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日本 ‐ Japan ‐
アマビエ
しおりを挟むアマビエ
弘化三(一八四六)年、肥後国(現在の熊本県)に現れた妖怪。海中に毎夜、光るものが出たという。土地の役人が行ってみると、海中から怪しげな化け物が現れた。その姿は、全体的には人魚のようだが、髪の毛が長く、顔には鳥のようなクチバシがあった。役人が驚いていると、その化け物は「私は海の中に棲むアマビエというものである。当年から六ヶ年の間は諸国豊作が続くだろう。しかし、病気が流行するようなことがあれば、私の写し絵を早々に人々へ見せよ」と言い残し、再び海中に潜ってしまった。その後、予言は的中したという。水木しげるは著書の中で「予言といえば、人魚のような姿をした神社姫や、牛が産み落とす件という予言の上手な妖怪がいるが、このアマビエもそれらの親類かもしれない。それにしても、海中からいきなり出てきて予言などというのは、やはり神に近い妖怪なのだろう。いや、妖怪というより神怪とでもいうべきものか……」と綴っている。また、西洋では、海中に棲む生き物には、すべて予言の能力があるなどと言われている。中でも人魚についての伝説は多く、半人半魚のものが海中から現れて予言をするといった例は、あまり珍しくもないようだ。
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