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章第二「茨木童子」
※注釈(一)
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東雲色に染まった暁の空を……東雲色は、夜明けの空を思わせる、やや橙がかった桃色で、早暁の空に浮かぶ雲の色を表す。曙色とほぼ同じ色とされる。(ビジュアルだいわ文庫『暮らしの中にある日本の伝統色』著者:和の色を愛でる会) 東雲も暁も、明け方を意味する言葉(『大辞泉』小学館)。
褌を引き締める……実際にある表現は「褌を締めてかかる」。もしくは「緊褌一番」で、意味は同じ。「緊褌」は褌をきつく締めること。「一番」はここ一番の勝負、思い切った試みの意。大事の前の心構えをいったもの。決意を堅くして、物事に取り組むこと。大きなことに当たるときに、心を大いに引き締めること。気合を入れて、ことに当たるさま。(『大きい活字の四字熟語辞典』新星出版社)
髀肉を嘆かないでください……中国の故事「髀肉之嘆」から引用した、市兵衛の台詞。実力・手腕を持っていても、その力を発揮する場に恵まれないのを嘆くこと。むなしく日々を過ごす無念の意。「髀」は「脾」、「嘆」は「歎」とも書く。『三国志』蜀志・先主伝・注から、蜀の劉備が、戦闘もないので馬に乗る機会もなく、もも(髀)の内側に贅肉がついてしまったと嘆いたことから。(『大きい活字の四字熟語辞典』新星出版社)
だらうか……「だろうか」の意。誤字ではない。
甚だ快し……『日本書紀』の記述を引用したもの。保食神から生じた稲種を田に植えたあとの場面で「其の秋の垂穎、八握に莫莫然ひて、甚だ快し(『日本書紀 一』岩波文庫)」という言葉が続く。
喜能会之故真通……詳細は「今回の古典」にて。
鬼の霍乱……普段は丈夫で健康そのものの人が、思いがけなく病気に罹ること。「霍乱」とは日射病や食当たりのことで、鬼が暑気当たりすることなど、思いも寄らぬことから。(『大きい活字の故事・ことわざ辞典』新星出版社)
倉稲魂命……稲荷社の祭神として知られ、稲霊(穀物の精霊)であるとともに、食物を司る神様とされる(『カラー版 日本の神様100選』宝島社)。日本の神話に登場する神で、『古事記』によれば、宇迦之御魂神と表記され、須佐之男命と神大市比売とのあいだに生まれた御子神。別名として「御饌津神」「三狐神」「保食神」などがある。(『日本の神社(16)伏見稲荷大社』デアゴスティーニ・ジャパン)
物忌み……神事などのため、ある期間、飲食・言行などを慎み、沐浴をするなどして、心身のけがれを除くこと。また、夢見の悪いときや、けがれに触れたとき、暦の凶日などに、家にこもるなどして身を慎むこと。(『大辞泉』小学館)
グルメテーブルかけ……藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具のひとつ。テーブルクロス型の道具で、これをテーブルや床に敷き、食べたい料理をリクエストすると、その料理が出現する。味も絶品で、自称食通のスネ夫が「悔しいけど、こんなに美味い物は食べたことがない」と評したほど。それだけでなく、どれだけ食べ物を出現させたとしても、あるいは高級料理を数多く出現させたとしても、作中での描写を見る限り、あとからお金を請求されたことは一度もない。『創世日記』では、ドラえもんが「ドラ焼きどんぶり」という料理をリクエストしたのだが、その際もドラえもんが望んでいた食べ物を出現させている。このことからわかるとおり、現実に存在しない料理でも出現させることが可能。それだけでなく、人間以外の動物の餌を出現させることもできる。実際に『雲の王国』では、ムカシダイダラアホウドリの餌を出現させている。派生作品2013年版「何が何でもお花見を」では、ドラえもんが「お花見のご馳走」という曖昧なリクエストを出した際、弁当やジュース等といった花見に合う食事を出現させる様子が描かれている。水田版アニメ「サクラいっぱい大作戦」では、ドラえもんが花見用の食事を用意する為にこの道具を取り出した際、彼が何もリクエストを出していないにもかかわらず、花見に相応しいご馳走を自動的に出現させる様子が描かれている。(ピクシブ百科事典 https://dic.pixiv.net/a/グルメテーブルかけ)
あたしの頭には神が宿ってるから……ことわざ「正直の頭に神宿る」をもとにした、彩のセリフ。暗に「正直者」だということを訴えている。正直な人には、おのずから神の加護がある(『大辞泉』小学館)という意味。神は正直の頭に宿る、とも。十訓抄(一二五二)には「正直の者の頭にやどらんと誓はせ給」、曽我物語(南北朝頃)には「神明は、しゃうじきのかうべにやどりたまふ事なれば、さだめて天の加護もあるべからず、冥の照覧もおそろし」という記述がある(『日本国語大辞典 第二版』小学館)。
健啖家……好き嫌いなくよく食べる、食欲の旺盛な人(『大辞泉』小学館)。「大食漢」と同義だが、ふつう男性についていう(『大辞泉』小学館)ため、健啖家のほうが両性に使える。
掛けまくも畏き伊邪那岐大神(後略)……神祭りの儀式において祭司(神主)が、神の前で唱える言葉である祝詞の一種。祝詞は大別すると、神事の始めにまず神職や参列者のお祓いをおこなうための祓詞と、神に対して祀る側(人間)の意志や願望を申しあげる祝詞がある。一般に祝詞というときには後者のことをさす。祝詞には、末尾が「宣る」で終わる宣命式(祭りに従事する神主などに「神に対してこれこれのことを申しあげなさい」と指示する言い方)と、「申(白)す」で終わる奏上式(神に直接奏上する言い方)の二種類あり、祭りによって使い分けられる。なお、祝詞は神が宣下(命令)する言葉であるという解釈もあるが、『延喜式』に収録されている現存する最古の祝詞は、すべて神に奏上する形式になっていて宣下の形式はみられない。本章で彩が口にした祝詞は、伊耶那岐命の故事にちなむもので、禊をして清々しい心で神に向かうという意味から、神事の前に必ず唱えられている。(『「日本の神様」がよくわかる本』PHP文庫)
褌を引き締める……実際にある表現は「褌を締めてかかる」。もしくは「緊褌一番」で、意味は同じ。「緊褌」は褌をきつく締めること。「一番」はここ一番の勝負、思い切った試みの意。大事の前の心構えをいったもの。決意を堅くして、物事に取り組むこと。大きなことに当たるときに、心を大いに引き締めること。気合を入れて、ことに当たるさま。(『大きい活字の四字熟語辞典』新星出版社)
髀肉を嘆かないでください……中国の故事「髀肉之嘆」から引用した、市兵衛の台詞。実力・手腕を持っていても、その力を発揮する場に恵まれないのを嘆くこと。むなしく日々を過ごす無念の意。「髀」は「脾」、「嘆」は「歎」とも書く。『三国志』蜀志・先主伝・注から、蜀の劉備が、戦闘もないので馬に乗る機会もなく、もも(髀)の内側に贅肉がついてしまったと嘆いたことから。(『大きい活字の四字熟語辞典』新星出版社)
だらうか……「だろうか」の意。誤字ではない。
甚だ快し……『日本書紀』の記述を引用したもの。保食神から生じた稲種を田に植えたあとの場面で「其の秋の垂穎、八握に莫莫然ひて、甚だ快し(『日本書紀 一』岩波文庫)」という言葉が続く。
喜能会之故真通……詳細は「今回の古典」にて。
鬼の霍乱……普段は丈夫で健康そのものの人が、思いがけなく病気に罹ること。「霍乱」とは日射病や食当たりのことで、鬼が暑気当たりすることなど、思いも寄らぬことから。(『大きい活字の故事・ことわざ辞典』新星出版社)
倉稲魂命……稲荷社の祭神として知られ、稲霊(穀物の精霊)であるとともに、食物を司る神様とされる(『カラー版 日本の神様100選』宝島社)。日本の神話に登場する神で、『古事記』によれば、宇迦之御魂神と表記され、須佐之男命と神大市比売とのあいだに生まれた御子神。別名として「御饌津神」「三狐神」「保食神」などがある。(『日本の神社(16)伏見稲荷大社』デアゴスティーニ・ジャパン)
物忌み……神事などのため、ある期間、飲食・言行などを慎み、沐浴をするなどして、心身のけがれを除くこと。また、夢見の悪いときや、けがれに触れたとき、暦の凶日などに、家にこもるなどして身を慎むこと。(『大辞泉』小学館)
グルメテーブルかけ……藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具のひとつ。テーブルクロス型の道具で、これをテーブルや床に敷き、食べたい料理をリクエストすると、その料理が出現する。味も絶品で、自称食通のスネ夫が「悔しいけど、こんなに美味い物は食べたことがない」と評したほど。それだけでなく、どれだけ食べ物を出現させたとしても、あるいは高級料理を数多く出現させたとしても、作中での描写を見る限り、あとからお金を請求されたことは一度もない。『創世日記』では、ドラえもんが「ドラ焼きどんぶり」という料理をリクエストしたのだが、その際もドラえもんが望んでいた食べ物を出現させている。このことからわかるとおり、現実に存在しない料理でも出現させることが可能。それだけでなく、人間以外の動物の餌を出現させることもできる。実際に『雲の王国』では、ムカシダイダラアホウドリの餌を出現させている。派生作品2013年版「何が何でもお花見を」では、ドラえもんが「お花見のご馳走」という曖昧なリクエストを出した際、弁当やジュース等といった花見に合う食事を出現させる様子が描かれている。水田版アニメ「サクラいっぱい大作戦」では、ドラえもんが花見用の食事を用意する為にこの道具を取り出した際、彼が何もリクエストを出していないにもかかわらず、花見に相応しいご馳走を自動的に出現させる様子が描かれている。(ピクシブ百科事典 https://dic.pixiv.net/a/グルメテーブルかけ)
あたしの頭には神が宿ってるから……ことわざ「正直の頭に神宿る」をもとにした、彩のセリフ。暗に「正直者」だということを訴えている。正直な人には、おのずから神の加護がある(『大辞泉』小学館)という意味。神は正直の頭に宿る、とも。十訓抄(一二五二)には「正直の者の頭にやどらんと誓はせ給」、曽我物語(南北朝頃)には「神明は、しゃうじきのかうべにやどりたまふ事なれば、さだめて天の加護もあるべからず、冥の照覧もおそろし」という記述がある(『日本国語大辞典 第二版』小学館)。
健啖家……好き嫌いなくよく食べる、食欲の旺盛な人(『大辞泉』小学館)。「大食漢」と同義だが、ふつう男性についていう(『大辞泉』小学館)ため、健啖家のほうが両性に使える。
掛けまくも畏き伊邪那岐大神(後略)……神祭りの儀式において祭司(神主)が、神の前で唱える言葉である祝詞の一種。祝詞は大別すると、神事の始めにまず神職や参列者のお祓いをおこなうための祓詞と、神に対して祀る側(人間)の意志や願望を申しあげる祝詞がある。一般に祝詞というときには後者のことをさす。祝詞には、末尾が「宣る」で終わる宣命式(祭りに従事する神主などに「神に対してこれこれのことを申しあげなさい」と指示する言い方)と、「申(白)す」で終わる奏上式(神に直接奏上する言い方)の二種類あり、祭りによって使い分けられる。なお、祝詞は神が宣下(命令)する言葉であるという解釈もあるが、『延喜式』に収録されている現存する最古の祝詞は、すべて神に奏上する形式になっていて宣下の形式はみられない。本章で彩が口にした祝詞は、伊耶那岐命の故事にちなむもので、禊をして清々しい心で神に向かうという意味から、神事の前に必ず唱えられている。(『「日本の神様」がよくわかる本』PHP文庫)
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