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機械の国。
しおりを挟むリズ「あなた・・どこの子?」
私の近くにいたロボットに声をかけた。
座ってる私と目線の高さが同じなロボットは、おそらく80センチくらい。
四角い顔に四角い身体。
手はU字型の・・・アンダーではほとんど見かけないタイプのロボットだ。
「あ・・・ア・・・・」
リズ「?・・・話せる?私の言うこと、分かる?」
そのロボットは困ってるのか・・・キョロキョロ辺りを見回して自分の手をもじもじとさせてる。
まるで・・・大人しめビートみたいだ。
「話せル・・。」
リズ「そう。名前は?」
「1990145.」
リズ「あぁ、番号ね。」
「そウ。」
立ったまま話すロボット。
私は自分の隣を手でぽんぽんっと叩いた。
「?」
リズ「どうぞ?」
「あ・・ありがとウ。」
ロボットはおずおずしながら私の隣に座った。
少し距離を開けて・・・私を警戒してるようだ。
リズ「あなたも・・・迷子?」
「迷子じゃなイ。探検してル。」
リズ「探検?」
「人間は夜になったら出てこなイ。だかラ・・・。」
この子はこの世界を見てみたくて夜に探検を繰り返してるらしい。
確かにライトがない人間側の国は・・・夜中にあまり出歩かなさそうだ。
リズ「じゃあこのあと国に帰るの?」
「帰ル。」
リズ「私も連れて行ってくれない?」
「エ・・・・。」
リズ「だめ?」
私のお願いに、ロボットは困ったのか・・・地面を見たり、私をみたりと忙しそうに首が動いてる。
「おまエ・・・ロボットが怖くないのカ?」
リズ「え?なんで?」
「人間・・・ロボットのこと嫌いだロ?」
リズ「私はキライじゃないよ?私の一番大事な友達はロボットだもん。」
そういうとロボットは私の手をガシッと持った。
「おまエ・・・!『橋渡しの者』カ!?」
リズ「ロボットも知ってるの?『橋渡しの者』のこと・・。」
「知ってル。ロボットと仲がいいやつガ・・・この世界をまとめに来ル。」
リズ「『橋渡しの者』ってそういう意味だったの!?」
私がカイルさまたちから聞いたのは『国が危機に瀕した時、国を救うべくやってくる者』のことだ。
このロボットが言うことと・・・少しずれてる。
「?・・・機械の国・・・行くカ?」
リズ「連れてってくれるの!?」
「おまえが『橋渡しの者』なラ・・・連れて行ク。俺たちの国モ・・・やばいからナ。」
リズ「?」
ロボットは立ち上がり、私に手を差し出した。
「ほラ、行くゾ。」
リズ「ありがと。」
私はロボットの手を取り、一緒に歩き始めた。
ーーーーーーーーー
ロボットと歩き始めること数時間。
大きな・・・大きな鉄の扉が私の前に立っていた。
右を見ても・・・左を見ても、同じ扉のようなものが見える。
リズ「・・・全部扉?」
「ちがウ。一つだけ扉になってル。」
ロボットはそう言って目の前にある扉に向かって足を進めた。
ロボットが扉を触ると、がちゃっと音がして小さな窓みたいなところが現れた。
そこから赤外線のような光が出てきて・・・ロボットをスキャンし始めた。
ピーピーピー・・・ガチャ・・・!
音を立てて開いたドア。
それは私一人がギリギリくぐれるくらいの大きさのドアだった。
さっきまでは何十メートルあるのかとおもうくらいの大きな鉄のドアだったのに、そのうちに一部だけがぱかっと開いた。
「行くゾ。」
リズ「うんっ。」
私はロボットと一緒に機械の国に足を踏みいれた。
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