世界の「妖怪・怪物・幻獣・神獣・神様・悪魔」図鑑

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月読命

　月読命つくよみのみこと


　古事記こじきや日本書紀にほんしょきなどに登場する、夜の国を統治している月の神様。月弓尊つくゆみのみことや月夜見尊などとも表記し、神名の「月を読む」とは暦（太陰暦）を意味することから、農耕や漁猟の神でもあるとされる。イザナギが右目を洗ったときに生まれた神で、天照大御神あまてらすおおみかみや須佐之男命すさのおのみこと（素戔嗚尊）とともに「三貴子みはしらのうずのみこ」の一柱と称される。日本書紀に記された異伝によると、食材を自らの口から吐き出した保食神うけもちのかみ（五穀豊穣の女神）に対して、いくらもてなすためとは言え「穢けがらわしい」と剣を抜いて殺してしまった。これに怒った天照大御神は月読命と離れて暮らすことになり、これを昼と夜ができた原因であると日本書紀では説明しているが、この五穀豊穣の女神（古事記では大気都比売神おおげつひめのかみ）を斬り殺す役割を、古事記では須佐之男命としている。日本書紀の別の異伝によると、青海原を統治するようイザナギから命じられたとあり、海の統治を任された須佐之男命との共通点も多いため、この二柱を同一神とする説もある。