
かざね「すみませーん。」
店員「はーい。」
奥から出て来たのは見知った店員さん。
ちょっとお年を召した感じの男の人だ。
店員「あぁ、姫宮さんか。・・・仕事?」
かざね「はいっ、ありますか?」
両手を合わせて祈るようにして聞いた。
店員「あるよ。来週にあげて欲しいのがあるんだけど・・・どう?報酬弾むし。」
かざね「!!・・・します!くださいっ!」
店員「ははっ。ちょっと待っててね。」
店員さんはそう言って奥に入っていった。
千秋「?・・・なんの仕事?」
かざね「『編曲』の仕事。」
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