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デート2

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千冬「すみません、お待たせしてしまって・・・。」




駐車場に戻ると、笹倉さんはケータイを見てたようだった。




秋也「ううん、大丈夫。アレルギーとかはない?」

千冬「無いです。」

秋也「ちょっと車で走るけどいい?」

千冬「?・・・はい。」




そう答えると笹倉さんは車を走らせ始めた。





秋也「八重樫さんって、結婚願望はないの?」

千冬「結婚願望は・・・あまりないですね。笹倉さんはあるんですか?」

秋也「まぁ。・・・結婚しないなら一人で生きていく気?」

千冬「はい。」

秋也「・・・なんでそこまで結婚願望がないのか聞いても?」





車を運転してるから、前を向いたまま話す笹倉さん。





千冬「それは・・・答えたくないですね。」

秋也「・・・と、言うことは職業のことじゃないのか。他に何かあるってことか。」

千冬「---っ!!やられた。」

秋也「キミよりは人生経験多いからな。」




前を向きながらニヤッと笑った笹倉さん。




千冬「・・・笹倉さんこそ・・・それだけかっこいいのになんでお見合いなんて・・・。」

秋也「・・・まぁ、自慢じゃないけど言い寄ってくる子はいた。それなりに付き合ったこともあるけど・・・なんか違う気がしてさ。」

千冬「贅沢な悩みですね。」

秋也「誉め言葉と受け取っとこう(笑)。」






そんな話をしてるうちに車は一軒のレストランに入っていった。





千冬「ここ・・ですか?」

秋也「そ。さっきケータイで調べたんだよ。」

千冬(それでケータイ見てたんだ。)




車から降りて入り口に向かう。

緑に覆われた入り口をくぐると、石畳が広がっていた。




千冬「わ・・すごい。」

秋也「こういうの好き?」

千冬「好き・・ですね。」




道に植わってる植物を眺めながら歩く。



千冬「・・ネモフィラだ。」



石畳の両脇にずらっとのびてる青い花。

キレイに咲き誇っていた。




秋也「ネモ・・フィラ・・?」

千冬「春の花ですよ。チューリップとかと一緒に咲くときれいなんです。」

秋也「へぇ・・・。」






10メートルにも満たない石畳の道を歩き、建物の中に入った。





店員「いらっしゃいませ。2名様でしょうか。」

秋也「はい。」

店員「こちらにどうぞ。」




店員さんの後ろをついて歩く。

店内はまばらにお客さんがいた。





店員「お席はこちらでよろしいでしょうか。」




そう言われた席は二人掛けの席だった。




秋也「ここでいい?もっと広いほうがいい?」

千冬「私はここで大丈夫です。」

秋也「じゃあここで。あ、今日のセット二つ。」

店員「かしこまりました。」




私たちはその席に座った。

・・・座ってから気がついたけど・・・




千冬「・・・広い席のほうがよかったですね。」

秋也「え?」

千冬「まさか笹倉さんが椅子からはみでるとは思わなかったんで・・・。」




足が長いからか、少し出てしまってる。

目の前にあるテーブルは若干小さく見えるし。

そのアンバランス具合に・・・笑いがこみ上げてくる。





千冬「・・・・ふふっ。」

秋也「・・・なに?」

千冬「いえ。笹倉さんって背が高くて手足も長いんだなって思ってました。」




そう言うと笹倉さんは肩ひじをついて手のひらに顎を乗せた。



秋也「八重樫さんは小さいよね。俺が知ってる女の子の中でもダントツに小さい。」

千冬「まぁ。・・・私、未熟児で産まれたんで・・。」

秋也「未熟児か。何グラム?」

千冬「1500グラムです。」

秋也「おぉ。それはずいぶん小さいな。」





そのとき運ばれてきたご飯。

ワンプレートでたくさんのおかずが乗っていた。





店員「ごゆっくりどうぞ。」

千冬「ありがとうございます。」

秋也「ありがとう。」





一つの籠からお箸を一組取り出した。




千冬「どうぞ。」

秋也「・・・ありがとう。」




私の分のお箸をカゴから取り出す。




千冬「いただきまーす。」

秋也「いただきます。」




ご飯を食べ進めながらも、会話は続く。




千冬「小さいときはよく風邪を引いて・・・大変だったって母から聞きました。」

秋也「まぁ、未熟児に限らず小さい子は大変だと思うけどな。うちも姉がいるって言っただろ?赤ちゃんがいるんだけど大変そうだよ?」

千冬「赤ちゃん・・・!男の子ですか?女の子ですか?」

秋也「男の子。」

千冬「男の子かー・・・可愛いんでしょうねー・・。」





想像するように上を見てしまう。




秋也「・・・子供、好きなら尚更結婚じゃない?」



上を見てる私に、笹倉さんが言った。








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