6 / 11
01.神霊出生の章
No.005「アメノトコタチ」
しおりを挟む
古事記で宇摩志阿斯訶備比古遅神に次いで生まれたのが、天之常立神である。
古事記においては最も重要視される、五柱いる「別天つ神」最後に名を連ねる神である。
日本書紀においては、第一段の一書第六にのみ、最初に誕生する神として登場する。
(No.004「ウマシアシカビヒコヂ」を参照)
それまでの神と同様、独神で子供はおらず、すぐに身を隠したと記されている。
そのため、神話には具体的なエピソードが一切なく、その役割や性格には諸説ある。
先代旧事本紀では、高天原の中心にいる神の一柱である天御中主尊と、アメノトコタチは同一なものとしている(No.001「アメノミナカヌシ」参照)。
神名の「天」は天神が住む高天原を指し、「常」は常に定まっていて変わらない様子を、「立」は「波が立つ」や「泡が立つ」のように、現象や状態が出現するさまを意味していると考えれば、高天原そのものを神格化し、天の恒常性が成立したことを表した神といえる。
また、「常」を「床」と捉えれば、高天原の地面、つまり天の礎が完成したことの象徴と考えることもできる。混沌とした大地から芽吹く葦のように、ウマシアシカビヒコヂが天を形成したことの象徴なら、アメノトコタチは、そうしてできた天を固定し、安定した状態にすることの象徴という解釈もできる。
古事記で天之常立神の次に生まれる、大地の形成を象徴する「クニノトコタチ」は古くから信仰されてきたが、それに比べアメノトコタチに対する信仰はほとんどない。
「クニノトコタチ」の対となる存在、もしくは「ウマシアシカビヒコヂ」と「クニノトコタチ」の間をつなぐ存在として、編纂する際に創作された神と考えられる。
そのため、天神五神(別天つ神)とともに客座神として、縁結びで知られる出雲大社(島根県出雲市)に祀られている。
そのほか、駒形神社(岩手県奥州市)などに祀られているのみで、この神を祀る神社は数少ない。
しかし、天つ神の中でも特別な「別天つ神」に含まれているほか、先代旧事本紀でも上述のとおり天御中主尊と同一視されているほど、この神は重要なポジションであることに疑いはない。
古事記においては最も重要視される、五柱いる「別天つ神」最後に名を連ねる神である。
日本書紀においては、第一段の一書第六にのみ、最初に誕生する神として登場する。
(No.004「ウマシアシカビヒコヂ」を参照)
それまでの神と同様、独神で子供はおらず、すぐに身を隠したと記されている。
そのため、神話には具体的なエピソードが一切なく、その役割や性格には諸説ある。
先代旧事本紀では、高天原の中心にいる神の一柱である天御中主尊と、アメノトコタチは同一なものとしている(No.001「アメノミナカヌシ」参照)。
神名の「天」は天神が住む高天原を指し、「常」は常に定まっていて変わらない様子を、「立」は「波が立つ」や「泡が立つ」のように、現象や状態が出現するさまを意味していると考えれば、高天原そのものを神格化し、天の恒常性が成立したことを表した神といえる。
また、「常」を「床」と捉えれば、高天原の地面、つまり天の礎が完成したことの象徴と考えることもできる。混沌とした大地から芽吹く葦のように、ウマシアシカビヒコヂが天を形成したことの象徴なら、アメノトコタチは、そうしてできた天を固定し、安定した状態にすることの象徴という解釈もできる。
古事記で天之常立神の次に生まれる、大地の形成を象徴する「クニノトコタチ」は古くから信仰されてきたが、それに比べアメノトコタチに対する信仰はほとんどない。
「クニノトコタチ」の対となる存在、もしくは「ウマシアシカビヒコヂ」と「クニノトコタチ」の間をつなぐ存在として、編纂する際に創作された神と考えられる。
そのため、天神五神(別天つ神)とともに客座神として、縁結びで知られる出雲大社(島根県出雲市)に祀られている。
そのほか、駒形神社(岩手県奥州市)などに祀られているのみで、この神を祀る神社は数少ない。
しかし、天つ神の中でも特別な「別天つ神」に含まれているほか、先代旧事本紀でも上述のとおり天御中主尊と同一視されているほど、この神は重要なポジションであることに疑いはない。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる