11 / 12
芳子の悩み
芳子の悩み
しおりを挟む
しばらくすると、芳子がやってくる。真理亜は正気に戻り、その紙を引き出しにしまった。
真理亜はインターフォンで芳子の姿を確認すると、すぐに玄関のドアを開けた。
「こんにちは、おじゃまします」
「どうぞ~」
真理亜は芳子を招きいれた。芳子は真理亜の様子が可笑しいと思った。
「何かあった?」
「うんうん。何も」
「あ。そうだ。このマンションにめっちゃ美形の男性いるよね」
芳子は嬉しそうに話した。真理亜はそれがすぐに来宮だと解った。
「ううん。いるね」
「噂によるとこのマンションのオーナーなんでしょう?」
「そうだね。大家さんだね」
「へー。大家さんってどんな人?」
芳子は来宮に興味津々だった。真理亜は来宮の先ほどの出来事を言うべきか迷った。
「どんな人?うーん。ちょっとなんとも」
「なんとも?どういうこと?」
真理亜は誤魔化したが、それでも言わなければいけない気がした。
「遊び人かな」
「あ、遊び人なの?」
「ううん。だって、その。さっきね」
真理亜は少し言うのを憚った。
「さっき?」
「ベランダでセックスしていた」
芳子は真理亜の発言に目を丸くした。よほど驚いたらしい。
来宮は見た目からモテそうではあるが、白昼に堂々と外でセックスをするように見えない。
真理亜は芳子の反応が妥当だと思った。きっと普段の来宮を見ている人は、そう思わないだろう。
「そ。そうなんだ。意外」
「うん。意外だよね」
芳子は意外と言いつつも、来宮に興味を示した。
「ねぇ。大家さんは独身なの?」
「独身だよ。離婚歴はあるけど」
「へぇ」
「え?まさか?」
「私でもイケるかな?」
芳子は照れくさそうに言った。真理亜は芳子の態度に驚いた。
芳子の見た目から、淫らなことが嫌いそうに見えたからだ。
「イケるって?遊ぶってこと?」
芳子は首を縦に振った。真理亜は想定外のことに驚くばかりだった。
真理亜はふと、先ほどの来宮の連絡先が頭を過ぎった。
「大家さんの名前、来宮っていうの。実は私、口説かれたよ」
真理亜は来宮が芳子と遊んで欲しくないと咄嗟に思った。
「えー!マジで!そうなの?で、真理亜さんは?どうするの?」
「えっと。その」
「ちょっと詳しく聞かせてよぉ」
真理亜は来宮からのアプローチを洗いざらい芳子に話した。
芳子はその話を興味津々に聞いた。真理亜は芳子の興奮具合に少し引く。
真理亜は自分で話したことを後悔した。これが他の人にでも漏れたら?と思えてきた。
「なんか、凄いね。でも、割り切った関係とかでもいいのでは?」
「え?ちょっと、まって」
「でもさ、旦那以外の人と関係持つって何か刺激的じゃない?」
芳子はにやにやとした。芳子は楽しくて仕方ないようだ。真理亜は少しため息をつく。
「でも、優貴はどうなるの?」
「隠れていればいいんじゃないの?私も憧れるけど、やれないっていうか」
「芳子さん。本当、どうしたの?」
真理亜は芳子の様子が可笑しい気がしてきた。不倫を容認するなんて、有り得ない気がした。
問い詰められた芳子は少し黙る。
「実はね」
「実は?」
「旦那が不倫している。それも人妻と」
「不倫?本当なの?」
「そうなの」
芳子は深刻そうな表情だった。思いつめ、自暴自棄になっているのだろうか。
真理亜は心配になった。
芳子は旦那の岬の不倫の内容を話し始めた。
岬は同僚の古谷宗の妻、璃子と不倫関係にあるらしい。
それも不倫というよりも肉体関係で、所謂セックスフレンドというものらしい。
同僚の古谷もそれを理解しているらしく、寧ろ、二人がやっているところを見て興奮しているらしい。
真理亜は全くの変態的思考に少し気持ち悪さを感じた。
それが露呈したのは、璃子が芳子に接触してきたらしい。それは今日の朝の出来事であった。
芳子の悩み 了
真理亜はインターフォンで芳子の姿を確認すると、すぐに玄関のドアを開けた。
「こんにちは、おじゃまします」
「どうぞ~」
真理亜は芳子を招きいれた。芳子は真理亜の様子が可笑しいと思った。
「何かあった?」
「うんうん。何も」
「あ。そうだ。このマンションにめっちゃ美形の男性いるよね」
芳子は嬉しそうに話した。真理亜はそれがすぐに来宮だと解った。
「ううん。いるね」
「噂によるとこのマンションのオーナーなんでしょう?」
「そうだね。大家さんだね」
「へー。大家さんってどんな人?」
芳子は来宮に興味津々だった。真理亜は来宮の先ほどの出来事を言うべきか迷った。
「どんな人?うーん。ちょっとなんとも」
「なんとも?どういうこと?」
真理亜は誤魔化したが、それでも言わなければいけない気がした。
「遊び人かな」
「あ、遊び人なの?」
「ううん。だって、その。さっきね」
真理亜は少し言うのを憚った。
「さっき?」
「ベランダでセックスしていた」
芳子は真理亜の発言に目を丸くした。よほど驚いたらしい。
来宮は見た目からモテそうではあるが、白昼に堂々と外でセックスをするように見えない。
真理亜は芳子の反応が妥当だと思った。きっと普段の来宮を見ている人は、そう思わないだろう。
「そ。そうなんだ。意外」
「うん。意外だよね」
芳子は意外と言いつつも、来宮に興味を示した。
「ねぇ。大家さんは独身なの?」
「独身だよ。離婚歴はあるけど」
「へぇ」
「え?まさか?」
「私でもイケるかな?」
芳子は照れくさそうに言った。真理亜は芳子の態度に驚いた。
芳子の見た目から、淫らなことが嫌いそうに見えたからだ。
「イケるって?遊ぶってこと?」
芳子は首を縦に振った。真理亜は想定外のことに驚くばかりだった。
真理亜はふと、先ほどの来宮の連絡先が頭を過ぎった。
「大家さんの名前、来宮っていうの。実は私、口説かれたよ」
真理亜は来宮が芳子と遊んで欲しくないと咄嗟に思った。
「えー!マジで!そうなの?で、真理亜さんは?どうするの?」
「えっと。その」
「ちょっと詳しく聞かせてよぉ」
真理亜は来宮からのアプローチを洗いざらい芳子に話した。
芳子はその話を興味津々に聞いた。真理亜は芳子の興奮具合に少し引く。
真理亜は自分で話したことを後悔した。これが他の人にでも漏れたら?と思えてきた。
「なんか、凄いね。でも、割り切った関係とかでもいいのでは?」
「え?ちょっと、まって」
「でもさ、旦那以外の人と関係持つって何か刺激的じゃない?」
芳子はにやにやとした。芳子は楽しくて仕方ないようだ。真理亜は少しため息をつく。
「でも、優貴はどうなるの?」
「隠れていればいいんじゃないの?私も憧れるけど、やれないっていうか」
「芳子さん。本当、どうしたの?」
真理亜は芳子の様子が可笑しい気がしてきた。不倫を容認するなんて、有り得ない気がした。
問い詰められた芳子は少し黙る。
「実はね」
「実は?」
「旦那が不倫している。それも人妻と」
「不倫?本当なの?」
「そうなの」
芳子は深刻そうな表情だった。思いつめ、自暴自棄になっているのだろうか。
真理亜は心配になった。
芳子は旦那の岬の不倫の内容を話し始めた。
岬は同僚の古谷宗の妻、璃子と不倫関係にあるらしい。
それも不倫というよりも肉体関係で、所謂セックスフレンドというものらしい。
同僚の古谷もそれを理解しているらしく、寧ろ、二人がやっているところを見て興奮しているらしい。
真理亜は全くの変態的思考に少し気持ち悪さを感じた。
それが露呈したのは、璃子が芳子に接触してきたらしい。それは今日の朝の出来事であった。
芳子の悩み 了
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】禁断の家庭教師
幻田恋人
恋愛
私ことセイジは某有名私立大学在学の2年生だ。
私は裕福な家庭の一人娘で、女子高2年生であるサヤカの家庭教師を引き受けることになった。
サヤカの母親のレイコは美しい女性だった。
私は人妻レイコにいつしか恋心を抱くようになっていた。
ある日、私の行動によって私のレイコへの慕情が彼女の知るところとなる。
やがて二人の間は、娘サヤカの知らないところで禁断の関係へと発展してしまう。
童貞である私は憧れの人妻レイコによって…
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。
風
恋愛
サディストの飼主さんに飼われてるマゾヒストのペット日記。
飼主さんが大好きです。
グロ表現、
性的表現もあります。
行為は「鬼畜系」なので苦手な人は見ないでください。
基本的に苦痛系のみですが
飼主さんとペットの関係は甘々です。
マゾ目線Only。
フィクションです。
※ノンフィクションの方にアップしてたけど、混乱させそうなので別にしました。
【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。
——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない)
※完結直後のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる