3 / 3
.
しおりを挟む
攻め視点です。
ほぼ台詞なし。
…くっつけばいいですね。
***
初めは、こいつで遊んでやろう。そんな気持ちだった。
どうせいつものように思っていたのと違った、なんてクソみたいな事を言って離れていくんだろう。今までの奴らのように。
それなら俺もそれなりの態度で返してやる。
そんな捻くれた俺の考えをがらりと変えたのは、特段可愛い訳でも、見た目がいい訳でもない平々凡々な男だった。
普段の俺であればまず告白された時点で断っていただろうし、実際断っていたが男の根気と、偶には平凡もいいかと思い直して了承する。
すぐに離れていくだろうと思っていた男は、案外悪くなかった。
細やかな気配り、従順な態度、控えめな…笑顔。
いつでも手放していいと思っていたこいつを、俺は手放したくなくて、でもそれを認めたくなくて思わず。
「もう、お前いらねぇ。」
と、口に出していて気がついた時にはもう側にいなかった。
こんな時まで俺はお前が追いかけてくるだなんて思っている。
…でも少し経てばあいつからまた側に居させてほしい、と言ってくるかも知れない。
そんな俺の気持ちは打ち砕けたけれど。
授業を受ける気にもなれず保健室でサボっていた時、見知らぬ男に連れられ入ってきた姿に俺は嫉妬して、思ってもいない言葉を吐き出した。
顔をザッと青ざめさせたあいつは走り出し、それを俺は一瞬躊躇ったが追いかける。
追いかけてどうするつもりなのかと問われても、答えは出せない。だけど追いかけなければいけないと、思ったんだ。
しかし一瞬の躊躇いがあいつを見失う結果になった。
俺は諦めかけたが、通りかかった空き教室から何かが倒れる音が聞こえ急いで扉を開ける。
そこには過呼吸を起こしているあいつが倒れていて俺は自分が起こした行動を悔いていた。
ああ、でも今はこいつを救わねば。
横抱きした身体は男子高校生とは思えぬ軽さで、俺は目頭が熱くなった。こんな小さな身体に俺は。
保健室に運び込み事情を説明すれば「もう落ち着いているみたいだから、もう君は帰っていいけれど、どうする?」と聞かれ目が覚めるまで待つと答えようとしてやめた。
過呼吸で気を失ったとはいえ、それを起こさせた原因は俺だ。
目が覚めた時に俺がいたらこいつはまた過呼吸を起こしてしまうんじゃないか。
そう思ったら待つなんて言えず、頭を下げて保健室を出た。
…あいつが逃げれるように、と考えて自嘲する。
結局はあいつに拒絶されるのが怖いだけの癖に。
いつになるか分からない帰りをあいつの家の前で待つ。
そして、俺はまたそこで自分の行いを再度悔いるのであった。
**
続きというか、ただの攻め視点で進展はありませんでした。
…書きたいんですけど中々筆がのらず…。
続きが読みたいと言ってくださり、感謝です。
ほぼ独白みたいでしたが、多分おそらくまた書くのでお許しを…笑
ほぼ台詞なし。
…くっつけばいいですね。
***
初めは、こいつで遊んでやろう。そんな気持ちだった。
どうせいつものように思っていたのと違った、なんてクソみたいな事を言って離れていくんだろう。今までの奴らのように。
それなら俺もそれなりの態度で返してやる。
そんな捻くれた俺の考えをがらりと変えたのは、特段可愛い訳でも、見た目がいい訳でもない平々凡々な男だった。
普段の俺であればまず告白された時点で断っていただろうし、実際断っていたが男の根気と、偶には平凡もいいかと思い直して了承する。
すぐに離れていくだろうと思っていた男は、案外悪くなかった。
細やかな気配り、従順な態度、控えめな…笑顔。
いつでも手放していいと思っていたこいつを、俺は手放したくなくて、でもそれを認めたくなくて思わず。
「もう、お前いらねぇ。」
と、口に出していて気がついた時にはもう側にいなかった。
こんな時まで俺はお前が追いかけてくるだなんて思っている。
…でも少し経てばあいつからまた側に居させてほしい、と言ってくるかも知れない。
そんな俺の気持ちは打ち砕けたけれど。
授業を受ける気にもなれず保健室でサボっていた時、見知らぬ男に連れられ入ってきた姿に俺は嫉妬して、思ってもいない言葉を吐き出した。
顔をザッと青ざめさせたあいつは走り出し、それを俺は一瞬躊躇ったが追いかける。
追いかけてどうするつもりなのかと問われても、答えは出せない。だけど追いかけなければいけないと、思ったんだ。
しかし一瞬の躊躇いがあいつを見失う結果になった。
俺は諦めかけたが、通りかかった空き教室から何かが倒れる音が聞こえ急いで扉を開ける。
そこには過呼吸を起こしているあいつが倒れていて俺は自分が起こした行動を悔いていた。
ああ、でも今はこいつを救わねば。
横抱きした身体は男子高校生とは思えぬ軽さで、俺は目頭が熱くなった。こんな小さな身体に俺は。
保健室に運び込み事情を説明すれば「もう落ち着いているみたいだから、もう君は帰っていいけれど、どうする?」と聞かれ目が覚めるまで待つと答えようとしてやめた。
過呼吸で気を失ったとはいえ、それを起こさせた原因は俺だ。
目が覚めた時に俺がいたらこいつはまた過呼吸を起こしてしまうんじゃないか。
そう思ったら待つなんて言えず、頭を下げて保健室を出た。
…あいつが逃げれるように、と考えて自嘲する。
結局はあいつに拒絶されるのが怖いだけの癖に。
いつになるか分からない帰りをあいつの家の前で待つ。
そして、俺はまたそこで自分の行いを再度悔いるのであった。
**
続きというか、ただの攻め視点で進展はありませんでした。
…書きたいんですけど中々筆がのらず…。
続きが読みたいと言ってくださり、感謝です。
ほぼ独白みたいでしたが、多分おそらくまた書くのでお許しを…笑
98
お気に入りに追加
59
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説


視線の先
茉莉花 香乃
BL
放課後、僕はあいつに声をかけられた。
「セーラー服着た写真撮らせて?」
……からかわれてるんだ…そう思ったけど…あいつは本気だった
ハッピーエンド
他サイトにも公開しています

始まりの、バレンタイン
茉莉花 香乃
BL
幼馴染の智子に、バレンタインのチョコを渡す時一緒に来てと頼まれた。その相手は俺の好きな人だった。目の前で自分の好きな相手に告白するなんて……
他サイトにも公開しています

告白ゲーム
茉莉花 香乃
BL
自転車にまたがり校門を抜け帰路に着く。最初の交差点で止まった時、教室の自分の机にぶら下がる空の弁当箱のイメージが頭に浮かぶ。「やばい。明日、弁当作ってもらえない」自転車を反転して、もう一度教室をめざす。教室の中には五人の男子がいた。入り辛い。扉の前で中を窺っていると、何やら悪巧みをしているのを聞いてしまった
他サイトにも公開しています

見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています

彼氏未満
茉莉花 香乃
BL
『俺ら、終わりにしない?』そんなセリフで呆気なく離れる僕と彼。この数ヶ月の夢のような時間は…本当に夢だったのかもしれない。
そんな簡単な言葉で僕を振ったはずなのに、彼の態度は……
ハッピーエンド
他サイトにも公開しています

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
更新できる時でいいので…この後の話もみたいです。
マサミ サマ
コメントありがとうございます!
まだ更新が先になりますが、その際は読んで下さると嬉しいです☺️
めちゃめちゃ続き読みたいです!
攻め視点でもぜひ書いて欲しいです!
のりこサマ
コメントありがとうございます😊
続きをとのお言葉、嬉しいです。まだわかりませんが、いつかは書きたいなとは思っていますので気長にお待ちください!