上 下
15 / 33

機械の国2。

しおりを挟む
リズ「うわぁ・・・・。」




大きな鉄の扉の向こうは・・・人間の国とは全く違う世界が広がっていた。


ビートくらいの小さなロボットから、人間より少し大きめなサイズのロボットがいる。


そのロボットたちは歩てたり、滑ってたり・・・動く乗り物に乗ったりして行き交い、空にはベルトコンベアのようなものが線を作っていた。

そのベルトコンベアの線の上や下を、いろんな荷物らしきものがひゅんひゅんと行き交っている。


目線を空から下に移ぜば露天・・・のようなものを開いてロボットのパーツを売ってるロボットや、オイルを売ってるロボットの姿がある。

建物がたくさん立ち並んでいて・・・その建物に出入りするロボットたちがいた。



みんな仕事があるからか、忙しそうに動いてる。




リズ「すごい・・・・。」



人間の国とは全く違う光景に私は驚いた。

何よりも驚いたのは夜のはずなのに・・・昼間のように明るかったことだ。






リズ「すごいね!」

「そうカ?長老のところに向かうゾ。」




スタスタと歩き始めるロボット。

その少し後ろを歩いていく。



リズ「ねぇ?」

「なんダ?」

リズ「名前・・・つけてもいい?」

「いいけド・・・。」





このロボットを呼ぶのに名前が無いと呼びづらかった私は、この子に名前をつけることにした。

本人からも許可をもらえたことだから・・・考え始める。



リズ(ビートと私は同じ分野の名前なんだよねー・・・だからこの子も同じ分野がいいなー・・・。)



私の名前・・・ほんとは『りずむ』だ。

私のお世話ロボットは『ビート』。

同じ音楽繋がりだ。

だからこの子も・・・同じ繋がりがいいと思った。




リズ「あなたの名前は・・・『ロディ』!どう?」

「『ロディ』・・・・。いいのカ?」

リズ「もちろん!私はリズだよ。仲良くしてね、ロディ!」

ロディ「・・・・うン!」




『メロディ』の『メ』を取った名前。

喋り方から男の子だと思った私は男の子っぽい名前に変えた。

本人も喜んでくれてるようだから・・・よしとしよう。




リズ「ロディ、長老ってどんな人?」

ロディ「ロボットナ。この国ができた時からいル。パーツを交換しテ・・・もう動けないけど話はできル。」

リズ「へぇー・・・。」




私がロディと歩いてる間、私の事に気がついたロボットたちはその動きが止まったりしていた。

きっと人間が機械の国にいるのが珍しいんだろう。




ロディ「ついタ。リズ、入っテ。」




鉄の建物でできた1階建ての家。

真四角の建物からはぬくもりを感じないけど・・・それなりに懐かしくもあった。




リズ「アンダーみたい・・・。」




機械に囲まれて育ってきたからか、私にとってはこの国が落ち着く環境なのかもしれない。




ロディ「リズ。」

リズ「あ、はーい。」




私はロディと一緒に建物の中に入った。







ーーーーーーーーー








ロディ「長老、『橋渡しの者』連れて来タ。」





建物の中はうっすら暗くなっていて、いろんな管に繋がれたロボットが椅子に座ってるのが見える。

だいぶ古そうな感じは、見ただけで分かった。

サビたボディに古い油の匂い。

いろんなパーツを繋ぎ合わせたからか、右手は丸、左手は四角になっていた。

足に至っては色も違う。

生きるためだけの・・・パーツ交換だ。





長老「1990145・・・なんの・・・ようだ・・・。」

ロディ「『橋渡しの者』連れて来タ。」




ロディの言葉を聞いた長老は・・・ギギっと音を立てて首を動かした。

目は・・・あるのかないのかわからない。



長老「人間・・・か・・?」

ロディ「そうダ。」



長老は目線(?)をロディから私に移した。

私に向かって・・話始める。



長老「『橋渡しの者』・・・あなたは・・・どこから来た・・・?」

リズ「私は・・異世界から来ました。ロボットと人間が共存してる世界からです。」

長老「おぉ・・・・。私はあなたを待っていた・・・。」

リズ「『待っていた』?」




長老は息を切らしながら話してくれた。

この機械の国ができたときから存在する長老は・・・人間の国と機械の国の『悲劇』の真相を知っていた。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

【完結】貧乏子爵令嬢は、王子のフェロモンに靡かない。

櫻野くるみ
恋愛
王太子フェルゼンは悩んでいた。 生まれつきのフェロモンと美しい容姿のせいで、みんな失神してしまうのだ。 このままでは結婚相手など見つかるはずもないと落ち込み、なかば諦めかけていたところ、自分のフェロモンが全く効かない令嬢に出会う。 運命の相手だと執着する王子と、社交界に興味の無い、フェロモンに鈍感な貧乏子爵令嬢の恋のお話です。 ゆるい話ですので、軽い気持ちでお読み下さいませ。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました

杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」 王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。 第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。 確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。 唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。 もう味方はいない。 誰への義理もない。 ならば、もうどうにでもなればいい。 アレクシアはスッと背筋を伸ばした。 そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺! ◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。 ◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。 ◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。 ◆全8話、最終話だけ少し長めです。 恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。 ◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。 ◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03) ◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます! 9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!

処理中です...