私が橋渡し役!?時代を逆行した世界でそんな大役できません・・!?

すずなり。

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機械の国2。

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リズ「うわぁ・・・・。」




大きな鉄の扉の向こうは・・・人間の国とは全く違う世界が広がっていた。


ビートくらいの小さなロボットから、人間より少し大きめなサイズのロボットがいる。


そのロボットたちは歩てたり、滑ってたり・・・動く乗り物に乗ったりして行き交い、空にはベルトコンベアのようなものが線を作っていた。

そのベルトコンベアの線の上や下を、いろんな荷物らしきものがひゅんひゅんと行き交っている。


目線を空から下に移ぜば露天・・・のようなものを開いてロボットのパーツを売ってるロボットや、オイルを売ってるロボットの姿がある。

建物がたくさん立ち並んでいて・・・その建物に出入りするロボットたちがいた。



みんな仕事があるからか、忙しそうに動いてる。




リズ「すごい・・・・。」



人間の国とは全く違う光景に私は驚いた。

何よりも驚いたのは夜のはずなのに・・・昼間のように明るかったことだ。






リズ「すごいね!」

「そうカ?長老のところに向かうゾ。」




スタスタと歩き始めるロボット。

その少し後ろを歩いていく。



リズ「ねぇ?」

「なんダ?」

リズ「名前・・・つけてもいい?」

「いいけド・・・。」





このロボットを呼ぶのに名前が無いと呼びづらかった私は、この子に名前をつけることにした。

本人からも許可をもらえたことだから・・・考え始める。



リズ(ビートと私は同じ分野の名前なんだよねー・・・だからこの子も同じ分野がいいなー・・・。)



私の名前・・・ほんとは『りずむ』だ。

私のお世話ロボットは『ビート』。

同じ音楽繋がりだ。

だからこの子も・・・同じ繋がりがいいと思った。




リズ「あなたの名前は・・・『ロディ』!どう?」

「『ロディ』・・・・。いいのカ?」

リズ「もちろん!私はリズだよ。仲良くしてね、ロディ!」

ロディ「・・・・うン!」




『メロディ』の『メ』を取った名前。

喋り方から男の子だと思った私は男の子っぽい名前に変えた。

本人も喜んでくれてるようだから・・・よしとしよう。




リズ「ロディ、長老ってどんな人?」

ロディ「ロボットナ。この国ができた時からいル。パーツを交換しテ・・・もう動けないけど話はできル。」

リズ「へぇー・・・。」




私がロディと歩いてる間、私の事に気がついたロボットたちはその動きが止まったりしていた。

きっと人間が機械の国にいるのが珍しいんだろう。




ロディ「ついタ。リズ、入っテ。」




鉄の建物でできた1階建ての家。

真四角の建物からはぬくもりを感じないけど・・・それなりに懐かしくもあった。




リズ「アンダーみたい・・・。」




機械に囲まれて育ってきたからか、私にとってはこの国が落ち着く環境なのかもしれない。




ロディ「リズ。」

リズ「あ、はーい。」




私はロディと一緒に建物の中に入った。







ーーーーーーーーー








ロディ「長老、『橋渡しの者』連れて来タ。」





建物の中はうっすら暗くなっていて、いろんな管に繋がれたロボットが椅子に座ってるのが見える。

だいぶ古そうな感じは、見ただけで分かった。

サビたボディに古い油の匂い。

いろんなパーツを繋ぎ合わせたからか、右手は丸、左手は四角になっていた。

足に至っては色も違う。

生きるためだけの・・・パーツ交換だ。





長老「1990145・・・なんの・・・ようだ・・・。」

ロディ「『橋渡しの者』連れて来タ。」




ロディの言葉を聞いた長老は・・・ギギっと音を立てて首を動かした。

目は・・・あるのかないのかわからない。



長老「人間・・・か・・?」

ロディ「そうダ。」



長老は目線(?)をロディから私に移した。

私に向かって・・話始める。



長老「『橋渡しの者』・・・あなたは・・・どこから来た・・・?」

リズ「私は・・異世界から来ました。ロボットと人間が共存してる世界からです。」

長老「おぉ・・・・。私はあなたを待っていた・・・。」

リズ「『待っていた』?」




長老は息を切らしながら話してくれた。

この機械の国ができたときから存在する長老は・・・人間の国と機械の国の『悲劇』の真相を知っていた。








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