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魔法学園
35歩
しおりを挟む大分授業にも慣れてきた頃、新しく魔法の先生がくるとの事でみんなその話で持ちきりだった。
なんでも、今まで教えていた先生が奥さんの出産のために里帰りをするらしい。
そういえば確かに少し前不意にニヤけたり、祈る様な仕草を見せていた気がする。こういう事だったのかぁ。
どんな先生が来るんだろうな~楽しみ!
ガラッと扉が開き担任が入ってきた。
「おー今日も元気一杯だナァ。あん?新しい教師ぃ?もうお前ら知ってんのかァ、早いこって……ま、今日そのセンセーの授業あるしその時間に色々本人に聞いてくれヤ。オレは知らん。じゃ、この紙に目ー通しといてくれェ」
担任が入ってくると同時にクラスメイト達が新しい先生について質問したが、担任は嫌そうに顔を歪めこの話は終わりだと言わんばかりに魔法で紙を全員に配って出て行った。
…いつもながら、入ってきて出て行くスピードが早い。
紹介をする様な担任じゃない事は皆知っている筈なのに質問したという事はそれ程気になっているという事だ。
んーと魔法の授業が…4限目かぁ。ちょっとだけ待ち遠しいかも~。
座学も楽しいけれど、やっぱり魔法の授業はそれよりもっと楽しい!
あっという間に時間は流れて魔法の授業の時間となった。
みんないつもよりそわそわしてる気がする。
「フェールー!やっと会えたなー!」
「わぁっ!シル…いつも言ってるけどもう少し加減を覚えて欲しいよ…」
「わりーわりー!やっと会えると思ったらいても経ってもいられなくてさ!つーか、聞いたか!?新しい教師が来るって」
「うん、みんなその話ばっかりしてたよ。僕もちょっと気になってる!優しい人だといいね~」
授業の開始を待っていると後ろからどんっと突撃されて思わず前のめりになった。
シルは寮の部屋は隣同士だが、クラスが離れてしまいこういう合同授業以外では会えないためいつも突進してくる。
その度に怒るのに全然反省してくれない!!
案の定シルも先生の話を出してきて俺がそう言うと「平等な評価をする奴ならなんでもいいや」と欠伸をした。
前の世界でもあったけれどこの世界でもやはり差別はあるようだ。
シルも獣人だからと差別を受けた事があるらしい。
気にせずやり返してたみたいだけど…シルらしいといえばシルらしい。
この学園では基本的に平等ではあるけど時々、本当に稀に獣人を差別する魔族がいる。
この学園はどちらかと言えば獣人さんの方が多いのにね。
差別なんてして何になるのか全くもって理解が出来ない。
一度だけ、シルと過ごしていた時にすれ違った魔族に「獣人は大人しく森に帰って狩りでもしてろよ」と馬鹿にするようにシルに言ってきてカチンときた。
言い返そうとしたけどその前にシルが「自分達じゃ狩りなんて怖くてできないもんな~?お坊ちゃんには大変だもんなぁ?」と返していて思わずポカンと口を開けてしまった。
そしてシルは俺を振り返って「あんなの気にしなくていーんだよ。負け犬の遠吠えってやつだぜ、あれは」とケラケラ笑った。
シルが気にしないのなら…ってあの時は言ったけど、俺は絶対に許さない。
そうこうしている内に授業の開始時刻になり、チャイムが鳴った。
チャイムが鳴り終わるのと同時に突然その人は現れた。
「今日から皆さんに魔法を教える事になりました。ーーフレデリック•デュランと言います。分からない事があればいつでも私の部屋に尋ねてきて下さい。よろしくお願いしますね」
先生が話始めて俺は時が止まったように感じた。
……この声、もしかしてあの日の…?
まじまじと先生を見ているとパチリと目が合い少し目を見開いた後、ニコリと優しく微笑まれた。
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