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夜のデート2。
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秋也「ちょっとは楽?」
シートに座った千冬に聞いた。
千冬「下げてくれたんですか?ありがとう。」
にこにこ笑いながらシートベルトをした千冬。
お腹が苦しいのか擦ってる。
秋也「気分が悪くなったらすぐに言って。わかった?」
千冬「大丈夫だけど・・・わかった。」
車のナビに、星が見える丘の住所を打ち込み出発する。
千冬は外を見たり、話をしてくれたり・・・・・・しばらくお腹を擦ってたけど丘につく頃にはそれもなくなっていた。
秋也「マシになったみたいだな。」
千冬「うん、大丈夫。」
秋也「着いたときでちょうどよかった。」
丘の下にある駐車場に車を止めた。
上り坂になってる道を歩いていく。
千冬「もうだいぶ暗い・・・。」
秋也「そうだな。ほんとはもっと深夜のほうがキレイだろうけど・・・。」
千冬の手を引きながら歩き進める。
薄暗い道の隙間から見える空。
チラッと見た千冬は、期待で満ち溢れるように頭上を見上げていた。
秋也「・・・楽しそうだな。」
千冬「え?・・・そりゃあ・・・楽しいですよ?」
秋也「前に付き合ってた人とかとは行かなかったのか?」
千冬「うーん・・・まー・・結構前のことだし・・。」
秋也「そっか。」
上ばかり見る千冬。
コケないように手を引きながら歩くと、開けた場所に出た。
どうやらここが頂上のようだ。
千冬「広い・・・。」
秋也「確かに。」
山中にある丘だからか、辺りに人工の光がない。
見上げる空は・・・今まで見たことがないくらいの星で埋まっていた。
千冬「・・・星ってこんなにあったんだ・・。」
秋也「街では小さい星までは見えないからなー・・・。」
きれいな星はそこそこに、俺は隣にいてる千冬を見た。
目を輝かせながら空を見てる千冬。
前に広がる星空を見たり、真上を向いたりと忙しそうだ。
秋也「ははっ。・・・気に入った?」
千冬「うんっ。すっごいきれいー・・。」
空を見上げすぎてふらふらと身体が動く千冬。
俺はどこか座れるところがないか、辺りを見回した。
秋也「・・・千冬、あそこ芝生になってる。」
千冬「え?」
何組かのカップルが寝っ転がってるのが見えた。
秋也「寝っ転がったらもっと見えるんじゃない?」
千冬「えっ・・・楽しそう・・・。」
俺は千冬の手を引いて空いてる場所に向かった。
芝生にしゃがみこみ、手で芝をさわる。
秋也「うん、濡れてないし大丈夫だろ。」
芝生に直接座って空を見上げた。
千冬「天然のプラネタリウム。」
秋也「あぁ、そういえばそうだな。」
ガイドのアナウンスはないものの、人工的に作り出す星空以上の景色が頭上に広がってる。
千冬「ふふ。寝転んでも?」
秋也「もちろん。」
千冬が先に寝転んで、俺も追うように横になった。
星空を見つめてる千冬に・・・体を寄せる。
秋也「千冬?」
千冬「なに?」
秋也「俺のこと、好きになった?」
まだ聞いてない言葉。
『見合いを続行する』とは聞いたけど、大事なことはまだ耳にしてなかった。
千冬「・・・・・好きですよ?」
秋也「ほんと?」
千冬「たぶん・・・最初にあった日から。」
秋也「・・・・え?」
空を見ていた目を、俺に移す千冬。
ふわふわと柔らかい笑顔を俺に向けながら言う。
千冬「あのカフェで笑い合ったときから・・・『こんな風に笑い合えるっていいな』って思ってたの。でも、私は病気があるし。」
秋也「千冬・・・。」
千冬「私の病気を知っても・・・お見合いを続けたいって言ってくれて嬉しかった。ほんとに嬉しかった・・・。」
千冬の目にうっすら涙が見える。
千冬「・・・・ありがとう。」
秋也「---っ!」
今まで見たこともないような笑顔で言った千冬。
その笑顔を見た瞬間、俺はさらに千冬に惚れた。
秋也(我慢できない。)
俺を見てる千冬に、顔を寄せた。
手のひらで千冬の頬を包んで唇を近づける。
秋也「・・・嫌なら言って。」
そう言って口を重ねた。
ちゅ・・・
千冬「んっ・・・。」
数秒間、重ねた唇。
千冬の唇は柔らかくて・・・いつまでも重ねていられそうだった。
秋也「・・・好きだよ。」
唇を離して、吐息が触れ合う距離で言った。
千冬「---っ!・・・わ・・私も・・・ですよ?」
照れながら言う千冬がかわいすぎて、思わず抱きしめた。
シートに座った千冬に聞いた。
千冬「下げてくれたんですか?ありがとう。」
にこにこ笑いながらシートベルトをした千冬。
お腹が苦しいのか擦ってる。
秋也「気分が悪くなったらすぐに言って。わかった?」
千冬「大丈夫だけど・・・わかった。」
車のナビに、星が見える丘の住所を打ち込み出発する。
千冬は外を見たり、話をしてくれたり・・・・・・しばらくお腹を擦ってたけど丘につく頃にはそれもなくなっていた。
秋也「マシになったみたいだな。」
千冬「うん、大丈夫。」
秋也「着いたときでちょうどよかった。」
丘の下にある駐車場に車を止めた。
上り坂になってる道を歩いていく。
千冬「もうだいぶ暗い・・・。」
秋也「そうだな。ほんとはもっと深夜のほうがキレイだろうけど・・・。」
千冬の手を引きながら歩き進める。
薄暗い道の隙間から見える空。
チラッと見た千冬は、期待で満ち溢れるように頭上を見上げていた。
秋也「・・・楽しそうだな。」
千冬「え?・・・そりゃあ・・・楽しいですよ?」
秋也「前に付き合ってた人とかとは行かなかったのか?」
千冬「うーん・・・まー・・結構前のことだし・・。」
秋也「そっか。」
上ばかり見る千冬。
コケないように手を引きながら歩くと、開けた場所に出た。
どうやらここが頂上のようだ。
千冬「広い・・・。」
秋也「確かに。」
山中にある丘だからか、辺りに人工の光がない。
見上げる空は・・・今まで見たことがないくらいの星で埋まっていた。
千冬「・・・星ってこんなにあったんだ・・。」
秋也「街では小さい星までは見えないからなー・・・。」
きれいな星はそこそこに、俺は隣にいてる千冬を見た。
目を輝かせながら空を見てる千冬。
前に広がる星空を見たり、真上を向いたりと忙しそうだ。
秋也「ははっ。・・・気に入った?」
千冬「うんっ。すっごいきれいー・・。」
空を見上げすぎてふらふらと身体が動く千冬。
俺はどこか座れるところがないか、辺りを見回した。
秋也「・・・千冬、あそこ芝生になってる。」
千冬「え?」
何組かのカップルが寝っ転がってるのが見えた。
秋也「寝っ転がったらもっと見えるんじゃない?」
千冬「えっ・・・楽しそう・・・。」
俺は千冬の手を引いて空いてる場所に向かった。
芝生にしゃがみこみ、手で芝をさわる。
秋也「うん、濡れてないし大丈夫だろ。」
芝生に直接座って空を見上げた。
千冬「天然のプラネタリウム。」
秋也「あぁ、そういえばそうだな。」
ガイドのアナウンスはないものの、人工的に作り出す星空以上の景色が頭上に広がってる。
千冬「ふふ。寝転んでも?」
秋也「もちろん。」
千冬が先に寝転んで、俺も追うように横になった。
星空を見つめてる千冬に・・・体を寄せる。
秋也「千冬?」
千冬「なに?」
秋也「俺のこと、好きになった?」
まだ聞いてない言葉。
『見合いを続行する』とは聞いたけど、大事なことはまだ耳にしてなかった。
千冬「・・・・・好きですよ?」
秋也「ほんと?」
千冬「たぶん・・・最初にあった日から。」
秋也「・・・・え?」
空を見ていた目を、俺に移す千冬。
ふわふわと柔らかい笑顔を俺に向けながら言う。
千冬「あのカフェで笑い合ったときから・・・『こんな風に笑い合えるっていいな』って思ってたの。でも、私は病気があるし。」
秋也「千冬・・・。」
千冬「私の病気を知っても・・・お見合いを続けたいって言ってくれて嬉しかった。ほんとに嬉しかった・・・。」
千冬の目にうっすら涙が見える。
千冬「・・・・ありがとう。」
秋也「---っ!」
今まで見たこともないような笑顔で言った千冬。
その笑顔を見た瞬間、俺はさらに千冬に惚れた。
秋也(我慢できない。)
俺を見てる千冬に、顔を寄せた。
手のひらで千冬の頬を包んで唇を近づける。
秋也「・・・嫌なら言って。」
そう言って口を重ねた。
ちゅ・・・
千冬「んっ・・・。」
数秒間、重ねた唇。
千冬の唇は柔らかくて・・・いつまでも重ねていられそうだった。
秋也「・・・好きだよ。」
唇を離して、吐息が触れ合う距離で言った。
千冬「---っ!・・・わ・・私も・・・ですよ?」
照れながら言う千冬がかわいすぎて、思わず抱きしめた。
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