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採血。
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看護師「あら、千冬ちゃん。」
千冬「こんにちは。今日結構多く取るって言ってました。」
看護師「おっけ。確認してくるからベッドに寝てて?」
千冬「はーい。」
空いてるベッドに腰を掛け、私は上着を脱いだ。
今日の採血の為に半袖を着て来てる。
看護師「あら、準備がいいのね。」
千冬「まくるの大変だからねー。」
看護師「じゃあ横になって?」
千冬「はーい。」
冷たい消毒液を腕にぬられ、細い細い針が私の腕に刺さった。
看護師「保存用も取るって指示があったし、気分が悪くなったら教えてね?」
千冬「大丈夫、たぶん寝るから。」
看護師「私、交代だから次の看護師に伝えとく。いつも通り2時間くらいしたら起こすね?」
千冬「うん。お願い。」
私は自分の体で血液を作ることが難しい病気だ。
だから、血を作るお手伝いを薬にお願いしてる。
加えて私の血液型は珍しいらしく、献血でも手に入りにくい。
検診に来たときは『何かあった時用』に私の血を取ることが多い。
千冬(あー・・・ふわふわする・・・。)
どんどんと取られていく血液。
貧血に似た症状を起こし、私は眠りに落ちていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
医師「・・・ちゃん!・・・冬ちゃん!・・・千冬ちゃん!?」
頬を叩かれ、私は眠りから覚めた。
千冬「う・・・?」
医師「よかった・・・目が覚めて・・・。」
心配そうに見てるおじさん先生の方に顔を傾けると、たくさんの管を見つけた。
千冬「・・・・え?」
医師「いつもの看護師と交代したのが新人の看護師で・・・間違えて倍の血液を取ってしまったんだよ。今、造血剤と輸液入れてる。」
おじさん先生が説明をした後、その新人さんらしき人が私の側にきた。
新・看護師「ほんとにごめんなさい・・・!」
頭を深く下げる看護師さん。
周りを見渡すと、ベテラン看護師さんたちが怒り気味に見てることがわかった。
千冬「私は大丈夫なんで・・・。」
新・看護師「ちゃんと引き継ぎで聞いてたんですけど、忘れちゃって・・・すみません・・っ!」
千冬「いや、ほんとに大丈夫なんで。」
そう言うとベテランさんたちが口を開いた。
看護師「2時間で起こしに行くって指示もしてたんだけど・・・それも忘れちゃったみたいなの。私たちもちゃんと気づかなくてごめんなさいね。」
千冬「いえ。・・・・え!?2時間じゃないの!?」
頭を振って時計を探すと、おじさん先生が腕時計を見せてくれた。
医師「ほんとごめん。今、夕方の5時。」
千冬「!?・・・やばいっ・・!」
私はベッドから体を起こした。
その途端に眩暈に襲われる。
千冬「うぁ・・・・。」
医師「あぁっ・・!そんな早くに体を起こすから・・・。」
ふらついた体をおじさん先生が支えてくれた。
千冬「用事があるの・・・。帰る・・・。」
医師「まだダメだよ。造血剤があと30分くらいかかる。」
千冬「そんな・・・。じゃあせめてケータイ使わせて・・・!」
医師「それはいいけど・・・。」
私はベッドに横になり、鞄からケータイを取り出した。
千冬「・・・メールが3件来てる。」
同じ人からメールが3件。
送り主は笹倉さんだ。
『仕事終わったよ。用事は終わった?笹倉』
『メール、見たかな?笹倉』
『事故・・・とか言わないよな?見たら連絡欲しい。笹倉』
千冬「わー・・・。」
私はすぐにメールを打った。
『すみません、今、メールを見ました。あと30分くらいで用事が終わりそうです。八重樫』
千冬「送信っと。」
送信したあとすぐに返事が返ってきた。
『事故じゃなくてよかった。終わったら電話して。笹倉』
千冬「心配・・・してくれたんだ。」
胸がきゅー・・・っと締め付けられた。
連絡ができない状況だったとはいえ、笹倉さんに怒られても仕方なかったはずなのに私の心配をしてくれたのだ。
千冬「だめだ。今日で最後にしないと。」
『好きになる前に離れる』
そう決めて、私は点滴が終わるのを待った。
千冬「こんにちは。今日結構多く取るって言ってました。」
看護師「おっけ。確認してくるからベッドに寝てて?」
千冬「はーい。」
空いてるベッドに腰を掛け、私は上着を脱いだ。
今日の採血の為に半袖を着て来てる。
看護師「あら、準備がいいのね。」
千冬「まくるの大変だからねー。」
看護師「じゃあ横になって?」
千冬「はーい。」
冷たい消毒液を腕にぬられ、細い細い針が私の腕に刺さった。
看護師「保存用も取るって指示があったし、気分が悪くなったら教えてね?」
千冬「大丈夫、たぶん寝るから。」
看護師「私、交代だから次の看護師に伝えとく。いつも通り2時間くらいしたら起こすね?」
千冬「うん。お願い。」
私は自分の体で血液を作ることが難しい病気だ。
だから、血を作るお手伝いを薬にお願いしてる。
加えて私の血液型は珍しいらしく、献血でも手に入りにくい。
検診に来たときは『何かあった時用』に私の血を取ることが多い。
千冬(あー・・・ふわふわする・・・。)
どんどんと取られていく血液。
貧血に似た症状を起こし、私は眠りに落ちていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
医師「・・・ちゃん!・・・冬ちゃん!・・・千冬ちゃん!?」
頬を叩かれ、私は眠りから覚めた。
千冬「う・・・?」
医師「よかった・・・目が覚めて・・・。」
心配そうに見てるおじさん先生の方に顔を傾けると、たくさんの管を見つけた。
千冬「・・・・え?」
医師「いつもの看護師と交代したのが新人の看護師で・・・間違えて倍の血液を取ってしまったんだよ。今、造血剤と輸液入れてる。」
おじさん先生が説明をした後、その新人さんらしき人が私の側にきた。
新・看護師「ほんとにごめんなさい・・・!」
頭を深く下げる看護師さん。
周りを見渡すと、ベテラン看護師さんたちが怒り気味に見てることがわかった。
千冬「私は大丈夫なんで・・・。」
新・看護師「ちゃんと引き継ぎで聞いてたんですけど、忘れちゃって・・・すみません・・っ!」
千冬「いや、ほんとに大丈夫なんで。」
そう言うとベテランさんたちが口を開いた。
看護師「2時間で起こしに行くって指示もしてたんだけど・・・それも忘れちゃったみたいなの。私たちもちゃんと気づかなくてごめんなさいね。」
千冬「いえ。・・・・え!?2時間じゃないの!?」
頭を振って時計を探すと、おじさん先生が腕時計を見せてくれた。
医師「ほんとごめん。今、夕方の5時。」
千冬「!?・・・やばいっ・・!」
私はベッドから体を起こした。
その途端に眩暈に襲われる。
千冬「うぁ・・・・。」
医師「あぁっ・・!そんな早くに体を起こすから・・・。」
ふらついた体をおじさん先生が支えてくれた。
千冬「用事があるの・・・。帰る・・・。」
医師「まだダメだよ。造血剤があと30分くらいかかる。」
千冬「そんな・・・。じゃあせめてケータイ使わせて・・・!」
医師「それはいいけど・・・。」
私はベッドに横になり、鞄からケータイを取り出した。
千冬「・・・メールが3件来てる。」
同じ人からメールが3件。
送り主は笹倉さんだ。
『仕事終わったよ。用事は終わった?笹倉』
『メール、見たかな?笹倉』
『事故・・・とか言わないよな?見たら連絡欲しい。笹倉』
千冬「わー・・・。」
私はすぐにメールを打った。
『すみません、今、メールを見ました。あと30分くらいで用事が終わりそうです。八重樫』
千冬「送信っと。」
送信したあとすぐに返事が返ってきた。
『事故じゃなくてよかった。終わったら電話して。笹倉』
千冬「心配・・・してくれたんだ。」
胸がきゅー・・・っと締め付けられた。
連絡ができない状況だったとはいえ、笹倉さんに怒られても仕方なかったはずなのに私の心配をしてくれたのだ。
千冬「だめだ。今日で最後にしないと。」
『好きになる前に離れる』
そう決めて、私は点滴が終わるのを待った。
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