死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

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魔法学園

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「えぇ!?フェルってばウィリアムとペアになっちゃったのかよ!俺とペアになって貰いたかったのに!」
「やっぱ同室ってのはずるいよねぇ~。ざぁんねん」
「えっと……ごめんね?」


口を尖らせて文句を言う2人に少しだけ首を傾けながら謝罪をすればウィルが「フェイが謝る必要はない。こいつ達の運がなかっただけだ」と言ってまた2人はプンプン怒っていた。
ウィルってばそんな喧嘩を売るような事言わなくてもいいのに…。

頼んだ食事を待つ間に明日のペア組の話になり、誰と組むのかと聞かれ先ほどの会話に至るのだが食事がきても未だ終わりそうにない。
冷めても美味しいけれどせっかくなら温かい内に食べたい。
それに俺の隣に座っているルードもこころなししょんぼりしているようだ。


「…ルードお腹すいちゃった?…3人とも、そろそろ言い合いやめてご飯食べようよ。それに、ペアを組む授業は明日だけじゃないんだし…ね?」


ルードの頭を撫でながら言えば言い合っていた3人は大人しく席につく。
…まだ口は尖っているけど。

それが少し可笑しくてクスクスと小さく笑えばルードが俺を見て首を傾げた。


「ふふ、なんでもないよ。さぁ、食べよう!あ、熱いから僕が冷ますね」
「オレ、あついのへーき」
「そう?でも火傷しちゃったら僕が嫌だから……はい、あーん」
「あー」


ふーふーと冷ましてからルードに差し出すと素直にカパッと口を開けて食べてくれた。
火傷しちゃったら嫌だからって言ったけど、本当はもう少しだけルードのお世話がしたいだけだったりする。
あっという間に大きくなっちゃったし…次からはもう出来ないだろうけど、今日だけはこうやってルードを可愛がりたい。
「熱くない?」と聞くと「フィー、じょーず」と返ってきたので はて? と内心首を傾げたが、すぐに冷まし加減の事かと一人納得して笑みを零す。


「……おいおい、ウィル。ずっとフェルの隣にいる奴誰だよって思ってたけど、ルードなんかよ。先に言っとけって、ああいうのは」
「言ったじゃないか。見知らぬ者がいても声を荒げるなよ、と」
「それ言った内に入んないからぁ~ほんっとこいつどっか抜けてるよねぇ~」
「私が?……そんなわけ…」
「いや、ウィル。お前はいつもどこか抜けてるぞ。フェルの前では格好つけてるようだけど、かなり」


俺とルードがほんわかしている間、3人は何やらこそこそと話し合っていたが俺はルードのお世話が出来なくなることが悲しくて全く耳に入ってはいなかった。


…ぐすん。





















****
お久しぶりです。
間隔はあくとは思いますが十分休んだつもりなので、ぼちぼち再開できればなと…。
おやすみしてる間にコメント下さった方や、読んで下さった方々ありがとうございます…!
本当に励みになります…。




そして前の話を読んでなくてもなんとなく状況がわかればいいなぁと思いつつ。
(私は読み直しました)

視点は主人公
フェル呼び→シルヴァン(少し口が悪め)
フェイ呼び→ウィリアム(一人称、私)
フィー呼び→ルード(主人公のペット…?)
語尾が長い子→ルカ
です。笑
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