僕は平凡に生きたい

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体育祭後

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授業が終わって教科書をしまっていると京くんがきて、さっきはごめんね…としょんぼりしながら言ってきた。
ちょっとかわいいなぁなんて思いつつ、緩く笑みを浮かべて、


「全然大丈夫だよ~!」

「ん…」

「ふふ、わんちゃんみたい」

「え?」

「あ。…えへへ、なんだかしょんぼりしてるから、つい…」

思わずぽろっと本音が溢れて、きょとんとされた。
叱られたわんちゃんみたいでよしよーーーーし!ってしたくなる。
きっとしても怒られない気がするけど…。
うずうずとした気持ちが抑えきれず、ぽふっと頭に手を乗せて撫でれば最初は驚いたような仕草をしたけど暫く経てば俺の手に擦り寄ってきた。
うぐ…かわいい…!

髪がぼさぼさにならないように撫でていると、ふと先程言われた事を思い出した。

「あ、そういえば先生に呼ばれてるんだった…」

「そうなの?」

「うん…教材運ぶの手伝えって」

「…それ、俺も行くよ?」

「大丈夫!そんなに重くないだろうし…ちょっと行ってくるね!」

「うん…」

心配そうに俺を見つめる京くんに手を振って教室を出る。
ちょっと時間が経っちゃったし、急がなきゃ…!

ごめんなさい!と思いながら廊下を走っていたら角を曲がってきた人にドンっとぶつかってしまった。

ころんと俺だけ転がってしまったけど、慌てて相手を見上げて謝る。

「わぁっ!…ぃたた…ご、ごめんなさい!」

「…お前…」

「…?あ、あの…俺が走っちゃったから…怪我とか、ないですか?」

「…あるように、見えるか?」

むしろ怪我がありそうなのはお前の方だろとでも言いたげな視線を感じるけど、気のせいだよね?うん、気のせい。
ところでこの人どこかで見た覚えがあるんだけど、どこだろう…?

うーん?と首を傾げなら相手を見つめていたら、その人が手を差し出して「捕まれ」と言った。
いい人だ…と心で呟いて有難くその手に捕まればそのまま勢いよく手を引かれてぼふん、と相手の胸に飛び込んでしまった。
え、なに!?

「あ、あの!?」

「…やっと見つけた」

「…へ?」

「行くぞ」

「えっえっ?お、俺行かなきゃいけないところが…!」

「そんなものはいい。後にしろ」

そういう訳にもいかないんですが…!!
相手の引っ張る力が強くて立ち止まることさえできない。
俺どこに連れて行かれるんだろう…と半泣きでびくびくしながら見覚えのある生徒についていくのを、誰も止めてはくれなかった。

…なんか、引いてる…?


**
10月が…終わって…しまいますね…。
11月になったら歳をとってしまうのですが、お仕事です。祝日なので、お仕事です。(2回目)
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