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魔法学園
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「んぅっ…!!ふ、ぁ…ん…ッ……や、やだっ…!」
「っ…ふふ、どうしたんだ、フェイ?」
「な、なんでこんな……ち、ちゅーなんて…!」
「おや、ダメだった?」
「ダメっていうか…!」
ちゅーって好きな人同士がやるものじゃないの!?あれ、違うのかな!?
そう思って目でウィルに訴えるとそれが通じたのかは分からないがクスリと小さく笑って、俺の上から身体を起こした。
た、助かった……!!
「お、教えてくれるんじゃなかったの…!?」
「ん?教えようと思ったんだけれど……フェイは嫌なようだしね。こればかりは」
「え!?」
「…教えるにはさっきの事をしないと…意味がないからね」
苦笑いを浮かべて言うウィルのそれを聞いて俺はウィルに申し訳ない事をしたと思った。
ウィルはただ教えようとしてくれただけなのに、俺ったら勘違いして…!!
「ご、ごめんね!!…僕、初めてだったから……びっくりしちゃって」
「……いいや。無理強いなんてしたくないからね。嫌なら仕方ないよ」
「ううん!!…びっくりはしたけど、嫌じゃないから……ウィルがいいなら、僕に…教えて?」
ウィルってばどこまで優しいの!?
でも、でも!俺はちゃんと知らなきゃいけないから…恥ずかしいなんて気持ちは捨てなきゃ…!!
ちょっと泣きそうだ…!!そんな気持ちでウィルを目で見上げ、首を傾げればウィルは手で口を覆った。
う…泣き虫って思われたかな…!?もし嫌われちゃったら…!!
サァ…と血の気が引くような気持ちになる。
「う、ウィル……ごめんね…?もう、嫌だよね……僕、他の人に聞いてみる…」
「…フェイ。違うよ。ちょっと………己の理性が砕けそうになったというか…。とにかく、私が最後まで責任を持って教えるからね」
「ウィル…!!はいっ!ありがとうございます!」
「それじゃあ早速…」
そう言ってウィルの整った顔が近づいてくる。き、緊張する…!
ぎゅっと目を瞑って待っているとピンポーンとインターフォンが鳴った。
「……なんだ、邪魔が入ったみたいだね。フェイはここにいて?私が行くから」
「でも…」
「いいから。……それに、その格好に気付いてないみたいだから」
「格好…?」
俺がちらりと自分の格好を見ている隙にウィルは玄関へと向かって行った。
……俺いつの間に服脱いでたの……?
顔を赤く染めながら俺は急いで服を元に戻した時、シルの声が聞こえた。
あれ?シル来るって言ってたっけ?
ひょこっと顔を出して玄関を覗くとウィルとシルが何やら話していた。
「2人共、どうしたの?こんな所で話すのもなんだし、上がったら?僕、紅茶なら上手に淹れれるよ!」
「……だってよ」
「…仕方ないな。フェイがそう言うなら」
紅茶を淹れてどうぞ、と出せば「ありがとう」と2人がハモって言うので僕は思わず笑ってしまった。
でも2人はなんだか不満そうだ。
「シルヴァン、それを飲んだら大人しく帰りなよ」
「あぁん?なんでウィリアムに指図受けねーといけねぇんだよ。……ってか、フェル!お前こいつに何かされてねぇか!?」
「何か……?…あ!…あのね…僕、リュカの尻尾の付け根触っちゃったんだ…触っちゃいけないって知らなくて。…それでね、ウィルが教えてくれるって言うから教わろうとしてたんだ…でも、それだけだよ?」
「……因みにその教えるっていうのは言葉でか?」
「へ?…えーと…ううん。僕の身体で、だよ!その方が分かりやすいだろうって」
言い合いを始めた2人を大人しく見守っていると突然シルが俺に話を振ってきてビクッと身体が跳ねた。
そしてさっきの事を話せばシルは不機嫌そうに尻尾をソファに叩きつけ、ウィルをジロリと睨んだ。
…なんで?
「ウィリアム……おめぇ…何してやがんだ」
「何がだ?私はただ教えてただけだよ?……知りたいとフェイが言ったから」
「フェル!!こんな奴に教わらなくても、俺が教えてやる!!…フェルの身体で」
「嫌だなぁ、シルヴァン。そんな事私が許す訳ないだろう」
「てめーの許しなんて必要ねぇなぁ!?」
「ちょ、ちょっと2人共………そうだ!2人が教えてくれたらいいんだよ!そっちの方がいいかも!ね!」
ヒートアップする2人を宥めながら俺が名案だとばかりに言うと2人は少し黙った後顔を見合わせてニヤリと笑った。
………お2人共、ちょっと怖いんですけど……。
***
ひえぇお気に入り400超えありがとうございます…!
少しばかり話を修正したんですが、まるで話が進んでなくて笑いました。
読んで下さってる方々の「いつ話が進むの?」という声が聞こえてくるようで…。( ; ; )笑
「っ…ふふ、どうしたんだ、フェイ?」
「な、なんでこんな……ち、ちゅーなんて…!」
「おや、ダメだった?」
「ダメっていうか…!」
ちゅーって好きな人同士がやるものじゃないの!?あれ、違うのかな!?
そう思って目でウィルに訴えるとそれが通じたのかは分からないがクスリと小さく笑って、俺の上から身体を起こした。
た、助かった……!!
「お、教えてくれるんじゃなかったの…!?」
「ん?教えようと思ったんだけれど……フェイは嫌なようだしね。こればかりは」
「え!?」
「…教えるにはさっきの事をしないと…意味がないからね」
苦笑いを浮かべて言うウィルのそれを聞いて俺はウィルに申し訳ない事をしたと思った。
ウィルはただ教えようとしてくれただけなのに、俺ったら勘違いして…!!
「ご、ごめんね!!…僕、初めてだったから……びっくりしちゃって」
「……いいや。無理強いなんてしたくないからね。嫌なら仕方ないよ」
「ううん!!…びっくりはしたけど、嫌じゃないから……ウィルがいいなら、僕に…教えて?」
ウィルってばどこまで優しいの!?
でも、でも!俺はちゃんと知らなきゃいけないから…恥ずかしいなんて気持ちは捨てなきゃ…!!
ちょっと泣きそうだ…!!そんな気持ちでウィルを目で見上げ、首を傾げればウィルは手で口を覆った。
う…泣き虫って思われたかな…!?もし嫌われちゃったら…!!
サァ…と血の気が引くような気持ちになる。
「う、ウィル……ごめんね…?もう、嫌だよね……僕、他の人に聞いてみる…」
「…フェイ。違うよ。ちょっと………己の理性が砕けそうになったというか…。とにかく、私が最後まで責任を持って教えるからね」
「ウィル…!!はいっ!ありがとうございます!」
「それじゃあ早速…」
そう言ってウィルの整った顔が近づいてくる。き、緊張する…!
ぎゅっと目を瞑って待っているとピンポーンとインターフォンが鳴った。
「……なんだ、邪魔が入ったみたいだね。フェイはここにいて?私が行くから」
「でも…」
「いいから。……それに、その格好に気付いてないみたいだから」
「格好…?」
俺がちらりと自分の格好を見ている隙にウィルは玄関へと向かって行った。
……俺いつの間に服脱いでたの……?
顔を赤く染めながら俺は急いで服を元に戻した時、シルの声が聞こえた。
あれ?シル来るって言ってたっけ?
ひょこっと顔を出して玄関を覗くとウィルとシルが何やら話していた。
「2人共、どうしたの?こんな所で話すのもなんだし、上がったら?僕、紅茶なら上手に淹れれるよ!」
「……だってよ」
「…仕方ないな。フェイがそう言うなら」
紅茶を淹れてどうぞ、と出せば「ありがとう」と2人がハモって言うので僕は思わず笑ってしまった。
でも2人はなんだか不満そうだ。
「シルヴァン、それを飲んだら大人しく帰りなよ」
「あぁん?なんでウィリアムに指図受けねーといけねぇんだよ。……ってか、フェル!お前こいつに何かされてねぇか!?」
「何か……?…あ!…あのね…僕、リュカの尻尾の付け根触っちゃったんだ…触っちゃいけないって知らなくて。…それでね、ウィルが教えてくれるって言うから教わろうとしてたんだ…でも、それだけだよ?」
「……因みにその教えるっていうのは言葉でか?」
「へ?…えーと…ううん。僕の身体で、だよ!その方が分かりやすいだろうって」
言い合いを始めた2人を大人しく見守っていると突然シルが俺に話を振ってきてビクッと身体が跳ねた。
そしてさっきの事を話せばシルは不機嫌そうに尻尾をソファに叩きつけ、ウィルをジロリと睨んだ。
…なんで?
「ウィリアム……おめぇ…何してやがんだ」
「何がだ?私はただ教えてただけだよ?……知りたいとフェイが言ったから」
「フェル!!こんな奴に教わらなくても、俺が教えてやる!!…フェルの身体で」
「嫌だなぁ、シルヴァン。そんな事私が許す訳ないだろう」
「てめーの許しなんて必要ねぇなぁ!?」
「ちょ、ちょっと2人共………そうだ!2人が教えてくれたらいいんだよ!そっちの方がいいかも!ね!」
ヒートアップする2人を宥めながら俺が名案だとばかりに言うと2人は少し黙った後顔を見合わせてニヤリと笑った。
………お2人共、ちょっと怖いんですけど……。
***
ひえぇお気に入り400超えありがとうございます…!
少しばかり話を修正したんですが、まるで話が進んでなくて笑いました。
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