私が橋渡し役!?時代を逆行した世界でそんな大役できません・・!?

すずなり。

文字の大きさ
上 下
26 / 33

ロディと町人とベンさん。

しおりを挟む
カイル「もちろんだとも!!」




町人は女の人で・・・おずおずと広場の台に近づいていき、その上に上がっていった。

カイルさまに抱かれてるロディに手をゆっくりと差し出して・・・触ろうとしてる。

その様子を他の町人たちは固唾を飲んで見ていた。




ロディ「初めましテ。ロディでス。」

町人「!!・・・やだかわいい・・。」



女の町人は差し出した手をロディの頭の上に乗せた。

そのまま『いい子いい子』と撫でていく。



ロディ「・・・ふフ。」




気持ちよさそうに撫でられてるロディを見た他の町人たちが次々と手を上げ始めた。




町人「俺も触りたい!!」

町人「私も・・・!!」




悲惨な事件から数えれないくらいの年月が経ってるからか、町人たちの反応は思ったより酷くなかった。

悲惨な事件は悲惨な事件として語り継がれてはいたけど・・・各個人個人ではそんなに恨みはないようだ。

それはロディが愛くるしい表情を見せたからかもしれないけど。





リズ「よかった・・・。」

ゼオン「ほんとに・・・。」




いつの間にか私の隣に立っていたゼオンさんがほっと溜息をもらしたのを私は聞き逃さなかった。

あれだけロディのことを嫌っていたゼオンさんだけど、最近はロディと一緒に仕事をすることもあるみたいで・・・ゼオンさんのロディに対する考え方が変わってきたようだった。




リズ「・・・ふふ。」

ゼオン「・・・なんですか、リズ。」

リズ「いえ、なんでもないですよ?」





町の人たちは順番に並んでロディを触っていく。

まず最初の課題はクリアできたといってもいいと思えた。

次は・・・他のロボットを機械の国から連れてくることが課題だ。





リズ「頑張らなきゃ!」






ーーーーーーーーーー








ーーーーーー








ーーーー








ロディが城下町に行ってから1週間が経った。

私とロディは機械の国に行ったり、城下町に行ったり・・毎日忙しく過ごしていた。


あれから私とロディは毎日城下町に出向いていた。


ロディのことを・・ロボットのことをもっと知ってもらうために。




町人「ロディはどんなことができるの?」

リズ「ロディは基本的に世話焼きロボットなんで・・専門的なこと以外はほとんどできますよ。」

町人「よしロディ、この果物と野菜を一つずつ買ったらいくらだ?」

ロディ「490!!」

町人「すげ・・・賢い・・・。」





いい感じに仲良くなっていってる町人たちとロディ。

私は他のロボットたちが何ができるのかとか、機械の国はどんなだとかを話すのが仕事になりつつあった。




町人「あんたは機械の国に行ったことあるのかい?」

リズ「ありますよ?」

町人「ロディちゃんみたいなかわいい子がいっぱい?」

リズ「うーん・・・それはロボットによりけりで・・・大きさも人間以上のロボットもいればロディよりも小さい子もいますし・・・」

町人「へぇー!どのロボットもみんなその・・・乱暴じゃあない?」

リズ「はいっ。そこは私が保証します!」




みんなロディに興味があるのか、代わり交代に見に来てる。

語り継がれて来たものがあるからか、不安に思ってる部分もあるみたいだけど、それは私やロディに聞いて解消していってくれた。






リズ(驚いたのは・・・『見慣れないもの』だったのかもしれない・・・。)







リズ「よかったね、ロディ。」

ロディ「うン!」





あとは機械の国と人間の国を自由に行き来できるように話を詰めて行けば大丈夫。

そう思いながらロディの頭を撫でた時、ふと・・・誰かの視線を感じた。




リズ「?」




私は辺りを見回すように、その場で一周回った。

すると・・・少し遠くの茂みに知った人の姿を見つけたのだ。

あれは・・・ベンさんだ。




リズ「・・・なにか用かな・・。」



私たちに話しかけてくるどころか、町の人にも話しかけようとしないベンさん。

ただただ茂みからじーっと見ていた。




リズ「・・・ロディを・・見てる・・・?」





ベンさんの視線はロディに向いてるように感じた。

その視線は『興味がある』というより・・・『獲物を狙ってる』ような気配を感じる。



リズ「なんだろ・・・。」






ベンさんのことをよく知らない私は視線に疑問を抱いた。

この国の人たちはみんな気になったことはストレートに聞いてくる人が多い。

それは初めてゼオンさんやルカさん、カイルさまに出会ってから感じていたことだった。


彼らは得体のしれない私に手を差しのべてくれ、知らないことはバカにせず教えてくれた。

聞いたことは全部根気よく教えてくれ、できたことは褒めてくれる。


こんな環境下なら疑問に思ったことをすぐに聞く子どもが多そうだ。





リズ「なのに・・・見てるだけって・・・。」




そう思っていた時、ベンさんは踵を返してどこかに行ってしまった。

私はその後姿を見ていた。




リズ「・・・・。」

ルカ「?・・・どうした?リズ。」

リズ「わっ・・・あ、ルカさん・・・。」





いつの間にか私とロディの間に立っていたルカさん。

私はちょうどよかったと言わんばかりにルカさんに聞いてみることにした。




リズ「ルカさん、ベンさんって・・・どんな人なんですか?」

ルカ「ベン?なんでベン?」

リズ「あ・・・なんかちょっと謎な人かなって思って・・・・。」




そう聞くとルカさんは右手を自分の顎にあてて少し悩み始めた。

数秒悩んだのち・・・ちらっと私を見て言った。




ルカ「あいつは・・・・・・・」















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている

ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

死が二人を別こうとも。

すずなり。
恋愛
同じクラスに気になる女の子がいる。かわいくて・・・賢くて・・・みんなの人気者だ。『誰があいつと付き合うんだろうな』・・・そんな話が男どもの間でされてる中、俺は・・・彼女の秘密を知ってしまう。 秋臣「・・・好きだ!」 りら「!!・・・ごめんね。」 一度は断られた交際の申し込み。諦めれない俺に、彼女は秘密を打ち明けてくれた。 秋臣「それでもいい。俺は・・・俺の命が終わるまで好きでいる。」 ※お話の内容は全て想像の世界です。現実世界とは何の関係もございません。 ※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※誤字脱字や表現不足などは日々訂正していきますのでどうかご容赦ください。(目が悪いので見えてない部分も多いのです・・・すみません。) ※ただただこの世界を楽しんでいただけたら幸いです。   すずなり。

女神に頼まれましたけど

実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。 その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。 「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」 ドンガラガッシャーン! 「ひぃぃっ!?」 情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。 ※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった…… ※ざまぁ要素は後日談にする予定……

ごめんなさい。俺の運命の恋人が超絶お怒りです。

しーぼっくす。
恋愛
救世主として異世界召喚された少女、里上愛那。 神託により【運命の恋人】の相手だという王太子に暴言を吐かれ、キレた愛那は透明人間となって逃亡する。 しかし愛那の運命の相手は別の人物だった。 カクヨムさんでも連載しています。

老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜

二階堂吉乃
ファンタジー
 瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。  白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。  後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。  人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。

【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです

山葵
ファンタジー
昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。 今は、その考えも消えつつある。 けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。 今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。 ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。

サイファ ~少年と舞い降りた天使~

冴條玲
ファンタジー
今、勇者でも転生者でもない町人Sが邪神と相対する――!  **――*――** みんなは、イセカイテンセイって知ってる? 僕が住むこの世界は、二柱の神様のゲームの舞台だったんだって。 世界の命運を懸けて、光と闇のテンセイシャが試練を与えられて、僕はそのど真ん中で巻き込まれていたらしいんだけど。 僕がそれを知ることは、死ぬまで、なかったんだ。 知らないうちに、僕が二つの世界を救ってたなんてことも。 だけど、僕にとって大切なことは、僕のただ一人の女の子が、死が二人をわかつまで、ずっと、幸せそうな笑顔で僕の傍にいてくれたということ。 愛しい人達を、僕もまた助けてもらいながら、きちんと守れたということ。 僕は、みんな、大好きだったから。 たとえ、僕が町人Sっていう、モブキャラにすぎなかったとしても。 僕はこの世界に生まれて、みんなに出会えて、幸せだったし、楽しかったよ。 もしかしたら、あなたも、知らないうちに神様のゲームに巻き込まれて、知らないうちに世界を救っているかもしれないね。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である

megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

処理中です...