僕は平凡に生きたい

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体育祭

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「やっと終わった…。」

今日の授業全部終わった!寝なかった!
俺すごく偉い!!自分の事ちゃんと褒めなきゃね!!
ポジティブって大切~。

るんるんで帰る準備をしていると京くんが近づいてきた。

「佳乃ちゃんほんとに寝なかったね。偉い。」

「えへへ、でしょー?」

にへらーと笑って京くんを見ると何かをボソッと呟いた。
…いつも思うんだけど何言ってるんだろう?
聞いてもはぐらかされるしもう聞かないけどさぁ。

「あ、そういえばたくさん褒めるって言ったしご褒美あげるよ。」

「ご褒美?」

「うん。何か欲しいものとかあったら何でも買うよ?」

「買う!?いやいやそんなのいいよ!!」

求めてたのと違う!いや何も求めてはないけど!

「えーでもそれ以外…。」

「褒めて欲しいなんて冗談だから!何もしなくていいからね!?」

「…もうご褒美あげる気満々だったしなぁ…。」

全力で止めようとするけど京くんが諦める気配はない。
もっと悩みはじめてしまった。
どうすれば諦めてくれるのかと俺も悩んでいると颯くんがひょこっと顔を出した。

「なになに?なんの話してんの?」

「あ、颯くん!丁度いいところに!」

「え、なに?」

ガシッと腕を掴むと驚いた顔で見てくる。
実は…と全てを話すと吹き出して「佳乃も大変だなぁ!」と言った。

「他人事だと思って…。」

「はは、ごめんごめん。京がこんなんになってんの俺初めて見るわ。」

「こんなの…?」

「あー京ってあんまり人を近づかせないタイプなんだけどさ。一応仲が良い俺でも多分、壁があるんだよな。」

「壁…。」

「そ、壁。…だからこんなに誰かに対してあっっまくなってんのにびびってる。」

未だに悩んでいる京くんを見ながら颯くんは笑った。
よく笑うなぁ。笑顔が似合う。

「それで、ご褒美何にするか悩んでんだろ?」

「そうみたいなんだけど、俺は別に何も望んでないんだよね…。」

「んーでもなぁ…引かなさそうだしな。」

「そうなんだよ!どうしたら諦めてくれるのかと…。」

「佳乃がかわいく、僕は京くんがいるだけでいいんだよ?って言えば一発なんじゃない?」

「何それ!?一人称まで変わってるし!」

そんな冗談今は聞いてないー!

「イケると思うけどな~物は試しだ!やってみようぜ!」

「やだよ!?流石にそれは俺がやると気持ち悪いでしょ…!」

「…え?」

「え?」

「いやいや…嘘だよな?」

「え?何が?」

今の間に何も嘘はついてないけど…。
首をかしげるとはぁ~とため息を吐かれた。…??

「なぁるほどな~」

「何がなるほど…?」

「いや、なんでもない。こっちの話。ま、とりあえずさ、やってみようぜ。」

「そんなちょっとコンビニ行こうぜみたいなノリで言われても…。」

割と難易度高くない?そのコンビニ。

「ほらほら、早くしないと悩んだままだぜ?」

「うっ…。」

「佳乃。」

「あー!もう、わかったよぅ!やればいいんでしょ、やればぁ!」

ごくりと唾を飲み込んで、京くんの前に立つ。
そして、息を吸い込んで…。


***
気付けばお気に入りが300を超えました(;_;)
(これ見て外すのはナシでお願いします!笑)
本当に、本当にありがとうございます!
これからもちまちま頑張りますので、お付き合いいただければと思います。
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感想 22

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