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飛行機事故。
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美都「はぁ・・・。」
リビングでぼーっとしてる私。
お父さんが紅茶を持ってきてくれた。
お父さん「・・・いつも二人で何して遊んでるんだ?」
美都「え?」
お父さん「要くんと。」
私が手術のことで悩んでると思ったのか、お父さんは要さんの話を振ってきた。
美都「うーん・・・遊園地に行ったり、海に行ったり?夜までだけどね(笑)。」
お父さん「そうか。」
美都「手術、したほうがいいのかなぁ・・・。」
正直、しなくても・・・とも思うけど、したほうがいいことも分かる。
だから難しい。
お父さん「お父さんはしてほしいと思う。小さい頃に熱を出したとき、もっと早くに病院に行ってればって毎日後悔した。治るなら・・・受けてほしい。」
美都「お父さん・・・。」
お父さん「障害が残る可能性も低いって言ってた。・・・あとは要くんと相談して、みぃが決めなさい。わかった?」
美都「うん。ありがとう。」
何かしら家族で話し合うことがあったけど、私が最後には決断してきた。
アドバイスは両親共にくれるけど、押し付けてくることはない。
その分『自分で決めた責任』は重いけど、自分で決めたことだから弱音を吐かずにしてきたつもりだ。
だから今回も弱音は吐かない。
美都「私、部屋に行くね。今日は疲れた・・・。」
お父さん「うん。おやすみ。」
お母さん「おやすみー。」
美都「おやすみ。」
要さんからの連絡を待ちながらベッドで転がる夜中。
幸いにも日付が変わる直前にメールがやってきた。
『ちゃんとマンションに着いたよ。美都はもう寝たかな?朝、起きたらメールちょうだい。おやすみ、要。』
美都「よかった。ちゃんと無事に着いて。」
私は返事を打った。
『まだ起きてるよ。無事に着いてよかった。今日は・・・遠いのに来てくれてありがとう。美都』
メールを送信して、私は眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
年は明け、今日はもう、自分のアパートに戻る日だ。
朝からお母さんがお弁当を持たせてくれた。
お母さん「今度は要くんも一緒に帰っといでね。」
美都「あはは。言っとく。」
お父さん「手術の事・・・決まったら連絡しろ?」
美都「うん。わかってる。・・・じゃあね。」
私は荷物を持ち、家を出た。
バスに乗り・・・電車に乗り・・・最後に飛行機に乗る。
正月ということもあってか、空港は結構な人で溢れていた。
美都「うわ・・・先にチケット取っといてよかったー。」
チェックインした後、要さんにメールを送る。
『12時10分発の飛行機で帰ります。アパートに着くのはたぶん・・・15時過ぎかな?美都』
美都「よし。・・・明日、要さんに会えるかな?」
手術のことを相談しないといけない。
実家でしてくれた、プロポーズとも受け取れる話も・・・もう一度聞きたい。
美都「早く会いたいな。」
そんなことを思いながら私は飛行機に乗り込んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
美都が飛行機に乗り込んでから2時間後・・・
交番じゃなくて署に来ていた俺は、テレビにくぎ付けになっていた。
俺だけじゃない。
署員、来訪者、みんながテレビを見ていた。
「すげ・・・・・。」
「これ・・・近くの空港じゃない・・?」
テレビに映ってるのはこの近くの空港。
問題は空港じゃない。
アナウンサー「たった今、入ったニュースです。飛行機が着陸に失敗し、多数のけが人が出てる模様です。機体からは炎のようなものも確認でき、破損してるところもあるようです!」
テレビの中の光景。
飛行機の本体は形を留めてるけど、黒煙が上がってていまいちよくわからない。
乗客っぽい人たちが走って出てくる様子が映し出されてる。
中には抱えられながら出てくる人も・・・。
アナウンサー「映像にある飛行機は今日。12時10分、-----発の飛行機で・・・・・・・・・・。」
要「・・・え!?」
俺は自分のケータイを取り出した。
震える手で、美都からのメールを開く。
『12時10分発の飛行機で帰ります。アパートに着くのはたぶん・・・15時過ぎかな?美都』
要「嘘だろ・・・・。」
全身の血の気が引いていく。
俺の近くにいた署員が声をかけてきた。
署員「?・・・佐々木、どうした?顔色が悪いぞ?」
要「・・・彼女が・・・あの飛行機に・・・乗ってる・・・。」
たまたま近くにいた署長が俺の言葉を聞いていたようで、俺のもとに飛んできた。
署長「・・・すぐに行け!!落ち着いたら連絡しろ!わかったな
!?」
要「は・・・はい・・・。」
『はい』と言ったものの、どうやって空港に行くのか分からずに立ちすくんでいた。
いつもならすぐに『車』って選択肢が出るのに、この時は体が動かなかった。
署長「・・・・誰か送ってやれ。」
「はいっ。」
俺は署員の人に背中を押され、駐車場に連れて行かれた。
私用車に乗せられ、空港まで送ってもらった。
リビングでぼーっとしてる私。
お父さんが紅茶を持ってきてくれた。
お父さん「・・・いつも二人で何して遊んでるんだ?」
美都「え?」
お父さん「要くんと。」
私が手術のことで悩んでると思ったのか、お父さんは要さんの話を振ってきた。
美都「うーん・・・遊園地に行ったり、海に行ったり?夜までだけどね(笑)。」
お父さん「そうか。」
美都「手術、したほうがいいのかなぁ・・・。」
正直、しなくても・・・とも思うけど、したほうがいいことも分かる。
だから難しい。
お父さん「お父さんはしてほしいと思う。小さい頃に熱を出したとき、もっと早くに病院に行ってればって毎日後悔した。治るなら・・・受けてほしい。」
美都「お父さん・・・。」
お父さん「障害が残る可能性も低いって言ってた。・・・あとは要くんと相談して、みぃが決めなさい。わかった?」
美都「うん。ありがとう。」
何かしら家族で話し合うことがあったけど、私が最後には決断してきた。
アドバイスは両親共にくれるけど、押し付けてくることはない。
その分『自分で決めた責任』は重いけど、自分で決めたことだから弱音を吐かずにしてきたつもりだ。
だから今回も弱音は吐かない。
美都「私、部屋に行くね。今日は疲れた・・・。」
お父さん「うん。おやすみ。」
お母さん「おやすみー。」
美都「おやすみ。」
要さんからの連絡を待ちながらベッドで転がる夜中。
幸いにも日付が変わる直前にメールがやってきた。
『ちゃんとマンションに着いたよ。美都はもう寝たかな?朝、起きたらメールちょうだい。おやすみ、要。』
美都「よかった。ちゃんと無事に着いて。」
私は返事を打った。
『まだ起きてるよ。無事に着いてよかった。今日は・・・遠いのに来てくれてありがとう。美都』
メールを送信して、私は眠りについた。
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年は明け、今日はもう、自分のアパートに戻る日だ。
朝からお母さんがお弁当を持たせてくれた。
お母さん「今度は要くんも一緒に帰っといでね。」
美都「あはは。言っとく。」
お父さん「手術の事・・・決まったら連絡しろ?」
美都「うん。わかってる。・・・じゃあね。」
私は荷物を持ち、家を出た。
バスに乗り・・・電車に乗り・・・最後に飛行機に乗る。
正月ということもあってか、空港は結構な人で溢れていた。
美都「うわ・・・先にチケット取っといてよかったー。」
チェックインした後、要さんにメールを送る。
『12時10分発の飛行機で帰ります。アパートに着くのはたぶん・・・15時過ぎかな?美都』
美都「よし。・・・明日、要さんに会えるかな?」
手術のことを相談しないといけない。
実家でしてくれた、プロポーズとも受け取れる話も・・・もう一度聞きたい。
美都「早く会いたいな。」
そんなことを思いながら私は飛行機に乗り込んだ。
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美都が飛行機に乗り込んでから2時間後・・・
交番じゃなくて署に来ていた俺は、テレビにくぎ付けになっていた。
俺だけじゃない。
署員、来訪者、みんながテレビを見ていた。
「すげ・・・・・。」
「これ・・・近くの空港じゃない・・?」
テレビに映ってるのはこの近くの空港。
問題は空港じゃない。
アナウンサー「たった今、入ったニュースです。飛行機が着陸に失敗し、多数のけが人が出てる模様です。機体からは炎のようなものも確認でき、破損してるところもあるようです!」
テレビの中の光景。
飛行機の本体は形を留めてるけど、黒煙が上がってていまいちよくわからない。
乗客っぽい人たちが走って出てくる様子が映し出されてる。
中には抱えられながら出てくる人も・・・。
アナウンサー「映像にある飛行機は今日。12時10分、-----発の飛行機で・・・・・・・・・・。」
要「・・・え!?」
俺は自分のケータイを取り出した。
震える手で、美都からのメールを開く。
『12時10分発の飛行機で帰ります。アパートに着くのはたぶん・・・15時過ぎかな?美都』
要「嘘だろ・・・・。」
全身の血の気が引いていく。
俺の近くにいた署員が声をかけてきた。
署員「?・・・佐々木、どうした?顔色が悪いぞ?」
要「・・・彼女が・・・あの飛行機に・・・乗ってる・・・。」
たまたま近くにいた署長が俺の言葉を聞いていたようで、俺のもとに飛んできた。
署長「・・・すぐに行け!!落ち着いたら連絡しろ!わかったな
!?」
要「は・・・はい・・・。」
『はい』と言ったものの、どうやって空港に行くのか分からずに立ちすくんでいた。
いつもならすぐに『車』って選択肢が出るのに、この時は体が動かなかった。
署長「・・・・誰か送ってやれ。」
「はいっ。」
俺は署員の人に背中を押され、駐車場に連れて行かれた。
私用車に乗せられ、空港まで送ってもらった。
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