死んだと思ったら生まれ変わって魔族になってたんですが…。

15

文字の大きさ
上 下
39 / 52
魔法学園

33歩

しおりを挟む
次の日、俺はリュカに頭を下げていた。


「リュカ!昨日は本当にごめんなさい!…僕、教えて貰ったんだ…獣人さんの尻尾の付け根とかが僕たちにとって………ううん、とにかくごめんなさい!」
「いや、もういいよ!頭を上げて!…もうボクも気にしてないしさ、これからは気をつけてくれたらいいし……ね?」
「リュカぁ~!なんていい人なのぉお!あ、そのお詫びに僕に出来る事があればなんでも言って!絶対に叶える!」
「なんでも?本当に、なんでも?」
「うん!」
「それじゃあーー」


リュカに謝ってる時に昨日のウィル達との事思い出して顔が熱い。

縋りつくようにしてリュカに抱きついた後リュカを見上げながら言う。
真剣な顔をしたリュカに提案されたのはーー。







「わー!学園の近くにこんな所があったんだねぇ~!」
「人も沢山デショ♪今日は一日ボクに付き合ってね」
「うんっ!」


俺たちが来ているのは学園の近くにある市場のような場所。
数週間前にリュカに言われたのは俺の一日が欲しいって事で、休みの日にリュカと仲良く遊びに来ていた。
俺の一日がお詫びになるのかは分かんないけど初めて見る市場に興奮が隠せない。

「人も多いしはぐれたら怖いから手、繋ごう♪」というリュカに争う事なく俺は手を差し出し歩いている。
人が多いのもそうだけど、大人が多いからか壁の間をすり抜けているような感覚になった。


「リュカは何か欲しいものがあったの?」
「ん~?うん、ちょっとね~。あ、こっちこっち♪」


ぐいぐいと手を引っ張られながら進んで行くとあまり人がいないのか先程の通りより、幾ばくか静かだった。
…違う世界みたい…。
きょろきょろと見回しているとリュカにくすくすと笑われて「転ばないでね」と言われ俺は恥ずかしくなった。

暫く道なりに歩いて目的地に着いたのか建物の扉を押して中に入った。
……わ、すごい……これは…。
キラキラと光っている商品をまじまじと見ているとそれに気付いたリュカが俺の肩に顎を乗せながら言った。


「ここは魔道具とか雑貨を売ってるお店なんだよ♪ゆっくり見てて~ボク、頼んでたモノを取りに行ってくるから」
「あ、うん!わかった!」


ひらひらと手を振ってお店の奥へと行ったリュカを見送る。
魔道具って色んな形があるんだなぁ…色もキラキラしてたり、くすんでたり…。
何か買ってみようかなぁ。魔道具はまだ必要じゃないけど、色んな雑貨が置いてあって気になる。

あっちこっち行きながら悩んでいるとモノを受け取ったのかリュカがひょっこり顔を覗かせた。


「何かお探し中~?」
「あれ、リュカもう戻ったの?早かったね!…何か買おうかなぁと思ったけど、色々あるから迷っちゃって…」
「受け取るだけだったからね~♪あ、じゃあこれとかいいんじゃない?いい匂いだし~」
「…ほんとだぁ…僕これ買う!」


リュカが手に取ったのはいい匂いのする液体だった。…えーと、パフュームコロン……名前もなんか可愛いかも。
パッと顔を明るくさせリュカを見れば俺の持っていたソレをひょいっと奪い取って「ボクが買ってあげる♪今日のお礼~」と言って俺が止める間もなくレジへと行ってしまった。


「…お、お礼って……今日はお詫びのお出かけなのに……?」


ぽかんと口を開いたままリュカの方を見ていたら戻ってきたリュカにゲラゲラと笑われてしまった。
へ、変な顔でごめんね!!!!


「これ、毎日つけてね♪」
「じゃあ今からつけようかなぁ。これどこにつけたらいいの?」
「ん~手首とか、耳の後ろとか……色々あるけど、今はここがいいな♪」


そう言ってリュカはまた俺から取り上げて俺の首にシュッと吹きかけた。
ひぃっ首にかけるなら前もって言って欲しいんですけど…!!

そんな俺の気持ちはお構い無しにリュカは俺の首元にすり寄り「いいにお~い」ととろけていた。
いや、うん。いい匂いなのはわかるんだけど……あんまりすりすりされるとくすぐったくてね?


「りゅ、リュカ…っ…も、行こ…?」
「あらま、夢中になってたや!ごめんごめん~よし、次の場所へレッツラゴー!」


何もなかったかのようにリュカは俺の手を取りまた意気揚々と歩き出した。
……俺帰った後へろへろになってるんじゃなかろうか…。












****
好きな匂いを纏わせたい。
最近書いた「偽物の僕は本物にはなれない。」を読んで下さった方々ありがとうございます!
ああいう話が大好物で……毎日、増えないかなぁと思いつつ検索をかけています。
あった!と思ったら更新停止されてたりで泣いてます。
お願いします。無理にとは言わないので…続きを……続きを書いてください……。


追記
日付設定間違えて明日の11:30に予約してました(´・ω・`)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

ゆい
BL
涙が落ちる。 涙は彼に届くことはない。 彼を想うことは、これでやめよう。 何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。 僕は、その場から音を立てずに立ち去った。 僕はアシェル=オルスト。 侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。 彼には、他に愛する人がいた。 世界観は、【夜空と暁と】と同じです。 アルサス達がでます。 【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。 随時更新です。

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。 異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。 ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。 そして、コスプレと思っていた男性は……。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...