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中国 ‐ China ‐

霊亀

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 霊亀れいき


 麒麟きりん鳳凰ほうおうなどとともに、聖なる獣とされる四霊しれいに数えられる。『列子れっし湯問篇とうもんへんには、五つの山を支えるほど巨大な亀が登場する。それによれば、渤海ぼっかいの東の遥か彼方に帰墟ききょという底なしの谷があり、世界中のあらゆる水がそこへ注ぎ込んでいた。その帰墟の海には、岱輿たいよ員嶠いんきょう瀛州えいしゅう方壺ほうこ方丈ほうじょう)、蓬萊ほうらいの五つの山々が浮かんでおり、これらを頭の上に乗せて固定しているのが霊亀である。計十五匹の亀が三班に分かれ、六万年に一度で役割を交代する。山の周囲はそれぞれ一万二千キロメートルもあるが、もともとこれらの山は海底と繋がってはおらず、潮流に任せて海上を漂っているだけだった。山には多くの仙人や純白の鳥獣たちが住み、黄金や宝石で築かれた高楼がそびえ建ち、不老不死の実をつける木が林立している。当てもなく漂流するのは困ると、そこを住処すみかにしていた仙人たちが訴え、それを天帝てんていは聞き入れたそうだ。ちなみに、西暦七一五年十月頃から約二年二ヶ月の間、日本で使われた元号に、霊亀というものがある。これは、第四十四代・元正げんしょう天皇の即位を記念して亀が献上されたことによる祥瑞しょうずい改元だった。
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