僕は平凡に生きたい

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番外編(捏造ありまくり)

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寝る前に今日はあの長いやつの日だと気付いて、バーっと書きました。
本編に全く関係ないのでパラレル的な感じでお楽しみください。

**
中原京×指宿佳乃

「佳乃ちゃん、佳乃ちゃん!」

「んー?」

「はい、これ!」

「…お菓子…?」

とんとんと肩を叩かれて振り向けばにこにこと笑みを浮かべている京くんがお菓子の箱を差し出していた。

「えっと…くれるの?ありがとう…?」

「えっもしかして、佳乃ちゃん今日がなんの日か知らない!?」

「…ゾロ目の日…?」

「合ってるけど違う!ゾロ目はゾロ目でもさ…!似てるじゃん…!」

「似てる…あ、これ?へー今日このお菓子の日なの?知らなかったぁ~」

改めて渡されたお菓子の箱を見れば、たしかに似ている。
…でも、これの日だとしてなんで俺はこれを渡されたの…。
首を傾げれば京くんがずいっと身を乗り出してテンション高めに言う。

「でね!これには続きがあって!」

「続きが…?」

「ほら、これ、出して…んで、咥えて?」

「んぐっ…ほれ、たべひゃ、ひゃへ…?」

「ぅぐ…だ、だめ!」

1本取り出して端の方を咥えたまま待ったをかけられた。
何が起こるって言うの!?俺ちょっと小腹空いてるから食べたい…!しれっと食べちゃダメかなぁ…。

じーっと京くんをみて、次の言葉を待つけど何を考えているのか何も言わなくなってしまった。
…取り敢えずこれは、食べます。

「んぐ…もぐ……ぉいし…」

「あー!佳乃ちゃん!!待ってって言ったのに!」

「だ、だってぇ…!」

お腹すいてたんだもん…!
がっくし…と効果音がつきそうなほど落ち込む京くんに罪悪感が湧いてきて、再度くわえる。
おずおずとそれを京くんのほうに向ければ、京くんが俺の肩を掴んで俺が咥えている逆側の端から食べ始めた。
…た、食べ始めた!?!?

「ひょ、ひょうくん…!?」

「…」

わたわたと焦って押し退けようとするけど全くもって敵わない。
黙々と食べ進める京くんの顔が段々近付いて、後少しで口と口がくっつく…というところで、ポキッと軽い音が鳴った。

あ、思わず折っちゃった。

「…あとちょっとだったのに」

「何が!?おれっ俺、びっくりしたんだから!前もって言ってくれないと、俺分かんないから…」

「え、前もって言ってたらやってくれたの?」

「当たり前だよ!」

「じゃ、じゃあもう一回…」

「これ、ギリギリまで避けない方が勝ちっていうゲームかなんかなんだよね?次は絶対負けないからね!」

「えっ」

「?どうしたの、京くん」

「…ううん、なんでもない…」

それはあげるよ…と落ち込んだ京くんはとぼとぼと去って行った。
…貰っちゃったけど、折角なら一緒に食べたかったなぁ…。
それにしても、突然どうしたんだろう?やっぱり俺なんかじゃ勝負の相手にならないとか?…うぐぐ、くやしい。

次こそは、負けないぞー!

(勘違いエンド。ちゃんちゃん。)



**
群青碧×指宿佳乃

今日は11月11日。11時11分にお願い事をしたら叶う、なんて聞いたことあるけど本当なのかなぁ?

いつも通り起きて、お弁当を作って、身支度を済ませて、出発。
お願い事は何にしようかなぁ~今日も無事に終わりますように、なんてどうだろう。
…本当かどうかはわからないけど、願っておこう。

少しだけ時間があったので、売店に寄ってみた。
なぁんかお菓子欲しいんだけど…うーん……ん?

「…へぇ~今日はこの日なんだぁ」

POPに大きく書かれた文字を見て、その商品を手に取りレジへと向かう。
お願いしまーす!と声をかければレジのお兄さんが俺の置いたお菓子を見て、「あ」と声を出した。
な、なんか不味かった?

「これ、買ってくれたの君が1人目だよ」

「そうなんですか?」

「朝はだ~れも来ないからね。折角の日なのに…ま、君も友達と楽しんで」

「楽しむ…?…はい!」

楽しむ、がよく分かんなかったけど取り敢えずうなずいて売店を出た。
みんなで分け合ってね、みたいな事なのかなぁ。
うむむ、と悩んでいると前方に見知った顔がいて、声をかける。

「あっくーん!」

「あぁ、佳乃か。早いな。おはよう」

「おはよ~!あっくんも早いねぇ」

「俺はいつもこの時間だぞ。人が少ないしな」

「そうなんだぁ~あ、そだ!これ、あっくんにもあげる!」

はい、と先程買ったお菓子を差し出せば暫くそれを眺めたあと、ありがとう、と受け取った。
そういえば…と先程言われた謎のワードをあっくんに聞いてみた。

「これね、買う時レジのお兄さんが友達と楽しんでねーって言ってたんだけど、あっくん意味わかる?」

「ぐっ…あー…まあ、そうだな」

「えー!?わかるの!?すごいねぇ…」

「なんだ、佳乃は知らないのか」

だって今日はお願い事をしたら叶う日だよ?別の日とちょっと混ざっちゃうけど。
首を横に振ればあっくんが1本取り出して「こっち、くわえて」と言うので素直にくわえる。なんだろ、くれるの?
きょとんとした顔のまま待っていればもう片方をあっくんがくわえて、え?え?となっている間にいつの間にか目の前まで顔が迫っていた。

ちゅ

「…まあ、こういうことだ」

「…っ…あっ…あっくんの、ばかぁ!」

「おい!佳乃!」

口と口がくっついたことに気付いた瞬間、顔が茹で蛸のように真っ赤になっていた。
涙も溜まっていって、うりゅりゅとその目で睨んで逃げる。
あっくんが名前を呼んでたけど、知らない!あっくんの、ばか!

その後しばらく、ぷんぷんと音が出そうなぐらい怒っていた俺はあっくんと口を聞いてやんなかった。ふーんだ。
そんな俺の反応を見て、かわいいなぁなんて思ってることは知らなかった。…ばか!

(どさくさエンド。ちゃんちゃん。)

**
…なんだこれ。
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