41 / 162
学園生活
5
しおりを挟む
声にならない声をあげる俺に無言で力を緩める京くん。
あ、離してはくれないのね。
俺本当に体固いから折れるかと思った…。
多分京くんもびっくりしたと思う。そのぐらい固い。
「…京、くん?」
「…」
まーーーーーただんまりしちゃった!!!
は~取り敢えず気の済むまでどうぞ~と体の力を抜いて、京くんにもたれかかる。
誰もいないしここが廊下だなんてのは忘れることにした。
さて、どうしたものかと考えていると京くんが喋った。
「…突然、ごめんね」
「びっくりはしたけど、別にいいよ」
「…嫌じゃない?」
「へ?どうして?」
「だって、俺、男だよ?男に抱きしめられて嫌じゃない?」
と少し震えた声で話す京くんに、俺は男同士の普通がよく分からないけど別に嫌じゃないなぁと思った。
「んー俺は別に嫌じゃないよ」
「ほんと?」
「うん。…京くんだし」
「それ、どういう…」
「さ!そろそろ離れよう?人の声が聞こえる」
「…うん…」
ざわざわと遠くから声が聞こえる。
他の1年生かな。きっと。
早く部屋に入って荷解きして…。あ、そうだ。
「京くん。京くんはこの後どうするの?」
「このあと?荷物もそんなにないし部屋にいるつもりだけど」
「そう?なら、俺とご飯食べない?」
「…いい、けど…どこで?」
「んーそうだなぁ…食堂、は京くん落ち着かないんだろうし…んー…簡単でもいいなら俺が作るけど…」
「佳乃ちゃん料理出来るの?」
「む。できるよ!」
お母さんにビシバシ鍛えられたからね!!!!
ありがとうお母さん!!!
人の作るご飯も好きだけど、自分で作った方が好き勝手出来るしね。
部屋の中にキッチンあるらしいし、すごく便利。
さすが、お金持ち…。すごいや…。
「じゃ、じゃあ!佳乃ちゃんの手料理が食べたい!」
「わかった!…でも、あんまり期待しないでね?」
ちらりと京くんを見上げながら首を少し傾げる。
期待されて期待されて、なんだこんなもんかって思われた時の絶望感といったら。
「佳乃ちゃんの作るものだったら、俺なんでも食べれるよ」
「ふふ、なにそれ!とりあえず、荷解きしたらお部屋に行くね」
「ん、分かった」
「材料とか一緒に買いに行ってくれる?」
「お安い御用だよ」
「ありがとう!」
笑顔でお礼を言うと、じゃあまた後でねと京くんは部屋に入っていった。…本当に近いんだね…斜め前…。
俺もそろそろ部屋にはーいろっと。
同室の人はどんな人なんだろう。
…怖くないといいなぁ。
あ、離してはくれないのね。
俺本当に体固いから折れるかと思った…。
多分京くんもびっくりしたと思う。そのぐらい固い。
「…京、くん?」
「…」
まーーーーーただんまりしちゃった!!!
は~取り敢えず気の済むまでどうぞ~と体の力を抜いて、京くんにもたれかかる。
誰もいないしここが廊下だなんてのは忘れることにした。
さて、どうしたものかと考えていると京くんが喋った。
「…突然、ごめんね」
「びっくりはしたけど、別にいいよ」
「…嫌じゃない?」
「へ?どうして?」
「だって、俺、男だよ?男に抱きしめられて嫌じゃない?」
と少し震えた声で話す京くんに、俺は男同士の普通がよく分からないけど別に嫌じゃないなぁと思った。
「んー俺は別に嫌じゃないよ」
「ほんと?」
「うん。…京くんだし」
「それ、どういう…」
「さ!そろそろ離れよう?人の声が聞こえる」
「…うん…」
ざわざわと遠くから声が聞こえる。
他の1年生かな。きっと。
早く部屋に入って荷解きして…。あ、そうだ。
「京くん。京くんはこの後どうするの?」
「このあと?荷物もそんなにないし部屋にいるつもりだけど」
「そう?なら、俺とご飯食べない?」
「…いい、けど…どこで?」
「んーそうだなぁ…食堂、は京くん落ち着かないんだろうし…んー…簡単でもいいなら俺が作るけど…」
「佳乃ちゃん料理出来るの?」
「む。できるよ!」
お母さんにビシバシ鍛えられたからね!!!!
ありがとうお母さん!!!
人の作るご飯も好きだけど、自分で作った方が好き勝手出来るしね。
部屋の中にキッチンあるらしいし、すごく便利。
さすが、お金持ち…。すごいや…。
「じゃ、じゃあ!佳乃ちゃんの手料理が食べたい!」
「わかった!…でも、あんまり期待しないでね?」
ちらりと京くんを見上げながら首を少し傾げる。
期待されて期待されて、なんだこんなもんかって思われた時の絶望感といったら。
「佳乃ちゃんの作るものだったら、俺なんでも食べれるよ」
「ふふ、なにそれ!とりあえず、荷解きしたらお部屋に行くね」
「ん、分かった」
「材料とか一緒に買いに行ってくれる?」
「お安い御用だよ」
「ありがとう!」
笑顔でお礼を言うと、じゃあまた後でねと京くんは部屋に入っていった。…本当に近いんだね…斜め前…。
俺もそろそろ部屋にはーいろっと。
同室の人はどんな人なんだろう。
…怖くないといいなぁ。
3
お気に入りに追加
798
あなたにおすすめの小説
ちょっと待ってもらっていいですか?とりあえず、10年ぐらい。
15
BL
頭、普通。顔、まぁまぁ(当社比)。性格、普通(?)。
毎日毎日普通の生活を送っていた俺。
朝目が覚めたら、そこは森でした。…は…?
気づいたらイケメンに囲まれ、求愛され…俺もうついていけねぇよ!!
ちょっと待ってくれ!お願いだから!あと10年ぐらい!!!
とっても普通(顔は普通ではない)な青年が突然トリップする話。
ここは、ゲームの世界。でも現実。強くてニューゲーム、不可。
総愛され。
いつになるかはわかりませんが、こっちはささっと物語を進めたい。です。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
消えたいと願ったら、猫になってました。
15
BL
親友に恋をした。
告げるつもりはなかったのにひょんなことからバレて、玉砕。
消えたい…そう呟いた時どこからか「おっけ〜」と呑気な声が聞こえてきて、え?と思った時には猫になっていた。
…え?
消えたいとは言ったけど猫になりたいなんて言ってません!
「大丈夫、戻る方法はあるから」
「それって?」
「それはーーー」
猫ライフ、満喫します。
こちら息抜きで書いているため、亀更新になります。
するっと終わる(かもしれない)予定です。
平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!
彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。
何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!?
俺どうなっちゃうの~~ッ?!
イケメンヤンキー×平凡
ザ・兄貴っ!
慎
BL
俺の兄貴は自分のことを平凡だと思ってやがる。…が、俺は言い切れる!兄貴は…
平凡という皮を被った非凡であることを!!
実際、ぎゃぎゃあ五月蝿く喚く転校生に付き纏われてる兄貴は端から見れば、脇役になるのだろう…… が、実は違う。
顔も性格も容姿も運動能力も平凡並だと思い込んでいる兄貴…
けど、その正体は――‥。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる