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悪魔・堕天使 - Devils and Fallen angels -

ベレト

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 ベレト


 八十五の軍団を率いる強大にして恐るべき王で、男女間の愛情をかき立て、魔術師の欲望を満たす能力を持つ。『ソロモンの小さき鍵』によれば、ソロモンの七十二柱の悪魔中、序列第十三位。召喚されると、トランペットを始め、あらゆる楽器が奏でられるなか、蒼ざめた馬に乗った姿で現れる。初召喚時には怒り狂っているので、まずベレトの気を鎮めなければならない。召喚者はハシバミでできた杖を南と東に向かって打ち振り、三角形を描いてから「精霊の誓約と束縛により、三角のうちに入れ」と命令する。従わない場合は儀式を繰り返して束縛を強めるのだが、偉大な王に対する臣下の礼を保つ必要がある。また、召喚者はアシュタロト同様、精霊の炎の息から身を守るため、左手の中指にはめた銀の指輪を眼前に掲げる必要がある。ヨハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国』では、八十あるいは八十五の軍団を従えるビレトとして、二十番目に名前があり、魔法の三角のなかにワインを置いておくと、心を許してくれるという。かつて能天使パワーの位階に属していたビレトは、いつか第七天の玉座(第七天の座天使と解釈されることも)への復帰を願っているという。第七天とは、ユダヤの伝承で最高天を意味する。昔の人々は、惑星や月、太陽などがバラバラに動くのを見て、それぞれが別々の高さ、別々の層になっており、天の各層にぞれぞれの星が貼りついている、と考えた。当時知られていた惑星は、水星から土星までの五つ。これに月と太陽を加えた、計七つの天があると考えられていた。なお、西洋で「蒼ざめた馬」といえば、「ヨハネの黙示録アポカリプス」に登場する四人の騎士、「戦争」「飢饉」「疫病」「死」のうちの、死の騎士がまたがる馬の色である。「蒼ざめた馬」あるいは「蒼ざめた乗り手」とは死神を指す。「蒼」は黙示録の原典ではギリシャ語の「クロロス」であり、直訳は「緑」。変色した死体の、どす黒い色を表すのだろう。
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