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同居。
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翌週・・・
今日からりらと一緒に生活が始まる。
俺は朝からりらの部屋にいた。
テストに合格してからはもう学校に行ってない。
朝から晩までりらと一緒にいて・・・二人で音楽を聞いたり病院内を歩いたりして時間を過ごしていた。
りらはずっとパジャマ姿。
それは別に見慣れてるからよかったけど・・・りらの左手薬指に指輪がはめられてることが嬉しかった。
りら「オミくん・・・今日からどこかに旅行でもいくの?」
秋臣「え?」
りら「朝持って来た荷物・・・すごい量なんだけど・・・。」
旅行用の鞄にパンパンに入ってる荷物。
いつもは薄っぺらい鞄に弁当くらいしか持って来ないから不思議なようだった。
秋臣「あぁ、これ?」
りら「うん・・・。」
秋臣「ちょっと必要なものだよ。」
りら「?」
意味がわからないって顔でベッドに座ってるりら。
笑いを堪えてると・・・部屋のドアがノックされた。
コンコン・・・
秋臣「はい。」
ガラガラと音を立ててドアが開けられ、入ってきたのはもちろん、りらのお兄さんだ。
ご機嫌に笑顔を振りまいてる。
葵「りら、ちょっと立てるか?」
りら「?・・・そりゃあもちろん。」
葵「なら立って・・・そうだな、ソファーのとこにでもいててくれ。」
りら「いいけど・・・?」
りらはベッドから下りて、ソファーのところにいった。
それと同時に業者さんらしき人が部屋に入ってくる。
りら「え・・・なに・・?」
葵「ベッド、交換しようと思って。」
りら「・・・へ!?」
業者さんはあっという間にりらのベッドの布団を片付けていく。
ベッドを手早く解体していき・・・廊下に出していった。
りら「ベッド交換って・・・なんでまた・・・・。」
秋臣「まぁ・・・見てたらわかるんじゃないか?」
廊下に出されたベッドの代わりに、新しいベッドが運び込まれてくる。
それはさっき解体したベッドの・・・2倍くらいの大きさがあった。
りら「!?」
驚くりらなんてお構いなしに設置は進んで行く。
りら「ねっ・・ねぇオミくんは知ってるの!?」
秋臣「さぁ・・・・。」
りら「お兄ちゃん!?」
葵「あとで説明してやるよ。」
どんどん作業は進んで行き、ベッドの大きさに合う布団が敷かれた。
敷マットは一つだけど、掛布団は二つ。
枕も二つ置かれた。
りら「二つって・・・・・」
葵「今日から新婚生活だな。」
りら「!?」
お兄さんの言葉にりらは俺を見た。
驚きながらも嬉しいようで・・・ベッドと俺を交互に見てる。
秋臣「今日から一緒に暮らすからな?」
りら「いい・・の・・?」
秋臣「いいも悪いも、俺たち夫婦だろ?もう卒業も確定したんだし・・・ずっと一緒にいるよ?」
そう言って俺はりらを抱きしめた。
運動もできなくなって、長時間歩くこともできなくなってきてる体は一回り小さくなったみたいに細い。
葵「・・・俺の前でいちゃつくな。」
りら「!!」
秋臣「ちっ・・・・。」
お兄さんに咎められ、腕の中に閉じ込めてたりらを解放する。
そのときちょうどベッドの設置が終わったようで、業者さんたちが部屋から出ていった。
りらはソファーから立ち上がり、新しいベッドを触りに行く。
りら「すごい・・・ふかふか・・・。」
秋臣「りらに布団を奪われないように二つにしてもらった(笑)」
りら「!?・・・私、寝相悪くないし!」
葵「そうか?昔はよくベッドから落ちてたじゃないか。」
りら「!?!?・・・いつの時の話よっ!」
まだ怒れるだけ元気がある。
それはいいことだと信じて・・・今日から俺はりらとの同居をスタートさせた。
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秋臣「りら?大丈夫か?」
りら「・・・無理・・。」
りらと一緒に暮らし始めて、初めて知ったことがいくつかあった。
最初に気がついたのは・・・点滴が終わって2時間ぐらい経った時に、副作用が一番キツく出ることだ。
夜にする点滴は、寝る前に外れる。
だから深夜に・・・副作用が現れてしまう。
秋臣「コールする?」
りら「いつものことだから・・・寝る・・・。」
身体がだるすぎて眠ることさえできないりら。
その背中を擦ったり・・・腕枕して抱きしめたりして眠れるように促す。
秋臣(毎日一人で耐えてたのか・・・。)
りらのお兄さんは一緒に寝るときもあったみたいだけど・・・急患が入ると部屋から出て行く。
夜勤もあるみたいだから基本的には一人だったんだろう。
りら「・・・気持ちいい・・。」
秋臣「目、閉じて・・・ゆっくり寝ていいから・・・。」
眠れるように背中を擦ると、りらは眠りについていく。
りら「・・・zzz。」
秋臣(これくらい、いくらでもするから・・・体力回復させような。)
治らないのはわかってる。
日に日に弱くなっていくりらを見てると・・・俺も覚悟を決めないといけないことくらいわかってた。
こころのどこかでは、もう覚悟は決まってる。
だからこうしてりらにできる全てのことをしたいと思って・・・一緒に暮らし始めた。
でも・・・別のどこかでは・・・『どうして』・・・や、『なんでりらが・・・』なんてことも考えてしまう。
自分の心のはずなのに・・・気持ちや感情がコントロールできない部分がある。
秋臣(治っても治らなくても・・・ずっと側にいるからな。りら・・・。)
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