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横恋慕。

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朝ごはんを食べ終わった要さんは仕事にいく用意をし始めた。

私はソファーからそれを眺めていた。

要さんが腕時計をつける仕草とかを見るのが好きだから。




要「?・・・どうした?」

美都「ううん。なんでもないよ?」





『好きすぎて見てた』・・・なんて言えない。

言えなくても見ていたくて、じーっと見てると要さんが私の前にやってきた。



美都「?」

要「・・・何企んでんの?」

美都「なっ・・・何もっ・・?」



挙動不審だったのか、要さんは私の頬を両手で包み込んで動かないようにした。



美都「!?」

要「『嘘』はいけないなぁ・・・美都?」

美都「---っ!?」

要「ほんとのことを言わないと・・・どうなるかな?」

美都「!?!?・・・言うっ!言うから・・っ!」



ぱっ・・と離された手。

私は俯きながら答えた。



美都「か・・要さんが・・・。」

要「俺?」

美都「・・・好きすぎて見てた。」

要「---っ!・・・もー・・。」



要さんは私をソファーに寝かせた。

軽く口を塞がれる。




ちゅ・・・・。




美都「ん・・・・。」

要「宿題、気を付けてな?」

美都「はい。」




要さんは玄関に向かって歩いていく。

私もその後をついて行った。



要「・・・見送りしてくれんの?」

美都「せっかくだし・・・。」

要「・・行ってきます。」

美都「いってらっしゃいっ。」




要さんを見送り、私は要さんの部屋を掃除した。

洗濯もして、食器を洗い、私は街に出た。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







美都「まだクリスマスメニューあるかな?」



そう思いながら色んなカフェのメニューを外から覗いていた。



美都「ケーキ・・・2種類は食べれないなぁ・・・。」



一つだけしか考えないのはちょっと物足りない。

でも、ケーキ二つは私の胃袋に納まらない。



美都「どうしよう・・・。」



そう思ってると、後ろから声をかけてきた人がいた。



山下「・・・青柳さん?」



振り返ると、山下さんが立っていた。

制服を着てないところを見ると、仕事はお休みのようだ。




美都「山下さん・・・。今日はお休みですか?」

山下「うん。・・・なにしてんの?」

美都「あー・・・。」




私は宿題のことを話した。

必要なメニューは一つでもいいんだけど、できれば二つ出したいことも・・・。




山下「ふーん・・・俺、付き合おうか?」

美都「え?」

山下「暇だし。」

美都「でも・・・・。」




きっと要さんがいい気持ちしない。

もし、要さんが誰が女の人と二人でカフェに入ったら・・・私は嫌だ。



美都「一人で大丈夫です。」

山下「・・・佐々木に遠慮してんの?」

美都「遠慮ってわけじゃ・・・。」

山下「なら佐々木に言ったらいいんだろ?」



山下さんはケータイを取り出し、電話をかけ始めた。




ピッ・・ピッ・・ピッ・・・




山下「もしもし?佐々木?」

要「なんだ?山下。」

山下「今、青柳さんと一緒なんだけど、一緒にカフェに入っていいか?」

要「・・・は?」

山下「青柳さん、お前に遠慮して一人で入るって言ってるんだよ。いいだろ?俺も一緒で。」

要「・・・美都に代われ。」




山下さんは私にケータイ電話を差し出した。




山下「代われってさ。」




私はケータイ電話を受け取った。



美都「も・・もしもし?」

要「美都・・・山下と一緒の方がいいのか?」

美都「ううん。一人でだいじょう・・・・・わぁっ!」




ケータイを取り上げられ、山下さんは要さんに言った。




山下「減るもんじゃないんだからいいだろ。許可は取った。じゃーな。」ピッ・・・




そう言ってケータイを切ってしまった。




山下「ほら、行くよー。」



私の体を押しながらカフェに入ろうとする山下さん。




美都「ちょ・・っ!」

山下「いいだろ?もしかしたらこれがきっかけで佐々木より俺のほうを好きになるかもしれないし。」

美都「・・・・へ!?」

山下「ちょっとだけ・・・チャンスをくれよ。」




何を言ってるのか分からず、私は全体重を使ってお店の入り口に踏みとどまった。




美都「何を言ってるんですか!?」

山下「おれ、キミが気になる。佐々木の彼女ってわかってる。人の彼女を奪う趣味はないけど・・・気になる気持ちは止められない。」






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