僕は平凡に生きたい

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番外編(捏造ありまくり)

バレンタイン(中原 京)

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***恋人設定、捏造しかない***


今日はちょっとだけ楽しみにしていたバレンタイン。
お昼に会う約束してるから、朝はチョコ作りに勤しむ。
喜んでくれるといいなぁと、笑みを浮かべながらチョコを溶かす。

今まで女の子たちがたくさんくれてたけど、所謂友チョコ。
まさか自分が本命チョコを作るなんて思わなかったけど、誰かのために作るってわくわくする。

生チョコもいいけどフォンダンショコラにしようかな。
甘さ控えめのフォンダンショコラ。

ふんふんふふーんと鼻歌を歌いながら作り続けること2時間。


「よっし、これで完璧!…なハズ」


ラッピングが不恰好な気がしなくもないけど、まあ許容範囲内でしょ。うんうん。
ラッピングに時間かかって仕方なかった。
不器用もここまでくるともはや才能な気がする。


「えへへ、喜んでくれるかな」


**

「佳乃、こっち」


待ち合わせ場所には先に京くんがいた。
元からカッコいいけど更にカッコよく見える…!

ドキドキと早くなる鼓動に、胸を押さえながら京くんに近付く。


「ごめんね、遅くなっちゃった?」

「ううん、俺も今着いたとこだから」


鼻を少し赤くさせながら言う京くんに、ふふ、と笑う。
楽しみなのは俺だけじゃなかったんだって嬉しくなった。


「これ、先に渡しとくね」

「え!チョコ?ありがとう!」

「(色々)頑張ったから喜んでくれると嬉しい」

「すっごく嬉しい!さ、行こ!」

「うん!」


手をとられて歩き出す。
今日の行き先は京くんしか知らない。
何も聞かずにただ着いて行く。


バスに乗り込んで揺られて数時間、着いたのは水族館だった。


「ここ…」

「前に行きたいって言ってたから」

「ありがとう!!嬉しい!!」


満面の笑みで京くんの手を早く早くと引っ張る。
水族館って昔からすごく好きで、ここの水族館は最近出来ていつか行ってみたいなって思ってたとこ…!
さらっとこんな事してくれる京くん、本当にかっこいい。


全ての場所をまわり終わる頃には、もう夜だった。


「あっという間だったなぁ」

「そうだねぇ」

「京くん、本当にありがとう。楽しかった!」

「ん、喜んでくれたなら俺も嬉しい」

「あ!あそこ行ってもいい?」


そう言って俺が指差したのは、ぬいぐるみが置いてあるお店。
記念に何か買って帰りたい!


最初は一緒に見てたけど、途中俺が買ってくるねとそばを離れて、じゃあまた出口のとこでと分かれた。

京くんまだかなぁと壁にもたれかかっていると、おまたせと京くんが戻ってきた。


「京くんも何か買ったの?」

「ん?うん。ちょっと」

「そっか!じゃあもう遅いし寮に戻ろう?」

「ん」


また手を繋いでバスに乗る。
楽しい時間ってなんでこんなにあっという間に終わっちゃうんだろう。もっといたいなぁ。


「佳乃、これ」

「へ?」


差し出されたのは小さなキーホルダー。
これ、俺が買うか迷ってた…。


「い、いいの?」

「うん。佳乃のために買ったから。それと…」


チャラ…と京くんが取り出したのはお揃いのキーホルダー。


「俺とおそろい」


ははって笑いながら言う京くんがかっこよすぎてもう、だめ。
好きになると一直線になってしまう俺の性格。


「大切にする!!」

「うん、そうして」


ぎゅっと抱きついて嬉しさをアピールする。
そっと抱きしめ返してくれる京くんが大好き。

頬に手を添えられて、京くんを見上げると近付いてくる顔。


目を閉じて、唇を合わせる。


「んっ…ふ、」

「はっ…」

「ふぁ…ん、ちゅ…」


長い!!とっても長い!!
舌を絡め取られて、腰が抜ける。
もう限界!と京くんの背中を叩く。


「ぷはっ…」

「佳乃まだ慣れないね」

「だって京くんが初めてだもん!」


慣れなんて一生こない!


「…好きだよ、愛してる」

「きゅ、急に…」

「佳乃は?」

「うぐっ……好き。」

「好き、だけ?」

「い、意地悪…!」

「聞かせて?聞きたい」

「…っ、だ、大好き」


もうむり!バフンと京くんの胸に顔を埋めて逃げる。
クスクスと笑いながら俺の頭を撫ではじめた。


「本当に、大好きだよ」


蕩けるような笑みを浮かべる京くんは、すごくすごくかっこよかった。
ゆっくりとまた、顔がおりてきて静かに目を閉じた。


***
そんなこんなでバレンタイン小説でした。
私の中ではもうバレンタイン終わってたので急いで書きました。
気づいたらめっちゃ長くなってしまいました…。
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