死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

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魔法学園

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「ごめんね、ウィル。それで、話って?」
「ああ、いや……大した事ではないんだけどね。明日の外での演習の事なんだけど…」
「あ、そういえばそうだった!明日はペアで魔獣の森に行くんだっけ?」


ルードの事ですっかり頭からすこーんと抜け落ちてたけど、明日は1日中外で授業なんだった。
魔獣の森といっても本物の魔獣を相手にするんじゃなくて、魔石に幻影の魔法をかけて魔獣に見せてそれを倒すだけなんだけど…。
学年全員で誰かとペアにならないといけなくてそのペアもそれまでに決めなきゃいけない。


「うん。良ければ私とペアにならないか?フェイの事はよくわかっているし、気も遣わないからやりやすいかなと思うんだけど」
「え!本当?ウィルが良ければ僕もウィルとペアになりたいっ」
「ふふ、よかった。…話は、それだけだから。ルードが待っているんだろう?」
「あ、うん!じゃあ、明日はよろしくね!」


ウィルの言葉に二つ返事で返す。
ルードの事もいつも気にかけてくれるし、本当にウィルはいい人だなぁ~。




ーーー


「…フィー…また、かんがえごと」
「え、あっ……んー…ダメだね、僕…ずっと頭がぼーっとしてる…。ふぅ…今日はキリがいいしここまでにしよっか。ごめんね。ご飯食べに行こう!」
「うん…」
「あはは、そんな心配しなくても大丈夫だよ。ほら、これ。ウィルがルードにってくれたんだよ。これに着替えて食堂に行こうね」


部屋に戻った後勉強を再開させたはいいが、頭がぼんやりとして生返事になっていたようだった。
ルードが心配そうに顔を覗き込んできたのでぐしゃぐしゃと頭をかき混ぜるように撫で、誤魔化す。
……季節の変わり目だし、風邪ひいちゃったのかなぁ……でも熱はないんだけど。
首を傾げながらルードの着替えを手伝い、ウィルに声をかけて一緒に食堂へと向かった。


「服のサイズが合ってよかったよ。動きにくくはないか?ルード」
「うん。ウィル、ありがとう。えーと、たすかります?」
「…ふ、ふふ……あ、いや、合ってるよ?大丈夫大丈夫」


拙いながらもお礼を言うルードがかわいくて思わず笑うとルードが何かおかしかったかと首を傾げてきた。
うちの子は本当にかわいくて、天才だ。
ウィルとルードも仲が良くて嬉しい。


「あ、そういえばシルヴァンは後から来るそうだよ。あぁ、後ルカも」
「本当?僕、パゴス置いてきちゃって連絡出来なかったんだ。ありがとう」
「フェイは相変わらずおっちょこちょいだな」
「き、今日だけだよ!」


パゴスっていうのは前の世界で言うスマホのような、魔法の板。
板というか…パネル…うーん、なんていえばいいんだろう…。
まあ、とにかく連絡手段の一つで魔法が使えない人でも使える優れもの!
テレパシーでもいいけど俺はめんど……楽だからそれを使ってる。
ただ、携帯する習慣がついてなくていつも忘れちゃうんだよね……今日だけなんていったけどウィルはそれを知ってるからいつもからかってくる。

失礼しちゃうよ!
…忘れる俺が悪いんだけど。















*****
パゴス。ガラを外しただけです。安直。
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