28 / 63
章第二「茨木童子」
(三)鬼女の脚を奪はれまいと
しおりを挟む
「ふぎゃっ!」
風が巻き起こった瞬間、市兵衛は屋根の上から戦況を観察していた。
風の一端がぶつかっただけなのか、それとも鬼女本体がぶつかってきたのか、スピードが速すぎて見えなかったが、身体を吹き飛ばされてしまったのだということだけは、市兵衛にもわかった。
屋根を数メートル転がり、背中を強打して勢いづいた身体は、そのまま上空へと放り出される。
このとき市兵衛は、一匹だけ戦いに加わらず、別の作業をおこなっていた。咥えていた鬼女の右足をそばへ置き、前脚を使って、器用に団子の入っていた風呂敷を広げる。
そして、代わりに鬼女の右足を入れて包み、また器用に結んだコブの部分を咥えて、そっと屋根から下を覗き込んでいたのだ。
身体が空中に放り出されたとき、悲鳴を上げた市兵衛の口から風呂敷が離れてしまう。市兵衛が回転するたび、目の端に捉えた風呂敷の大きさは、どんどんと小さくなっていく。
制御の利かない空中ではどうしようもなく、前脚を伸ばしてみても届きそうにない。そう思って人間に化けてみるも、わずかに風呂敷へは腕が届かなかった。
「痛っ……」
努力の甲斐虚しく、人間の姿のまま落下を続けていき、激痛が全身を襲った。受け身に失敗した市兵衛は、地面を転がって樹木へ頭を打ちつける。
市兵衛は、しばらくその場で悶絶していた。
起き上がりながら、背中を摩ろうとしたとき、そこで初めて、自分が一糸纏わぬ姿であることを知る。
見おろすと、まず目に飛び込んできたのは、くっきりと割れた谷間。
頭を撫でれば、髪の毛のあいだから耳が生え、腰を捻って臀部を確認すると、尻尾が生えているだけで、ほとんどがメスのヒト型だった。
道理で変化を解けないほどの痛みだ、と市兵衛は納得する。
胡坐をかき、人間、まして裸の状態では、そりゃあ一階半の高さから落ちたらそうなるわな……。どうして人間には毛がなく、こんなにも身体能力が低いのだろう。
「なにをしているんだ。大丈夫か?」
とおりかかった弥兵衛が、心配そうに、はたまた憐れむように、駆け寄ってくる。市兵衛から、一部始終の報告を受けた弥兵衛は、呆れたように嘆息した。
「手だけをヒト型にすればよかっただろ」
ぐうの音も出ない。だが、わかってはいても気が動転してて、服を形成するだけの余裕がなかったのだ。
ましてや、手だけなんて。そこまで気が回っていたら、こうはなっていない。反論する材料を求めて前のめりになるが、どこからともなく主の声が聞こえ、二匹とも条件反射的に姿勢を正した。
青菜に塩を振ったかのように垂れていた耳も、市兵衛はピンと立たせる。弥兵衛が耳を澄ませながら、静かに呟いた。
「倉稲魂命さまが呼んでる……長く持ち場を離れすぎたみたいだな」
どちらかが境内にいなくてはならない決まりだ。痛みが徐々に引いてきたので、きょうの当直である市兵衛が、受持稲荷神社に向かうため、姿を消す。
その市兵衛と入れ違いで、家の北側から彩が歩いてくる。鬼を取り逃がしたことに、まだ不服そうな表情を浮かべていた彩は、不機嫌な様子のまま、弥兵衛に向かって質問を投げかけた。
「あの右脚は?」
「あ……。……あれ?」
人目につけず持ち運ぶため、風呂敷に包んでおくよう指示を出した弥兵衛が、ついさっきの記憶を手繰り寄せてみても、そういえば、それらしき物体を市兵衛は持ってなどいなかった、ということを思い出す。
右脚がいったいどこに行ってしまったのか、彩は考えを巡らせた。屋根から市兵衛の転がっていた場所までの直線距離上に、稲穂の部屋へと通ずる、開きっぱなしになったままの窓が存在する。それを見上げ、嫌な予感とともに彩は閃くものがあった。
彩と弥兵衛は、慌てて風除室のなかへ飛び込んだ。玄関を開けてリビングの横を素どおりした彩は、そのまま二階へと上がっていく。
早苗は突然の訪問に、一瞬だけ驚いた様子だったが、入ってきたのが見知った人物だとわかり、すぐにパソコンへと向きなおる。軽く「いらっしゃい」と会釈し、タイピング音を響かせて仕事を再開した。
弥兵衛が物陰へひそみ、彩だけ二階へ到着すると、稲穂の部屋の扉を開ける。稲穂は自室のなかで尻餅をつき、さっき見たときと同じ体勢のまま、ほとんど動いていないようだった。
いきなり現れた人物に対し、稲穂は腰を抜かしたまま目を丸くしている。相手が先ほどの鬼ではないことに気づき、幾分か安堵したように見えたが、まったく彩たちの心は休まらない。
稲穂の隣りに落ちている物体へと目を向ける。そこにあったのは、案の定、見覚えのある風呂敷だ。「一階に下りてきて」
風呂敷を拾い上げ、なにごともなかったかのように、急いで背後へと隠す。稲穂を先に階段から下ろさせ、向かって左側に見えるリビングへ行かせた。
パソコン作業を続ける早苗の横で、彩は風呂敷を置き、稲穂のもとへと歩み寄っていく。
わずかに風呂敷から、右足の親指が飛び出しているのを見てしまったが、それに気づかせまいと、彩は稲穂の気を逸らせるように話しかける。
「これから一週間、この部屋に籠って『物忌み』をしてほしいのよ」
「も、ものいみ……?」
目を瞬く稲穂に対し、彩は神妙に頷いた。
「説明はあと。……そうだね。とりあえず炊飯器から、お米をよそってきて」
…………。
……。
正午近く、五瀬家から北東に数キロ離れた山の中。五、六体ほどの鬼たちが取り囲んだ、その中心で、鬼女が息も絶え絶えに這いつくばっていた。
その鬼女の右足は切断されており、ひどく痛々しそうだと、周囲の鬼たちも顔を顰める。
鬼といえど自然治癒だけで、また足やら手やらが生えてくるわけじゃない。ましてや、この娘は人間の血も多く混ざっている。
「……派手にやられたな」
「お父上……」
痛みを必死に堪えていると、食いしばった歯の隙間から、犬歯よりも鋭く尖ったキバが見えた。
「申し訳、ありません……でも、油断していただけで……今度こそはっ」
「謝るな。こちらの失態だ」懇願しようと口を開きかけた鬼女を遮り、お父上と呼ばれた別の鬼が首を大きく振った。
「それで、誰にやられた? 後胤は、おとといに力を出したばかりで、まだ自力では無理なんだろう?」
「はい。女の子とキツネが……」慎重に言葉を選びながら、鬼女は話を続ける。
「たぶん後胤の随身と、そのまた御付のモノかと……」
「そうか。霊能力者と管狐みたいなものか?」
「それは、わかりませんが。関係性でいえば、そんな感じかと……」
「朱雀」
鬼女が言い終わらないうちに、お父上と呼ばれた鬼は、朱雀と呼んだ鬼のほうへ、頭だけを向ける。
「……ひとつ、頼まれてくれるか?」
まるで意に介さないかのように、朱雀はふたつのサイコロを指で弾いた。弾かれたサイコロは、空中を何回転かしたのち、茂みの多い地面へと、すっぽり収まって着地する。
草花をかき分けてそれらを確認してみると、どちらも三の目が上を向いて止まっていた。頼みごとがなにかは訊くまでもない。朱雀は嬉々として答えた。
「ああ……きょうは気分がいい。サンゾロの丁だ。なんでも引き受けてやる」
風が巻き起こった瞬間、市兵衛は屋根の上から戦況を観察していた。
風の一端がぶつかっただけなのか、それとも鬼女本体がぶつかってきたのか、スピードが速すぎて見えなかったが、身体を吹き飛ばされてしまったのだということだけは、市兵衛にもわかった。
屋根を数メートル転がり、背中を強打して勢いづいた身体は、そのまま上空へと放り出される。
このとき市兵衛は、一匹だけ戦いに加わらず、別の作業をおこなっていた。咥えていた鬼女の右足をそばへ置き、前脚を使って、器用に団子の入っていた風呂敷を広げる。
そして、代わりに鬼女の右足を入れて包み、また器用に結んだコブの部分を咥えて、そっと屋根から下を覗き込んでいたのだ。
身体が空中に放り出されたとき、悲鳴を上げた市兵衛の口から風呂敷が離れてしまう。市兵衛が回転するたび、目の端に捉えた風呂敷の大きさは、どんどんと小さくなっていく。
制御の利かない空中ではどうしようもなく、前脚を伸ばしてみても届きそうにない。そう思って人間に化けてみるも、わずかに風呂敷へは腕が届かなかった。
「痛っ……」
努力の甲斐虚しく、人間の姿のまま落下を続けていき、激痛が全身を襲った。受け身に失敗した市兵衛は、地面を転がって樹木へ頭を打ちつける。
市兵衛は、しばらくその場で悶絶していた。
起き上がりながら、背中を摩ろうとしたとき、そこで初めて、自分が一糸纏わぬ姿であることを知る。
見おろすと、まず目に飛び込んできたのは、くっきりと割れた谷間。
頭を撫でれば、髪の毛のあいだから耳が生え、腰を捻って臀部を確認すると、尻尾が生えているだけで、ほとんどがメスのヒト型だった。
道理で変化を解けないほどの痛みだ、と市兵衛は納得する。
胡坐をかき、人間、まして裸の状態では、そりゃあ一階半の高さから落ちたらそうなるわな……。どうして人間には毛がなく、こんなにも身体能力が低いのだろう。
「なにをしているんだ。大丈夫か?」
とおりかかった弥兵衛が、心配そうに、はたまた憐れむように、駆け寄ってくる。市兵衛から、一部始終の報告を受けた弥兵衛は、呆れたように嘆息した。
「手だけをヒト型にすればよかっただろ」
ぐうの音も出ない。だが、わかってはいても気が動転してて、服を形成するだけの余裕がなかったのだ。
ましてや、手だけなんて。そこまで気が回っていたら、こうはなっていない。反論する材料を求めて前のめりになるが、どこからともなく主の声が聞こえ、二匹とも条件反射的に姿勢を正した。
青菜に塩を振ったかのように垂れていた耳も、市兵衛はピンと立たせる。弥兵衛が耳を澄ませながら、静かに呟いた。
「倉稲魂命さまが呼んでる……長く持ち場を離れすぎたみたいだな」
どちらかが境内にいなくてはならない決まりだ。痛みが徐々に引いてきたので、きょうの当直である市兵衛が、受持稲荷神社に向かうため、姿を消す。
その市兵衛と入れ違いで、家の北側から彩が歩いてくる。鬼を取り逃がしたことに、まだ不服そうな表情を浮かべていた彩は、不機嫌な様子のまま、弥兵衛に向かって質問を投げかけた。
「あの右脚は?」
「あ……。……あれ?」
人目につけず持ち運ぶため、風呂敷に包んでおくよう指示を出した弥兵衛が、ついさっきの記憶を手繰り寄せてみても、そういえば、それらしき物体を市兵衛は持ってなどいなかった、ということを思い出す。
右脚がいったいどこに行ってしまったのか、彩は考えを巡らせた。屋根から市兵衛の転がっていた場所までの直線距離上に、稲穂の部屋へと通ずる、開きっぱなしになったままの窓が存在する。それを見上げ、嫌な予感とともに彩は閃くものがあった。
彩と弥兵衛は、慌てて風除室のなかへ飛び込んだ。玄関を開けてリビングの横を素どおりした彩は、そのまま二階へと上がっていく。
早苗は突然の訪問に、一瞬だけ驚いた様子だったが、入ってきたのが見知った人物だとわかり、すぐにパソコンへと向きなおる。軽く「いらっしゃい」と会釈し、タイピング音を響かせて仕事を再開した。
弥兵衛が物陰へひそみ、彩だけ二階へ到着すると、稲穂の部屋の扉を開ける。稲穂は自室のなかで尻餅をつき、さっき見たときと同じ体勢のまま、ほとんど動いていないようだった。
いきなり現れた人物に対し、稲穂は腰を抜かしたまま目を丸くしている。相手が先ほどの鬼ではないことに気づき、幾分か安堵したように見えたが、まったく彩たちの心は休まらない。
稲穂の隣りに落ちている物体へと目を向ける。そこにあったのは、案の定、見覚えのある風呂敷だ。「一階に下りてきて」
風呂敷を拾い上げ、なにごともなかったかのように、急いで背後へと隠す。稲穂を先に階段から下ろさせ、向かって左側に見えるリビングへ行かせた。
パソコン作業を続ける早苗の横で、彩は風呂敷を置き、稲穂のもとへと歩み寄っていく。
わずかに風呂敷から、右足の親指が飛び出しているのを見てしまったが、それに気づかせまいと、彩は稲穂の気を逸らせるように話しかける。
「これから一週間、この部屋に籠って『物忌み』をしてほしいのよ」
「も、ものいみ……?」
目を瞬く稲穂に対し、彩は神妙に頷いた。
「説明はあと。……そうだね。とりあえず炊飯器から、お米をよそってきて」
…………。
……。
正午近く、五瀬家から北東に数キロ離れた山の中。五、六体ほどの鬼たちが取り囲んだ、その中心で、鬼女が息も絶え絶えに這いつくばっていた。
その鬼女の右足は切断されており、ひどく痛々しそうだと、周囲の鬼たちも顔を顰める。
鬼といえど自然治癒だけで、また足やら手やらが生えてくるわけじゃない。ましてや、この娘は人間の血も多く混ざっている。
「……派手にやられたな」
「お父上……」
痛みを必死に堪えていると、食いしばった歯の隙間から、犬歯よりも鋭く尖ったキバが見えた。
「申し訳、ありません……でも、油断していただけで……今度こそはっ」
「謝るな。こちらの失態だ」懇願しようと口を開きかけた鬼女を遮り、お父上と呼ばれた別の鬼が首を大きく振った。
「それで、誰にやられた? 後胤は、おとといに力を出したばかりで、まだ自力では無理なんだろう?」
「はい。女の子とキツネが……」慎重に言葉を選びながら、鬼女は話を続ける。
「たぶん後胤の随身と、そのまた御付のモノかと……」
「そうか。霊能力者と管狐みたいなものか?」
「それは、わかりませんが。関係性でいえば、そんな感じかと……」
「朱雀」
鬼女が言い終わらないうちに、お父上と呼ばれた鬼は、朱雀と呼んだ鬼のほうへ、頭だけを向ける。
「……ひとつ、頼まれてくれるか?」
まるで意に介さないかのように、朱雀はふたつのサイコロを指で弾いた。弾かれたサイコロは、空中を何回転かしたのち、茂みの多い地面へと、すっぽり収まって着地する。
草花をかき分けてそれらを確認してみると、どちらも三の目が上を向いて止まっていた。頼みごとがなにかは訊くまでもない。朱雀は嬉々として答えた。
「ああ……きょうは気分がいい。サンゾロの丁だ。なんでも引き受けてやる」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
無職ニートの俺は気が付くと聯合艦隊司令長官になっていた
中七七三
ファンタジー
■■アルファポリス 第1回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■
無職ニートで軍ヲタの俺が太平洋戦争時の聯合艦隊司令長官となっていた。
これは、別次元から来た女神のせいだった。
その次元では日本が勝利していたのだった。
女神は、神国日本が負けた歴史の世界が許せない。
なぜか、俺を真珠湾攻撃直前の時代に転移させ、聯合艦隊司令長官にした。
軍ヲタ知識で、歴史をどーにかできるのか?
日本勝たせるなんて、無理ゲーじゃねと思いつつ、このままでは自分が死ぬ。
ブーゲンビルで機上戦死か、戦争終わって、戦犯で死刑だ。
この運命を回避するため、必死の戦いが始まった。
参考文献は、各話の最後に掲載しています。完結後に纏めようかと思います。
使用している地図・画像は自作か、ライセンスで再利用可のものを検索し使用しています。
表紙イラストは、ヤングマガジンで賞をとった方が画いたものです。
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
稲荷さま滞在奇譚
ミツメ
ファンタジー
強い霊感体質という点を除けばごく普通の人間である東雲由貴が、就職を機に京都・伏見へ越してきた。
大家の勧めで近所の稲荷大社へ挨拶参りに伺うと、そこに居たのは小さくなったお稲荷さまだった。
幼い頃から怪異に苦しめられてきた東雲は平凡な『普通』の生活を望むが、鴉天狗の襲撃から守ったことによって神や妖達の問題に巻き込まれた挙句、幼い稲荷大神に懐かれて一年間の同居生活をすることに。
神様に眷属、狐や龍、鴉天狗に大天狗、巫覡、鬼や怪異に至るまで。
東雲と稲荷大神を取り巻く八百万の宴が古都・京都にて今、始まる――。
※この物語はフィクションです。
実在の人物・団体・建物・名称等、一切関係ありません。
また、この作品は別のweb投稿サイトでも掲載しています。
度々、小説内容の見直しや修正を行う場合があります。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ラスト・シャーマン
長緒 鬼無里
歴史・時代
中国でいう三国時代、倭国(日本)は、巫女の占いによって統治されていた。
しかしそれは、巫女の自己犠牲の上に成り立つ危ういものだった。
そのことに疑問を抱いた邪馬台国の皇子月読(つくよみ)は、占いに頼らない統一国家を目指し、西へと旅立つ。
一方、彼の留守中、女大王(ひめのおおきみ)となって国を守ることを決意した姪の壹与(いよ)は、占いに不可欠な霊力を失い絶望感に伏していた。
そんな彼女の前に、一人の聡明な少年が現れた。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる