上 下
47 / 75
ヨーロッパ・アジア - Eurasia -

レヴァイアサン

しおりを挟む



 レヴァイアサン


 ドラゴンもしくは蛇状の、非常に巨大な原初の怪物。『旧約聖書きゅうやくせいしょ』の『ヨブ記』に登場し、体長はゆうに一五〇〇キロメートルにも及び、七つの頭には三百を超える目を持っていると言われる。鼻の穴からは煙が出ており、口からは灼熱しゃくねつの炎を吐き出す。身体は二重のよろいまとっているとも、堅固なたての列でできているとも伝えられていることから、分厚いうろこを持っていたと考えられる。強大な力を持ち不死身とも言われており、地上において強大な力を誇っていたドラゴンでさえ、レヴァイアサンのえさに過ぎなかった。さまざまな神話や伝説でも語られ、伝えられている姿はさまざまであり、くじらわになどがモチーフになっているとする説もある。また、レヴィアタンとも呼ばれ、名前には「とぐろを巻いたもの」という意味があるらしく、長い身体をしていたと思われる。アッカド神話の石板に書かれたものが最古のようで、これによると、もともとの名前は「リタン(ロタン)」または「シャーリート」と呼ばれており、死の神である「モート」の配下として日食や月食を起こすされている。また、カバに似た巨大な幻獣であるベヒーモスと対で語られることがあり、「レヴァイアサンとベヒーモスが、世界の終わりとされる『審判の日』に人々を滅ぼそうとする」という言い伝えがある。『イザヤ書』の中では、神がリヴァイアサンを罰すると記された箇所があり、このことから、ときには神とも敵対するほどの存在であったとも言われる。またそれとは別に、神が最初に創造したのが、雌雄のレヴァイアサンという話もある。しかし、その子孫が繁殖すると、世界がレヴァイアサンの眷属けんぞくで埋め尽くされてしまうという考えから、造ったはいいものの、結局、一方のレヴァイアサンを殺してしまったという。
しおりを挟む

処理中です...