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38.魔法部隊
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アキラが転生してから、まず行ったのは、魔法を使える人を増やすことだった。
マリしか魔法が使えないので、できることが限られていた。
水、火、電気の供給、飛行魔法で物資の運搬、身体強化で土木作業のアップ、土魔法で建築など魔法を使える人が増えれば、増えるほど街の復興は進む。
アキラは生後三か月から四か月の間に、ダンジョン・コアと魂の魔法陣の情報から、人が魔法を使えるようになる方法を編み出した。
マリは、魔法が使える人を増やす計画を提案した。
こうして、アキラが生後五か月になった時に、救世主様から祝福してもらえるという儀式が始まった。ダンジョン・コアに触れたらマリが祝福の言葉を唱えるというものだった。みな歓喜して集まり、行列ができるほどだったので、午前五十名、午後五十名の予約制になった。
実際は、ダンジョン・コアから光の魔力線を伸ばして、ダンジョン・コアに触れている人の魂に繋げて、魔力を魂に刻み込むという方法だったが、これはアキラにしかできなかった。
そして誰でも魔力を得るわけではなかった。若ければ、若いほど成功率は高かった。三十歳以上はほぼゼロ。二十歳以上は二割以下、十六歳以上は三割。逆に胎児の場合は、ほぼ百パーセントだった。
魂に魔力線が繋がった後は、魔力を全身に広げていけば完成だ。これはマリにもできた。あとは各自でイメージトレーニングをしてもらった。
女性の方が魔力操作が得意で、魔法が使えた。逆に男性は身体強化の方が得意だった。女性は魔女、男性は超人と呼ばれた。もちろん例外もあった。男性でも魔法が得意で、女性でも身体強化が得意な人もいた。
そして妊娠三か月までの胎児は両方できた。両方できる子供たちは、後に新人類と呼ばれるようになる。
アキラが一歳の誕生日を迎える頃には、魔女千五百人、超人千五百人が誕生した。ここから一気に街の復興は加速していった。倒壊、半壊したビルや瓦礫が取り除かれ、道路が整備された。
アキラとマリは光魔法や土魔法も使えるようになっていたので、街に明かりが戻り、マンションが次々に造られ、市ヶ谷は本当の街として復活していった。
アキラが二歳になったとき、魔女と超人から優秀な者が百名づつ選ばれて、アキラとマリの特訓を受けることになった。選ばれたのは十五歳から十八歳の少年少女だった。誰もが憧れの救世主様から指導してもらえると感激していた。
マリがアキラを抱いてやってきた。近くで見ると、その美貌が際立ち、誰もが魅了さていた。救世主様の子煩悩は誰もが知る事実だったので、アキラを抱いてきていることに誰もおかしいとは思わなかった。
「こんにちわ、みなさん。これから、あなたがたを指導する西園寺マリとアキラです」
マリはお辞儀をして、アキラを地面に置いた。
「魔女の方々は、あちらで私が指導します。超人の方々は、向こうでアキラが指導します」
「えっ?二歳の赤ん坊に?」
みんな一瞬驚き、そして笑った。
「救世主様、いくら子煩悩だからって、冗談が過ぎますよ」
一人の少年が、アキラを指さして笑った。
すると二歳の赤ん坊は、スッと立って、いきなり高速で走って飛びかかった。
えっ!と思う間もなく、少年は十メートル先に飛ばされて気絶した。その男の子は十七歳で、この中で一番身体強化が得意な子だった。
みんな唖然とした。
マリが振り返って、微笑んだ。
「アキラは、あの英雄アキラの生まれ変わりです。二歳ですが、あななたちでは歯がたちませんよ。アキラ、怪我をさせないよう手加減を忘れないでね」
「英雄アキラ?誰それ?」と、みんな不思議がった。アキラも同様に思った。
マリは、前世のアキラを自慢したくて、この時からそう呼ぶようにしたのだが、結局誰も相手にしてくれなかった。
マリは踵を返すと、魔女の少女たちを連れて行った。
「今日は飛行魔法の特訓をします」
アキラは、次々に超人の少年たちに体当たりして、吹き飛ばしていた。身体強化して防いでも無駄で、吹き飛ばされた。逃げても追いつかれ、吹き飛ばされた。一時間後には、みんな疲れ果て、地面に倒れていた。
誰かがつぶやいた。
「スーパーベイビー」
おっ、それいいね。いただいた!アキラは心の中でつぶやいた。
アキラは、倒れている少年たち全員に意識を集中して、魔力操作で強化した。そこに魔女を連れたマリがやってきた。
「では、今日の最後の授業をします。お腹の中に意識を集中してください。温かく感じたり、あるいは光が見えると思います」
マリはみんなを見廻して、微笑んだ。
「さすが、みなさん、優秀です。これから毎日イメージトレーニングを各自行って下さい。今日はお疲れ様でした」
アキラが浮遊して、マリに抱っこされた。
「そうそう、言い忘れてましたが、アキラは誰よりも魔法が得意です。この私よりも」
マリは、得意げに笑みを浮かべ、優雅に一礼して、飛んで帰っていった。
アキラの噂はまたたくまに広まった。そして、こう呼ばれた
「神童アキラ」
いや、スーパーベイビーの方がいいんだけど、とアキラは思った。
こうして次々に優勝な少年少女が鍛えられていった。
アキラが三歳の誕生日を迎えた時に、魔女と超人による魔法部隊が創設された。
マリしか魔法が使えないので、できることが限られていた。
水、火、電気の供給、飛行魔法で物資の運搬、身体強化で土木作業のアップ、土魔法で建築など魔法を使える人が増えれば、増えるほど街の復興は進む。
アキラは生後三か月から四か月の間に、ダンジョン・コアと魂の魔法陣の情報から、人が魔法を使えるようになる方法を編み出した。
マリは、魔法が使える人を増やす計画を提案した。
こうして、アキラが生後五か月になった時に、救世主様から祝福してもらえるという儀式が始まった。ダンジョン・コアに触れたらマリが祝福の言葉を唱えるというものだった。みな歓喜して集まり、行列ができるほどだったので、午前五十名、午後五十名の予約制になった。
実際は、ダンジョン・コアから光の魔力線を伸ばして、ダンジョン・コアに触れている人の魂に繋げて、魔力を魂に刻み込むという方法だったが、これはアキラにしかできなかった。
そして誰でも魔力を得るわけではなかった。若ければ、若いほど成功率は高かった。三十歳以上はほぼゼロ。二十歳以上は二割以下、十六歳以上は三割。逆に胎児の場合は、ほぼ百パーセントだった。
魂に魔力線が繋がった後は、魔力を全身に広げていけば完成だ。これはマリにもできた。あとは各自でイメージトレーニングをしてもらった。
女性の方が魔力操作が得意で、魔法が使えた。逆に男性は身体強化の方が得意だった。女性は魔女、男性は超人と呼ばれた。もちろん例外もあった。男性でも魔法が得意で、女性でも身体強化が得意な人もいた。
そして妊娠三か月までの胎児は両方できた。両方できる子供たちは、後に新人類と呼ばれるようになる。
アキラが一歳の誕生日を迎える頃には、魔女千五百人、超人千五百人が誕生した。ここから一気に街の復興は加速していった。倒壊、半壊したビルや瓦礫が取り除かれ、道路が整備された。
アキラとマリは光魔法や土魔法も使えるようになっていたので、街に明かりが戻り、マンションが次々に造られ、市ヶ谷は本当の街として復活していった。
アキラが二歳になったとき、魔女と超人から優秀な者が百名づつ選ばれて、アキラとマリの特訓を受けることになった。選ばれたのは十五歳から十八歳の少年少女だった。誰もが憧れの救世主様から指導してもらえると感激していた。
マリがアキラを抱いてやってきた。近くで見ると、その美貌が際立ち、誰もが魅了さていた。救世主様の子煩悩は誰もが知る事実だったので、アキラを抱いてきていることに誰もおかしいとは思わなかった。
「こんにちわ、みなさん。これから、あなたがたを指導する西園寺マリとアキラです」
マリはお辞儀をして、アキラを地面に置いた。
「魔女の方々は、あちらで私が指導します。超人の方々は、向こうでアキラが指導します」
「えっ?二歳の赤ん坊に?」
みんな一瞬驚き、そして笑った。
「救世主様、いくら子煩悩だからって、冗談が過ぎますよ」
一人の少年が、アキラを指さして笑った。
すると二歳の赤ん坊は、スッと立って、いきなり高速で走って飛びかかった。
えっ!と思う間もなく、少年は十メートル先に飛ばされて気絶した。その男の子は十七歳で、この中で一番身体強化が得意な子だった。
みんな唖然とした。
マリが振り返って、微笑んだ。
「アキラは、あの英雄アキラの生まれ変わりです。二歳ですが、あななたちでは歯がたちませんよ。アキラ、怪我をさせないよう手加減を忘れないでね」
「英雄アキラ?誰それ?」と、みんな不思議がった。アキラも同様に思った。
マリは、前世のアキラを自慢したくて、この時からそう呼ぶようにしたのだが、結局誰も相手にしてくれなかった。
マリは踵を返すと、魔女の少女たちを連れて行った。
「今日は飛行魔法の特訓をします」
アキラは、次々に超人の少年たちに体当たりして、吹き飛ばしていた。身体強化して防いでも無駄で、吹き飛ばされた。逃げても追いつかれ、吹き飛ばされた。一時間後には、みんな疲れ果て、地面に倒れていた。
誰かがつぶやいた。
「スーパーベイビー」
おっ、それいいね。いただいた!アキラは心の中でつぶやいた。
アキラは、倒れている少年たち全員に意識を集中して、魔力操作で強化した。そこに魔女を連れたマリがやってきた。
「では、今日の最後の授業をします。お腹の中に意識を集中してください。温かく感じたり、あるいは光が見えると思います」
マリはみんなを見廻して、微笑んだ。
「さすが、みなさん、優秀です。これから毎日イメージトレーニングを各自行って下さい。今日はお疲れ様でした」
アキラが浮遊して、マリに抱っこされた。
「そうそう、言い忘れてましたが、アキラは誰よりも魔法が得意です。この私よりも」
マリは、得意げに笑みを浮かべ、優雅に一礼して、飛んで帰っていった。
アキラの噂はまたたくまに広まった。そして、こう呼ばれた
「神童アキラ」
いや、スーパーベイビーの方がいいんだけど、とアキラは思った。
こうして次々に優勝な少年少女が鍛えられていった。
アキラが三歳の誕生日を迎えた時に、魔女と超人による魔法部隊が創設された。
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