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魔法学園
33歩
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次の日、俺はリュカに頭を下げていた。
「リュカ!昨日は本当にごめんなさい!…僕、教えて貰ったんだ…獣人さんの尻尾の付け根とかが僕たちにとって………ううん、とにかくごめんなさい!」
「いや、もういいよ!頭を上げて!…もうボクも気にしてないしさ、これからは気をつけてくれたらいいし……ね?」
「リュカぁ~!なんていい人なのぉお!あ、そのお詫びに僕に出来る事があればなんでも言って!絶対に叶える!」
「なんでも?本当に、なんでも?」
「うん!」
「それじゃあーー」
リュカに謝ってる時に昨日のウィル達との事思い出して顔が熱い。
縋りつくようにしてリュカに抱きついた後リュカを見上げながら言う。
真剣な顔をしたリュカに提案されたのはーー。
「わー!学園の近くにこんな所があったんだねぇ~!」
「人も沢山デショ♪今日は一日ボクに付き合ってね」
「うんっ!」
俺たちが来ているのは学園の近くにある市場のような場所。
数週間前にリュカに言われたのは俺の一日が欲しいって事で、休みの日にリュカと仲良く遊びに来ていた。
俺の一日がお詫びになるのかは分かんないけど初めて見る市場に興奮が隠せない。
「人も多いしはぐれたら怖いから手、繋ごう♪」というリュカに争う事なく俺は手を差し出し歩いている。
人が多いのもそうだけど、大人が多いからか壁の間をすり抜けているような感覚になった。
「リュカは何か欲しいものがあったの?」
「ん~?うん、ちょっとね~。あ、こっちこっち♪」
ぐいぐいと手を引っ張られながら進んで行くとあまり人がいないのか先程の通りより、幾ばくか静かだった。
…違う世界みたい…。
きょろきょろと見回しているとリュカにくすくすと笑われて「転ばないでね」と言われ俺は恥ずかしくなった。
暫く道なりに歩いて目的地に着いたのか建物の扉を押して中に入った。
……わ、すごい……これは…。
キラキラと光っている商品をまじまじと見ているとそれに気付いたリュカが俺の肩に顎を乗せながら言った。
「ここは魔道具とか雑貨を売ってるお店なんだよ♪ゆっくり見てて~ボク、頼んでたモノを取りに行ってくるから」
「あ、うん!わかった!」
ひらひらと手を振ってお店の奥へと行ったリュカを見送る。
魔道具って色んな形があるんだなぁ…色もキラキラしてたり、くすんでたり…。
何か買ってみようかなぁ。魔道具はまだ必要じゃないけど、色んな雑貨が置いてあって気になる。
あっちこっち行きながら悩んでいるとモノを受け取ったのかリュカがひょっこり顔を覗かせた。
「何かお探し中~?」
「あれ、リュカもう戻ったの?早かったね!…何か買おうかなぁと思ったけど、色々あるから迷っちゃって…」
「受け取るだけだったからね~♪あ、じゃあこれとかいいんじゃない?いい匂いだし~」
「…ほんとだぁ…僕これ買う!」
リュカが手に取ったのはいい匂いのする液体だった。…えーと、パフュームコロン……名前もなんか可愛いかも。
パッと顔を明るくさせリュカを見れば俺の持っていたソレをひょいっと奪い取って「ボクが買ってあげる♪今日のお礼~」と言って俺が止める間もなくレジへと行ってしまった。
「…お、お礼って……今日はお詫びのお出かけなのに……?」
ぽかんと口を開いたままリュカの方を見ていたら戻ってきたリュカにゲラゲラと笑われてしまった。
へ、変な顔でごめんね!!!!
「これ、毎日つけてね♪」
「じゃあ今からつけようかなぁ。これどこにつけたらいいの?」
「ん~手首とか、耳の後ろとか……色々あるけど、今はここがいいな♪」
そう言ってリュカはまた俺から取り上げて俺の首にシュッと吹きかけた。
ひぃっ首にかけるなら前もって言って欲しいんですけど…!!
そんな俺の気持ちはお構い無しにリュカは俺の首元にすり寄り「いいにお~い」ととろけていた。
いや、うん。いい匂いなのはわかるんだけど……あんまりすりすりされるとくすぐったくてね?
「りゅ、リュカ…っ…も、行こ…?」
「あらま、夢中になってたや!ごめんごめん~よし、次の場所へレッツラゴー!」
何もなかったかのようにリュカは俺の手を取りまた意気揚々と歩き出した。
……俺帰った後へろへろになってるんじゃなかろうか…。
****
好きな匂いを纏わせたい。
最近書いた「偽物の僕は本物にはなれない。」を読んで下さった方々ありがとうございます!
ああいう話が大好物で……毎日、増えないかなぁと思いつつ検索をかけています。
あった!と思ったら更新停止されてたりで泣いてます。
お願いします。無理にとは言わないので…続きを……続きを書いてください……。
追記
日付設定間違えて明日の11:30に予約してました(´・ω・`)
「リュカ!昨日は本当にごめんなさい!…僕、教えて貰ったんだ…獣人さんの尻尾の付け根とかが僕たちにとって………ううん、とにかくごめんなさい!」
「いや、もういいよ!頭を上げて!…もうボクも気にしてないしさ、これからは気をつけてくれたらいいし……ね?」
「リュカぁ~!なんていい人なのぉお!あ、そのお詫びに僕に出来る事があればなんでも言って!絶対に叶える!」
「なんでも?本当に、なんでも?」
「うん!」
「それじゃあーー」
リュカに謝ってる時に昨日のウィル達との事思い出して顔が熱い。
縋りつくようにしてリュカに抱きついた後リュカを見上げながら言う。
真剣な顔をしたリュカに提案されたのはーー。
「わー!学園の近くにこんな所があったんだねぇ~!」
「人も沢山デショ♪今日は一日ボクに付き合ってね」
「うんっ!」
俺たちが来ているのは学園の近くにある市場のような場所。
数週間前にリュカに言われたのは俺の一日が欲しいって事で、休みの日にリュカと仲良く遊びに来ていた。
俺の一日がお詫びになるのかは分かんないけど初めて見る市場に興奮が隠せない。
「人も多いしはぐれたら怖いから手、繋ごう♪」というリュカに争う事なく俺は手を差し出し歩いている。
人が多いのもそうだけど、大人が多いからか壁の間をすり抜けているような感覚になった。
「リュカは何か欲しいものがあったの?」
「ん~?うん、ちょっとね~。あ、こっちこっち♪」
ぐいぐいと手を引っ張られながら進んで行くとあまり人がいないのか先程の通りより、幾ばくか静かだった。
…違う世界みたい…。
きょろきょろと見回しているとリュカにくすくすと笑われて「転ばないでね」と言われ俺は恥ずかしくなった。
暫く道なりに歩いて目的地に着いたのか建物の扉を押して中に入った。
……わ、すごい……これは…。
キラキラと光っている商品をまじまじと見ているとそれに気付いたリュカが俺の肩に顎を乗せながら言った。
「ここは魔道具とか雑貨を売ってるお店なんだよ♪ゆっくり見てて~ボク、頼んでたモノを取りに行ってくるから」
「あ、うん!わかった!」
ひらひらと手を振ってお店の奥へと行ったリュカを見送る。
魔道具って色んな形があるんだなぁ…色もキラキラしてたり、くすんでたり…。
何か買ってみようかなぁ。魔道具はまだ必要じゃないけど、色んな雑貨が置いてあって気になる。
あっちこっち行きながら悩んでいるとモノを受け取ったのかリュカがひょっこり顔を覗かせた。
「何かお探し中~?」
「あれ、リュカもう戻ったの?早かったね!…何か買おうかなぁと思ったけど、色々あるから迷っちゃって…」
「受け取るだけだったからね~♪あ、じゃあこれとかいいんじゃない?いい匂いだし~」
「…ほんとだぁ…僕これ買う!」
リュカが手に取ったのはいい匂いのする液体だった。…えーと、パフュームコロン……名前もなんか可愛いかも。
パッと顔を明るくさせリュカを見れば俺の持っていたソレをひょいっと奪い取って「ボクが買ってあげる♪今日のお礼~」と言って俺が止める間もなくレジへと行ってしまった。
「…お、お礼って……今日はお詫びのお出かけなのに……?」
ぽかんと口を開いたままリュカの方を見ていたら戻ってきたリュカにゲラゲラと笑われてしまった。
へ、変な顔でごめんね!!!!
「これ、毎日つけてね♪」
「じゃあ今からつけようかなぁ。これどこにつけたらいいの?」
「ん~手首とか、耳の後ろとか……色々あるけど、今はここがいいな♪」
そう言ってリュカはまた俺から取り上げて俺の首にシュッと吹きかけた。
ひぃっ首にかけるなら前もって言って欲しいんですけど…!!
そんな俺の気持ちはお構い無しにリュカは俺の首元にすり寄り「いいにお~い」ととろけていた。
いや、うん。いい匂いなのはわかるんだけど……あんまりすりすりされるとくすぐったくてね?
「りゅ、リュカ…っ…も、行こ…?」
「あらま、夢中になってたや!ごめんごめん~よし、次の場所へレッツラゴー!」
何もなかったかのようにリュカは俺の手を取りまた意気揚々と歩き出した。
……俺帰った後へろへろになってるんじゃなかろうか…。
****
好きな匂いを纏わせたい。
最近書いた「偽物の僕は本物にはなれない。」を読んで下さった方々ありがとうございます!
ああいう話が大好物で……毎日、増えないかなぁと思いつつ検索をかけています。
あった!と思ったら更新停止されてたりで泣いてます。
お願いします。無理にとは言わないので…続きを……続きを書いてください……。
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