死が二人を別こうとも。

すずなり。

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テスト。

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翌日から始まった真面目なテスト勉強。

学校で参考書を広げるわけにいかず、家で必死に勉強した。

毎日中谷の部屋に行って、一緒に勉強して・・・

夜は自分の家で勉強する。

晩御飯の場まで参考書を持ってるもんだから、両親が不思議に思いながら俺に聞いてきた。





父「・・・成績、やばいのか?」

秋臣「全然?大丈夫。」

母「今まで参考書を見ながらご飯なんて食べなかったのに・・・。」

秋臣「事情があるんだよ。」



ぱくぱくとハンバーグを口に放り込みながら参考書を見てる時、ふと思ったことを口にした。



秋臣「かぁさんって・・・管理栄養士の資格持ってたよね・・・?」


カフェでレシピを作る仕事をしてる母親。

いつも栄養を考えられたご飯が食卓を彩っていた。



母「持ってるわよ?」

秋臣「心臓に・・・負担がかからないお菓子とかって作れんの?」

母「それはちょっと勉強しないとわからないけど・・・どうして?」

秋臣「・・・なんでもない。忘れて。ごちそうさまでした。」




俺は食器を下げて自分の部屋に戻った。

机に積み上げてある参考書を広げて勉強の続きをする。



秋臣「テストは来週。それが終わったら二学期中間テスト・・・。こんな勉強するの、受験以来かも・・・。」




俺は空が明るくなり始めるころまで参考書とにらめっこした。








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一般テスト日・・・





担任「よーい・・・始め。」




がさがさという紙の音が一斉に聞こえる。

その音はすぐに止み、代わりにシャーペンを走らせる音が聞こえ始める。

自分の名前を書き、問題文を読んで・・・解く。

一般テストはどうってことなく解き進める俺。

ちらっと斜め前の中谷を見ると、真剣な表情で解いてる姿が目に入った。




秋臣(二年二学期期末テストか・・・。)



テスト五回分、先を進んでる中谷。

追いつくためには・・・年明けまでに3つは受けたいところだ。



秋臣(いくら時間があっても足りない・・・。)


早くテストが終わることばかりを考えた。





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