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ナイショ。

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リズ「・・・・えぇ!?」

ロディ「人間と話するんだロ?俺が実演すれバ・・・早いんじゃなイ?」

リズ「そうかもしれないけど・・・でも・・・・」




ロボットのことを嫌ってる人間たちがロディを見たら・・どう思うだろう。


私がこの世界に来た時・・・ビートのことを説明したら町の人たちはものすごく怒ってた。

その事を考えると、簡単にロディのことは受け入れてもらえないだろう。


・・・きっとロディが傷つく。



ロディ「行ク!!」



ロディは私の身体にしがみつくようなポーズを取った。

そんな姿がビートとかぶってしまって・・・私は折れてしまう。




リズ「・・・私から絶対に離れないでね?」

ロディ「!!・・・わかったタ!!」




私とロディは機械の国を出た。

機械の国に入った時は真っ暗な空だったのに、今は薄っすら明るくなってきてるのが見える。

結構長い時間、この国にいたようだ。



リズ「さぁ・・・歩いて行くのはいいけど・・・どうやってロディを隠そうか。」




このままロディと手を繋いで歩いて行くと、絶対に人間に出会う。

そうなると機械であるロディを見て・・・驚き、怒り・・・大変なことになってしまうことくらい容易に想像できる。



リズ「・・・・とりあえず歩こうか。」

ロディ「うン!」




私はロディと手を繋いで歩き始めた。

ロディは道が分かってるようで、私の手を引きながらスタスタと歩いて行く。

ふと振り返って機械の国を見ると、だんだん森の木々に遮られるようにして鉄の扉が見えなくなっていく。

まるで隠れながらひっそりと暮らしてる国だ。




リズ「ロディあのね?人間は・・・ロボットのことを良く思ってないの。」

ロディ「知ってル。」

リズ「もしかしたらロディが思ってるよりも酷いかもしれない。でも・・・私はなにがあってもロディの味方だからね?」





人間側からした悲惨な事件は、ロボットのせいではないこと。

ただ・・・『壊れてしまった女の子を直そうととしただけ』。

でも・・・すでに死んでいたとはいえ、手足を千切ったことは・・・人間側は用意に受け入れてはくれなさそうだ。






ロディ「?・・・うン。」

リズ「絶対に私から離れないでよ?」

ロディ「わかってるヨ!」







何度も何度もロディに念を押しながら私たちは歩き続けた。

昨日はマッサージの効果もあってか疲れ知らずの身体だったけど、今日はそうじゃなかった。

歩けば歩くほど足は痛くなり、息が上がり始める。

ペースを変えて歩いたり、途中で地面に座って休憩したりして歩き進めていくと・・・かなり遠くに人が歩いてるのが見えた。






リズ「あれ・・・結構な人数が歩いてない?」




そう言うとロディが立ち止まり、じーっと団体の方を見始めた。




リズ「?・・・ロディ?」

ロディ「人は50人。馬が10頭と馬車が一台だナ。」

リズ「!?・・・見えるの!?」

ロディ「望遠機能があル。」

リズ「なんて便利な・・・。」





ロディの性能の便利さに感心しながら私は団体のほうに目を向けた。

人間の世界で馬車は・・・作るのにものすごく時間がかかるってカイルさまが言ってた。

そのことを考えると・・・きっと安いものじゃあない。

ならロディが言ってた馬車は・・・お城のものだ。




リズ「ロディ、あの人たちってこっちに向かってる?」

ロディ「このまま来れバ・・・出会うとおもウ。」

リズ「なら・・・」





カイルさまか、ゼオンさん、ルカさんが馬に乗ってるならロディの説明はしやすい。

そのうえ無条件に嫌われることもない可能性がある。




リズ「ロディ、こっち来て。」




私は大きな木のところまで歩き、そこに腰かけた。

ロディは木の後ろに隠れさせて・・・向かって来てる団体がお城の人かどうかを確認しようと思った。

もしお城の人ならロディのことを説明して一緒にいたい旨を言う。

もし町の人たちだったらお城までの道を教えてもらう。





リズ「完璧だよ・・ね・・?」













私は失念していたことがあった。

それは私にはビートというロボットしか家族がいないから仕方のないことだけど・・・



まさか今から来る団体が・・・


『リズ捜索隊』だとは・・・露ほども思わなかった。


















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